登山に慣れたらテント泊にチャレンジ。魅力や選び方を紹介します

2019.09.10

登山を始めると、その魅力にはまり「今度はテントを持ってきて宿泊したい!」という思いにかられるかもしれません。登山用のテントはどのようなものを選べばよいのでしょうか。登山用テントの選び方やテント泊のマナーについて解説します。

テント泊の魅力

まずは、山にテントで泊まることの魅力を紹介します。大自然の中でのテント泊には、整備された一般的なキャンプ場では味わえない多くの魅力が存在します。

自然を全身で味わえる

山のよさは、大自然の中で非日常の世界観を全身で味わえるということです。高い山に自分でテントを設営して『朝日』『夕日』『満天の星』を眺めるというのは、日常空間ではなかなか体験できません。

日が沈んだら、テントの中で疲れ果てた体を癒します。動物たちの声も聞こえてくるかもしれません。風の音も、雨の音も、どれもが自然の中でしか感じられないものばかりです。

このような素晴らしい時間を過ごすと、山でのテント泊にどんどんのめり込んでしまうでしょう。

達成感がある

山にテントを持って行って設営し宿泊するということは、大変な作業です。日帰り登山よりも荷物が多くなり、気軽に思い立って実行できるものではありません。テント泊を伴う登山は、綿密な計画を立てるところから始まります。

衣食住をすべて自分の背中に背負って山を登り、うまく下山できたときの達成感は何にも代えがたいものです。自分だけのスペースで周りの視線を気にすることなく、充実した時間を過ごせます。

登山用テントの特徴

登山用のテントとは、どのようなものなのでしょうか。一般的になじみのあるキャンプ用テントと、どのような違いがあるのかを紹介します。

軽くコンパクトで持ち運びしやすい

登山用テントは、軽量でコンパクトな作りが特徴です。登山でのテント泊の場合、テントを含めて装備全部を自分一人で運ぶため、軽量かつコンパクトが望ましいと言えます。

テントを広げた後のコンパクトさも、山での設営では重要なポイントです。整備されたキャンプ場とは違い、山での設営場所は狭いこともあります。大きなテントは限られたスペースを独占してしまい、マナー違反になることも考えられるのです。

強い風雨に対応可能

山の天候が変わりやすいことはよく知られています。登山用テントは、突然の天候の変化に対応できるように作られているのが特徴です。

強風の中でも倒れないような強度の高いポールを採用していたり、風雨に強い防水性や耐久性の高い布地を使用したりしています。コンパクトなわりに丈夫です。

形状も山特有の気象に対応しています。標高の高い場所では強風が吹き荒れるため、強風を受け流しやすいように低く丸みを帯びた形状をしているのです。

キャンプ用テントで代用は難しい

山間部と平野部とでは道中や設営環境が違うため、キャンプ用テントを登山で使用することはおすすめできません。

キャンプ用テントは車で運ぶことを想定しており、重く大きめです。そんなテントを1人で背負っての登山は至難の業です。運べたとしても、山の天候向けではないため、すぐに壊れてしまうリスクもあります。

また、ツーリングなどで使われるポップアップテントは、バイクに乗せて運べて設営も簡単です。軽量でコンパクトではありますが、山の天候を想定していないため耐久性に劣ります。

キャンプ用同様に、山で使用するとすぐに傷んでしまうかもしれません。山でのテント泊には、登山用を使うのがベストと言えます。

登山用テント選びのポイント

具体的に、どのような登山用テントを選べばよいのでしょうか。山におけるテント泊の基本的な情報と共に選び方をご紹介します。

利用する季節

まず、どのような季節に山でのテント泊を検討しているのかを考えてみましょう。冬の雪が積もった中でテント泊をするのと、蒸しやすい夏にテント泊をするのとでは、テントの種類が変わります。

登山用のテントには、大きく分けて『春・夏・秋用のテント』と『季節を問わないテント』の2種類があります。

もし、冬のテント泊を想定していないのであれば前者を購入すればよいですが、購入後に冬のテント泊が決まることもあります。そうなってしまうと、冬も使えるテントを再度購入することになるのです。

冬の山での使用もあり得るならば、季節を問わないタイプを買っておくのも一つの方法です。

3シーズンテントと4シーズンテントの違い

冬以外の3シーズン対応のテントは、メッシュ素材で通気性に優れているのが特徴です。夏登山が多いなら防虫ネットが付いているタイプも人気を集めています。

冬山でも使える4シーズンテントは、冬山の厳しい寒さに耐えられるよう密閉性が高く、保温力に優れているのが特徴です。雪山に登りたいなら、居住性が高いダブルウォールタイプのテントも検討する価値があります

利用人数

テントに宿泊する人数も考慮しましょう。登山用テントは、利用人数によって大きさや重さが変わります。

種類が豊富なのは、1人用テントです。重さも1kg程度と軽量かつコンパクトのものが主流です。

3~4人で使用できる多人数テントも販売されています。複数人で登山するなら一考の価値はあります。

機能や値段の優先順位が大切

登山用テントの購入時に大切なことは、どのようなテントがほしいかをイメージし、優先順位をつけることです。

『山に登って、そこで生活する』ということを前提に、大事にしたいことは何かによって選ぶテントが変わってきます。自分が山で生活するイメージを膨らませてみましょう。

例えば「簡単に設営したい」ならばポールを使って立てる自立型テントを、「暖かさを重視したい」のであれば布が2枚のダブルウォールテントを選ぶ、といった具合です。

軽量で丈夫なものは値段が高くなりやすいため、値段を抑えたいならそこは我慢するということも必要です。

初めてテント泊をおこなう前に確認

初めてテント泊をする場合は、チャレンジする季節や持ち物を確認しておきましょう。テント泊には、テント以外のアイテムも必要です。どのような点を確認しておけばよいのか見ていきましょう。

初心者向けの季節や山

初心者がいきなり冬の高山のテント泊に挑むのは無謀と言えます。まずは、テント泊初心者が快適に過ごせる季節を知っておきましょう。

気候が安定していて、あまり気温が落ちない梅雨明け以降の夏~秋が初心者向きの季節です。初めてのテント泊なら、この季節からチャレンジはいかがでしょうか。

日本アルプスのような、眺めのよい山でのテント泊に憧れるクライマーは多いと言われています。しかし、森林限界を超えるような高所は天候などの条件が厳しく、初心者には不向きです。

おすすめは、テントを設営する場所が森の中にある低い山域です。強風や大雨であったとしても、木々で守られている場所であれば被害を最小限に抑えられます。

マットと寝袋も用意しよう

テント泊で睡眠をとるときは、寝袋が掛け布団代わり、マットが敷布団代わりです。保温力を寝袋だけに頼るのではなく、マットの断熱効果も利用しましょう。

マットと寝袋があれば、保温力はもちろん寝心地のよさも格段に上がります。荷物は増えてしまいますが、疲れをしっかりとるには両方を用意しておくのがベストです。

テント泊ではレンタルグッズ利用もおすすめ

アウトドア用品は、単品で見るとそれほど高くないと感じるかもしれません。しかし、すべてを買いそろえるとなるとそれなりの額になってしまいます。出費を極力抑えるなら、必要なものだけをレンタルするのも一案です。

初心者が始めたばかりの趣味に多額のお金をつぎ込むのは、リスクが高いでしょう。購入が目的になってしまうこともあり、肝心のテント泊をしないまま終わってしまう可能性もあるのです。

グッズを揃えるのには意外に労力がかかることから、手間を省くためにもレンタルを使用して時間を有効に使う方法を検討してもよいと言えます。

テント泊はマナーにも気をつけよう

快適に登山を楽しむためには、ルールやマナーを守るのが大切です。山でのテント泊を楽しむには、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。ここでは、覚えておきたいマナーを三つご紹介します。

騒音を立てないよう配慮しよう

一つめは、騒音には最大の配慮をするということです。山におけるテントとは、クライマーが登山の疲れを癒し、明日への活力を養う大切な場所です。

大勢でわいわい楽しむキャンプとは勝手が違います。休息をとっているクライマーの邪魔になるような騒音を出すことは、迷惑行為以外の何ものでもありません。

日が沈んでからは静かに過ごし、早めに就寝しましょう。小声でも意外に響いてしまうこともあるため、会話もほどほどにするのがよさそうです。

装備は自分で整え、ゴミは持ち帰る

二つめは、自分で出したゴミを持ち帰るということです。たとえ山小屋があったとしても、置いたままにしておくのはマナー違反に当たります。

しかしながら、山のゴミ問題は深刻なもので、残念なことにゴミが散乱している現場に出くわすかもしれません。ゴミを見つけたときは、自分のゴミでなくとも片付けるのが自然への優しさです。

また、ゴミ袋をバックパックなどに引っ掛けているときに破れないように気をつけましょう。知らぬ間にゴミをまき散らして登山をしてしまっては、本末転倒です。ゴミはしっかりバックパックの中にしまいましょう。

スペースは譲り合って利用を心がける

三つめは、テントの設営場所の配慮です。テントを設営できる場所が決まっている山では、譲り合いの精神が大切です。1人でも多くのクライマーが利用できるように、自分のスペースは詰めて確保しましょう。

複数人で登山してテント泊をする場合は、できる限り一つのテントで一緒に寝るようにして、共同スペースの節約に努めます。

小屋の世話人がいる場所では、場所の移動をお願いされることがあるかもしれませんが、快く応じてください。

万全の準備でテント泊を楽しもう

テントで過ごす時間は、日常では味わえないかけがいのないものです。日常では気づけなかった、思いがけない発見があるかもしれません。

その時間を楽しく過ごすためには、しっかりとした準備とマナー・ルールを守ることが大切です。トラブルなく下山するためにも、念には念を入れ旅支度を整えて登山に臨みましょう。

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