スピーカーの能率とは?スピーカー選びに役立つ基本的な知識を解説

2019.09.06

スピーカーの能率という言葉を知っていますか?スピーカーの能率とは、出力される音の大きさを指し、能率が高いことによってメリットが生まれると言われています。スピーカーの歴史に触れながら、能率についてもあわせて見ていきましょう。

スピーカーの能率とは?

スピーカーの性能を示す言葉として、『能率』があります。

しかし、スピーカーのスペックシートに目を通すと、入力インピーダンスや出力音圧レベル、周波数特性、クロスオーバー周波数など、能率が見当たらないどころか聞き覚えのない単語ばかりです。何が能率と呼ばれるものなのでしょうか。

スピーカーの出力音圧レベルを指す

スピーカーの能率とは、スペックシートの表記では主に出力音圧レベルと記されている、スピーカーから出力される音の大小を表す言葉です。

1Wの電流を流した時に、何dbの音が出せるかがスピーカーの能率で、この数字が大きいと電力あたりの音の変換効率がよく、より大きな音が出せることになります。

一般に、小さなスピーカーよりも大きなユニットを採用した大規模なスピーカーの方が能率が良いとされています。

なお、この能率はすべての周波数を対象に測っているわけではなく、同じスピーカーでも音の高低によって異なるケースが多いのです。

能率の測定方法

能率の測定方法は、スピーカーから1m離れた地点にマイクを設置し、音圧レベルで測定します。距離自体は1mでなくとも測定可能で、距離に応じて計算式を変えることで対応可能です。

基本的には、スピーカーのスペックシートに出力音圧レベルがdb単位で記されているので、それを参考にすれば、能率を直接測定しなくても、知ることができます。

能率の高さに関する知識

スピーカーの能率は、簡単にいうと『大きな音が出せるかどうか』だとわかりました。では、能率が高いスピーカーとはどんなものなのでしょうか。

どれくらいから高能率?

現在では出力音圧レベルが、90dbもあれば十分に高能率なスピーカーだといえます。

オーディオマニアの間では、95dbや98db、100db以上のものを高能率なスピーカーだという意見もあります。

かつては能率を重要視して大口径なボイスコイルに強力な磁気回路を組み合わせ、100dbを超えるような能率を実現したスピーカーもありました。

しかし、現在では高能率を目指したスピーカーは数を減らし、高能率のスピーカーを造り続けているメーカーは一部だけです。

近年は低能率化が進んでいる

能率が重要視されなくなった背景には、現代のスピーカーにおいて、低域の伸張や音の持つ指向性の広域化、フラットな周波数特性の実現など、能率以外のものに目が向けられるようになったことがあります。

これらの実現を目指すと、高い能率を実現する仕組みとは相性が悪く、それゆえに近年のスピーカーにおいては、低能率化が進んでいるのです。

アンプが高性能化してきたことも一因で、現在ではアンプによって低能率のスピーカーであっても十分な音が実現可能になっています。

能率が高い=音質が良いではない

また能率が高ければ、音質が良いわけでもないことも、低能率化の背景にあります。

能率の高さとは電気の変換効率の高さに過ぎず、端的にいって大きな音を鳴らせるかどうかをさします。そのため、音質の良さにつながるものではないのです。

能率が高いことのメリット

逆に、スピーカーの能率が高いことによるメリットが発生するケースも存在します。音質よりも躍動感のある生々しいサウンドを好む場合や、音量がほしいケースが該当するでしょう。

生々しいサウンドになる

高い出力音圧レベルを誇るスピーカーは、そうでないスピーカーに比べて、電気エネルギーをそのまま音に変換しているといえます。

そのため、高能率のスピーカーは感度が良いともいわれ、ノイズも含めて音を拾いやすくなります。

そして、そうしたノイズも出力されることによって、演奏環境の雰囲気であったり、音楽やサウンド以外の部分も出力されて音の生々しさを感じる、という意見もるのです。

アンプの選択肢が広がる

アンプを内蔵していないスピーカーは、アンプに接続して利用しますが、アンプにも高出力で大きな音を鳴らすタイプと、そうでない小さな音を鳴らすものがあります。

大きな音を出すアンプの場合は、スピーカー側の出力音圧レベルに左右されることはそこまでありません。

しかし、小さく繊細な音を鳴らすアンプの場合、パーティー会場や商業施設など、音をしっかり鳴らさなければならない状況では音が足りないケースがあります。

そうしたときに高能率のスピーカーを採用することによって、アンプの選択肢が広がり、出したい音が表現可能になるのです。

スピーカーの能率は出力音圧レベルを表す

スピーカーの能率とは、出力音圧レベルを表す言葉で、能率が高いからといってスピーカーの性能が良いとはいえません。あくまでも一つの指標や性能を表す数値に過ぎないのです。

自分がどのようなスピーカーを欲しているのか考えるときに、スピーカーの能率についても一考するといいでしょう。

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