ミルクティーが好きで飲むけれど、カフェインがどれくらい含まれているか気になる、一日に何杯までなら健康に影響がないのだろう……。こんな疑問にお答えします。妊娠中・授乳中の場合の許容量も紹介しますので、あわせてご参考ください。
カフェインの作用とは?
まずはカフェインの作用から確認しましょう。
お茶やコーヒー、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには、中枢神経を興奮させ、体を活性化する作用があります。適量を飲めば、頭がすっきりして、眠気覚ましにもなります。
一方で多量に摂取すると、めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠などにつながることがあります。また消化器への刺激によって下痢や吐き気をもよおす事例もあります。過剰摂取が続けば、カフェイン依存やカフェイン中毒になる危険性も指摘されています。
ミルクティーも含めて、ほどよい量を守って楽しめばメリットも大きいけど、飲みすぎるとリスクもあるのがカフェインということですね。
ミルクティーに入っているカフェイン量は?
では、ミルクティーに含まれるカフェインの量はどれくらいでしょうか。
紅茶に含まれるカフェイン量
文部科学省が発表する「日本食品標準成分表(五訂増補)」によれば、紅茶には『100ml当たり30mg』のカフェインが含まれます。ちなみにこのデータは、360mlの熱湯に茶葉5gを1.5分~4分浸出したもので、だいたいふつうの濃さの紅茶と言っていいでしょう。濃度を高くすれば、それだけカフェインの含有量も多くなります。
なお、コーヒーのカフェイン量は紅茶の2倍です。また煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶などには20mg、エナジードリンクには32~300mgのカフェインが含まれます。
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ミルクティーにした場合のカフェイン量
ミルクティーを紅茶2:ミルク1の割合で作った場合、『100ml当たり20mg』のカフェインが含まれることになります。「キリン 午後の紅茶 ミルクティー」でも100ml当たりのカフェイン量は20mgとなっています。
よって、150mlのティーカップでミルクティーを飲んだら、1杯につき『30mg』のカフェインを摂取したことになります。また500mlのペットボトルでミルクティーを飲んだ場合は、1本につき『100mg』のカフェイン摂取量となります。
一日に何杯までなら問題ないの?
では、毎日飲んでも健康に影響のない量、つまり一日摂取許容量はどのくらいなのでしょうか。食品安全委員会が紹介している世界各機関の数値を見てみましょう。
健康な成人の場合
欧州食品安全機関(EFSA)、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、オーストリア保健・食品安全局(AGES)などによれば、健康な成人の一日摂取許容量は『400mg』です。これは単純換算でティーカップのミルクティー約13杯分になります。
ただカフェインは紅茶以外からも摂取します。例えばコーヒーをマグカップで2杯飲んだ上にペットボトルでミルクティーを1本飲めば、270+100=約370mgのカフェイン量です。一日トータルの摂取量から、ミルクティーを飲む量も考えるとよいでしょう。
妊娠中や授乳中の場合
妊婦または授乳中の女性の場合、一日『200mgまで』であれば、胎児や乳児に影響はないとEFSAは報告しています。また世界保健機関(WHO)によれば、一日『300mgを超える』妊婦は、流産や新生児低体重のリスクを減らすためカフェインの制限を推奨しています。
ちなみにBfRとAGESは、妊娠中や授乳中には『エナジードリンクを控えるべき』とも指摘しています。
つまりミルクティーはティーカップで6杯以下、ペットボトルなら2本以下、エナジードリンクは控えて、というのが妊娠・授乳中のカフェイン摂取量の目安となります。
ほどよい量で、ミルクティーを楽しもう
以上、ミルクティーに含まれるカフェイン量と一日当たりの許容量を見てきました。「一日に6杯も飲まない」という方にとっては、そこまで神経質にならなくても大丈夫そうだと思っていただけたのではないでしょうか。
もちろん紅茶の濃さや、茶葉の種類、あるいは新芽の有無などによってカフェイン量は変わってきます。飲みすぎに気をつけて、ほどよい量で、ミルクティーのある生活を楽しみましょう。