財布を落としたときにやるべきこと。悪用されたときの補償も解説

2019.09.08

財布を落としたら、状況を整理し冷静に行動することが肝心です。財布を落とすことのリスクと、クレジットカードなどが悪用された場合の補償や対処法について解説します。万が一のケースに備え、リスク分散することも考えてみましょう。

財布を落としたときの危険性

財布を落とすと一時的に身動きが取れない状態に陥る危険があります。現金以外にもカードや個人情報が詰まった財布を落とすことのリスクと対処法を見てみましょう。

カードの不正利用

財布を落とした際に怖いのは、クレジットカード・キャッシュカード・交通系ICカードなどの不正利用です。

クレジットカードはネット通販などで暗証番号なしの決済が可能な場合があり、他人の手に渡るだけで一括・リボ枠ともに限度額まで使われる危険があります。

暗証番号に誕生日を設定している場合は、運転免許証などに記載されているため、クレジットカード・キャッシュカードともに全滅し、さらに本人に『なりすまし』してさまざまな長期契約サービスを締結される恐れもあるのです。

これらの被害を軽減するために、カードは財布に入れるものと家に保管するもので分けたり、類推しにくい暗証番号を複数使い分けたりして『リスク分散』することを心掛けましょう。

個人情報の流出

カードは盗難・紛失補償が受けられたり、利用停止や再発行を行ったりすることもできますが、『個人情報の流出』は下手をすれば一生ついて回る問題になりかねません。

特に住所が判断できるカードと鍵を財布に入れている場合、非常に危険です。悪意のある人間の手に渡れば、最悪の場合、外出中や就寝中に侵入される恐れがあります。

住所はコンビニなどのレシートから絞ることができ、ショップカードや会員証から日常的な利用サービス情報が握られるだけでなく、社員証や領収書から勤め先まで知られることになるのです。

こちらもリスク分散が基本で、財布一つにすべてを収納しないこと、最低限必要なものだけを持ち歩くこと、溜まったレシート類は定期的に整理することを心掛けましょう。

財布を落としたらやるべきこと

財布を落とした場合、まずは落ち着いて状況を整理し、すべきことを考えましょう。

最寄りの交番で紛失届を出そう

財布を落としたことが明らかな場合、まずは最寄りの交番あるいは警察署に紛失届(正しくは遺失届)を提出しましょう。

慌てて110番してはいけません。110番は事件・事故の窓口であるため、落し物は自分の足で情報を伝えに行き、書類作成する必要があるのです。

財布が見つかった場合は警察側から連絡が入り、一般的には財布の中のお金から1割ほどを、拾ってくれた人に謝礼金として支払います。

他人の財布を拾ってすぐさま警察に届けなかったり、中身を一部でも使用することは違法であるため、戻ってきた財布に少しでも違和感があれば警察に相談しましょう。

カード類は利用停止に

財布を紛失したことが明らかな場合、カード類は即時利用停止しましょう。悪意のある人間が拾った場合は、対処が数分遅れただけで暗証番号を解読され悪用される危険があるのです。

ほとんどのクレジットカード会社は、24時間年中無休で緊急停止の電話受付を行っています。電話連絡した時点でカードは使用不可となり、利用再開するには再発行が必要です。

キャッシュカードの場合は、銀行によっては夜間受付を行なっていない場合があります。おおむねATMの利用可能時間と対応しているため、紛失時間帯が夜間なら落ち着いて翌日朝いちばんに電話で連絡しましょう。

交通系ICカードは、記名式なら駅やバスの営業所で利用停止することができます。後述しますが『オートチャージ』を利用している場合はかなり危険なので、迅速に対応しましょう。

利用した店や交通機関に確認

紛失したタイミングが店や交通機関の利用時間と一致するなら、必ず電話確認しましょう。店の場合は、単に置き忘れで、連絡先がわからないなどの理由で保管してくれている場合があります。

店としては落し物を長期間保管すると法に抵触する恐れがあるため、早めに連絡するのが店に対するマナーです。なお、遺失物法により、発見から7日以内に警察に届けられることになります。

交通機関の場合は、まず電話連絡をして、それらしい財布が届けられているか確認しましょう。路線によっては始発と終点で管轄が異なり、遺失物を管理している会社・窓口が異なるのです。

免許証や保険証を再発行しよう

運転免許証や保険証は、電話一本で利用資格を失わせるような緊急停止ができません。これらは身分証明書として利用できることから、悪用されると特に危険です。必ず再交付手続きを行いましょう。

運転免許証なら所在地の運転免許試験場か警察署で手続きが行えます。保険証の場合は国民健康保険なら自治体の役所、それ以外なら勤務先で手続きしましょう。

また、『なりすまし』により本人名義のクレジットカードが作成されたり、消費者金融から借り入れが行われるケースがあります。支払い催促がきたとしても、違法行為なので支払い義務はありません。

身に覚えのない引き落としがされているなど、事件に巻き込まれている可能性があるなら、警察や消費者センターに相談しましょう。

カードが悪用されたときの補償

クレジットカードやキャッシュカードは本人に過失がなければ全額保障が受けられます。それに比べ、電子マネーの『オートチャージ』は被害額が大きくなり、かつ保障が受けられないケースがあるため非常に危険です。

クレジットカードは連絡済なら全額補償

クレジットカードが不正利用された場合、基本的には、電話連絡することで紛失時点までさかのぼって全額補償が受けられます。ただし、状況次第では補償が全く受けられなくなるケースもあるのです。

まず、暗証番号が誕生日であったり、同じ数字を四つ並べるなど安易なものであったりすれば補償外となります。また、運転免許証など、暗証番号が容易に推測できるものをセットで紛失したなら、これも同様に補償外です。

基本的に、本人のセキュリティ意識の欠如が原因と見られる過失は補償外となるため、暗証番号の設定や、同時携帯するカード類に含まれる個人情報などには細心の注意を払いましょう。

キャッシュカードは過失度によって変わる

キャッシュカードの場合は、過失の度合いによって全額補償なのか部分補償なのかが変わることがあります。

基本的には、上述のクレジットカードの補償外に当たる過失があれば部分補償です。また、不正利用が行われた以上は盗難カードという扱いになります。被害状況の偽りない説明と、盗難の証明が補償の必須要件です。

警察に被害届を出し、紛失の発覚から迅速に連絡を行い、誠実に対処することをおすすめします。銀行によって補償内容や審査基準は異なるため、万が一を想定して事前に公式サイトから概要確認しておきましょう。

電子マネーの不正利用には注意

交通系ICカードなどの電子マネーの場合は、クレジット・キャッシュカードより補償が効かないものが大半です。なお、保障対象になるのは記名式のみで、無記名式は保障されません。

料金前払い方式のプリペイドカードの場合は、『利用停止時点での残高』が全額補償されます。停止手続きをしてから利用停止までは1日以上かかるケースがあるため、特に『オートチャージ』を利用している場合は危険です。

料金後払い方式のポストペイカードの場合は、クレジットカードのように、最大60日間さかのぼって補償を受けられるケースがあります。

財布を落として帰れないときは

すべてのお金を入れていた財布を落としてしまえば、帰宅すら困難になるケースがあります。この場合も冷静に、できることを考えましょう。

まずは友人や知人に助けを求めよう

リスク分散しておらず、すべてのお金を一つの財布に収納している場合、財布を紛失することで一時的に無一文になります。

この場合、ほんの数百円の交通機関を利用することもできず帰宅困難になる、という状況に陥ることがあるのです。

まずは信頼できる友人や知人に連絡を取り、状況を説明した上で、お金を借してもらえるよう交渉しましょう。スマホがライフラインになるため、バッテリー切れには要注意です。

電車賃なら警察から借りられる

友人・知人が近くにいない、あるいは夜間帯で現着できないといった場合、頼れる人がおらず帰宅できないという状況も考えられます。

この場合、あくまで最後の手段ですが、警察からお金を借りることもできるのです。『公衆接遇弁償費』といいますが、警察署や交番で交渉し、交通費として最大1000円までを貸してもらうことができます。

警察から借りるときの注意点

公衆接遇弁償費を扱っていない警察署もあります。また、借りられる場合でも、身分証明書も紛失している状況なら、身元の確認ができない状況です。状況を包み隠さず説明し、誠実な対応を心掛けましょう。

また、当然ながら、公衆接遇弁償費は返済することが前提のお金です。警察から借りたお金、という意識を持ち、返せる状況になれば必ず返済しましょう。

落とした財布は見つかる?

日本は「財布を落としても返ってくる」として評判の高い、世界的に見て例外的に治安の良い国と言われています。そのため財布自体は戻ってくる可能性もあります。

財布が見つかる確率

2018年の東京都では、財布を落としたという『遺失届』の件数が約40万件に対し、拾われて実際に持ち主の手元に戻った財布は約24万点、およそ60%の遺失届提出者が財布を取り戻していることになります。

なお、拾われた財布は約37万点で、このうち約35%は持ち主が現れていません。つまり、遺失届を出していない、あるいは連絡がつかない、といった形で戻るはずの財布を取り逃がしてしまっているケースも多いのです。

東京は観光者も多いため、全国的な傾向とイコールとはいえませんが、かなりの高確率で財布は見つかります。財布をなくしたと思って諦めず遺失届を出し、警察からの連絡に対応しましょう。

財布の中身が抜かれていた場合

財布の中身が抜かれていた場合、当然ながら窃盗犯がおり、指紋など犯人の手掛かりが残されています。

財布が見つかったら、まずは簡単に中身を確認し、違和感があればいじくり回さず、被害届を提出しましょう。

犯人が財布を拾った瞬間や買い物の姿は監視カメラが捉えていることもあり、カードの決済情報は店舗やサービス提供会社に記録されています。

カードが抜かれていなかったとしても、明細や郵便物に少しでも怪しい変化があれば利用停止・再発行を行いましょう。住所が判別できるカードが入っていたなら、自宅の鍵を変えることもおすすめします。

財布を落としたら冷静に行動しよう

財布を落としたら誰でも混乱します。特に、リスク分散をしていないなら頭が真っ白になるくらいのショックを受けるかもしれません。そういうときこそ冷静に、順を追ってやるべきことを整理し実行しましょう。

財布はヒップポケットや口の開いた鞄に入れておくことはおすすめしません。万が一落とした際のことを想定し、日頃からリスク分散しておきましょう。

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