羅生門のあらすじを簡単に解説。善悪の正体を疑う問題の名作

2019.09.07

羅生門は文豪・芥川龍之介が書き上げた短編の小説です。登場人物の少なさや会話の簡潔さなどから、「これで終わり?」という不思議な感覚に陥る小説としても有名です。この記事では、羅生門の簡単なあらすじと解釈、映画版の内容などをご紹介します。

羅生門の小説が訴えたいことは?あらすじを紹介

(写真はイメージ)

羅生門の小説は非常に短い文章でまとめられた小説です。難解な表現はありませんが、読み手によって様々な解釈ができる非常に深みのある作品なのです。

登場人物はたったの2人

主な登場人物はたったの2人です。

まずは下人。彼は仕事をクビになり、生きていくことそのものに絶望をしています。飢饉や災害で人々が苦しむなか、下人もまた生きることに対しての悩みを抱えているのです。

そして次の登場人物は老婆。彼女は背中が曲がりやせ細っています。老婆もまた生きること自体にある種の絶望を抱えているのです。

下人と老婆のやりとりが続く

家も仕事もないニキビ面の下人は、少しでも安息を得られる場所を求めて羅生門へ上ります。そこで下人と老婆は出会うのです。

老婆はうら若き女性の髪の毛を抜いていました。下人はそれを下卑た行為として怒ります。ところが老婆は、生きるためには仕方のないことなのだと下人に弁明をするのです。

下人ははじめ、盗みをはたらくくらいなら死んだ方がマシだとでも言わんばかりの「一般的な正義感」を持っていました。しかしその考えは老婆によって覆されます。

下人は老婆に対し、自分自身の「一般的な正義感」を捨てるきっかけを得たのです。下人は老婆の着物をはぎ取り、街の中へと消えていきました。

羅生門の小説から読み取れる主題を解説

(写真はイメージ)

羅生門は、シンプルな表現とその短さゆえにさまざまな解釈をすることができる不思議な小説です。

生きる勇気が善とは限らない

生きる勇気が心に芽生えたとき、その「生きるための行為」が果たして世間から見たところで言う「正義」や「善」なのかどうかはわかりません。

生きることというのは人間そのもののエゴかもしれない、ということを前提とすると、生きるためにしたことすべてが「一般的な悪」となるケースがあり得るのです。

善と悪の定義を疑う

善とは一般的に「人のためになること」や「人を喜ばせること」を想像する方は少なくないのではないでしょうか。しかしそこに「生きること」を加えると、価値観はがらりと変わります。

悪についてもそうです。「人を困らせること」や「悪意のあること」を悪としていたとしても、「生きるために仕方なく」という一言があれば完全な悪とは言い難くなります。

羅生門は、人の命と善悪の関係性について考えさせられる小説を言えます。もちろん解釈は人によって変わります。まずは原作を読んで思考の余白をフル活用してみてください。

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羅生門の小説に続きはある?映画版も紹介

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羅生門は、人によってはどことなくすっきりできずに読み終わることが多い作品かもしれません。短編なので、続きを求める声も少なくありません。

続きは二次創作で書かれるほど人気

ネット上では羅生門の二次創作として続編を執筆している方々がいます。彼らもまた、ひとつだけの解釈ではなくさまざまな自分なりの解釈を元にして続きを執筆しているようです。

映画版も登場している

羅生門は映画化もされています。有名な監督・黒澤明の作品で、三船敏郎をはじめとした名俳優も出演しています。

内容は同じく芥川龍之介が書いた「藪の中」という作品をもとにしているので、原作の羅生門とは異なる点が数多くあります。解釈の幅を広げるという点では観賞の価値ある作品と言えるでしょう。

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羅生門は善悪や生死を問う奥深い小説

羅生門は解釈の幅が広く、謎多き小説でもあります。多くを語らないがゆえの難しさというのも、この小説の醍醐味です。

文字だけではイメージがつきにくいという方は、漫画で善悪や生きることについて学ぶのもひとつの方法かもしれません。「藪の中」という作品にも触れることができるのでおすすめです。

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