キャッシュレス社会を考える。財布を持たない生活のメリットデメリットは?

2019.09.11

現金支払いを行わない『キャッシュレス』社会とはどういうものなのでしょうか?全世界的に進むキャッシュレス化について、日本と海外を比較しながら理解を深めてみましょう。財布を持たずに済む方法と、メリットや注意点も解説します。

海外では財布を持たない人が増えている?

キャッシュ(現金)を用いない決済方法を『キャッシュレス決済』といいます。

日本では現金支払いが一般的ですが、世界的に見ればクレジットカードやデビットカードといったカード支払いや、スマホなどのスマートデバイスと紐付けた電子マネー支払いが大勢を占めつつあります。

キャッシュレス社会の世界的な動きを概観してみましょう。

カードや電子マネーの普及

キャッシュレス化の流れはアジア圏では韓国・中国・シンガポールが有名ですが、アメリカやカナダ、欧州各国なども含めた全世界で進んでいる傾向です。

これはなぜでしょうか?キャッシュレス化が急速に進む国に散見される実情を以下に挙げます。

  • 決済システム・ルールが不統一だった
  • 金融危機を経験した
  • 金融機関・交通機関での強盗が多い
  • 偽札の流通量が多い
  • 脱税を行う企業が多い
  • 現金輸送コストが高い(国土が広い/交通インフラが脆弱)
  • 紙幣・硬貨が汚い(廃棄・発行のコストが高い)

キャッシュレス化を受け入れる基盤として、キャッシュや社会に対する不信感の強さが挙げられます。政府主導でキャッシュレス化が促進され、民間電子マネーサービスの台頭とマッチした国が多いのも特徴でしょう。

日本はまだキャッシュレス後進国?

日本はキャッシュレス化が進んでいないとよくいわれます。技術はあるが国民の大半が『現金主義』である、という稀有な国です。

キャッシュに関する日本の特徴を以下に挙げます。

  • 盗難が少ない
  • 偽札が少ない
  • POS(レジ)の処理が高速かつ正確である
  • ATMが24時間稼働している

日本は、世界的に見て例外的に治安が良い国です。現金に対する信頼性が高く、現金支払いに不便を感じることもほとんどありません。さらに、現金の入手が容易、という国なのです。

キャッシュレス化に対しては男性が約6割賛成派であるのに対し、女性は約6割が反対派となっています。

政府主導でテコ入れが必要なほどの危機はなく、世論もそれを強く求めていない、という状況も背景にあるのです。

財布を持たないことのメリットとデメリット

日本におけるキャッシュレス決済は微増傾向にありますが、他国とは社会情勢が異なるため、キャッシュの扱いは個人の選択次第です。キャッシュレスを選択する際のメリット・デメリットを見ていきましょう。

紛失や盗難時に安心

キャッシュレス派の人は、カードやスマホなどで決済を行います。クレジットカードやデビットカードは紛失や盗難時の補償が受けられるサービスがあるため、万が一の際もキャッシュを失うリスクが軽減できるのです。

とはいえ、補償を受ける際には利用証明を求められることがあるため、紛失時にはサービス提供会社に迅速に利用停止の連絡を入れることをおすすめします。

アプリと連動させれば管理も楽

電子マネーは対応するアプリ内で利用内容が確認できるため、レシートを集めて支出を管理する、といったことが必要ありません。買い物をすれば自動的にアプリ内で家計簿が作成できるのです。

また、スマホの特定アプリにクレジットカード情報を登録し、レジに備え付けてあるリーダー(読み取り機器)にかざすだけでクレジットカードを使った決済をすることもできます。

この場合も利用情報はアプリ内で管理でき、アプリによっては航空券やクーポン、映画のチケットなどを一元管理することも可能です。

対応していない店舗や端末の故障に注意

東京では約1/3の飲食店がクレジットカード決済に対応していますが、小規模店では手数料を嫌って導入しないケースがあるなど、どこでもキャッシュレス決済できるわけではありません。

また、キャッシュレス決済を行うとサービス提供を行う企業が管理するサーバーに処理を行わせることになります。大量の決済処理が集中するなどしてシステムダウンした場合、一時的に決済が不可になります。

加えて、店舗が管理するリーダーが故障したり、スマホがバッテリー切れになったりした場合も決済できません。

電子機器やシステムの安定運用が前提とされているため、不測の事態に備えて最低限のキャッシュも持ち歩くことをおすすめします。

財布の代わりに持ち歩くと便利なもの

キャッシュレス賛成派の意見として多いのが「財布がかさばる・持ち歩きたくない」というものです。財布を持ち歩かずに、カードや予備の紙幣を携帯するための便利グッズを紹介します。

持ち物を必要最小限に抑えるマネークリップ

『マネークリップ』は、紙幣を挟んで持ち歩ける最小構成の財布のようなものです。最大の利点は、非常にコンパクトかつスリムであることで、ポケットに入れて厚みが出ることがありません。

基本的には紙幣を挟むことを想定されていますが、カードやレシートを挟むこともできます。ポケットの中で紙幣がシワだらけになることを避けるなら、カバー付きのものを選びましょう。

コンパクトにまとめられるカードケース

『カードケース』はカードの収納に特化した財布のようなものです。マネークリップよりは厚みのあるものが多いものの十分にコンパクトで、収納ポケットそれぞれにカードを分けて入れ管理できるメリットがあります。

マネークリップとは違い強い力で挟むわけではないため、収納ポケットからカードがはみ出たり、脱落する場合もあるため注意しましょう。なお、紙幣が入れられる構造のものもあります。

収納機能のあるスマホケース

収納機能のあるスマホケースも販売されています。これはカードや紙幣を入れておけるポケットが付いたもので、高機能なものではスマホと財布が一体化したような形状です。

クレジットカードと電子マネーを1カ所で管理でき、さらに予備の紙幣まで入れておくことができれば、キャッシュレス派にとっては「スマホさえあればいい」を実現できる理想のアイテムといえるのではないでしょうか。

紛失を防ぐファスナー付きのものがおすすめです。

これからの時代、財布は必要なくなる?

日本でもすでにキャッシュレス生活を送ることはできます。大体の買い物はECサイトでクレジットカードや電子マネー支払いで行うことができ、コンビニやスーパーでも対応店舗を利用すれば財布は必要ありません。

キャッシュを銀行に預けておけば、決済は電子経由で済む場合もあります。政府はキャッシュレス社会の有効性を認めているため、対応店舗やサービスは今後ますます増えていく見込みになるでしょう。

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