ちまきはご飯それともお菓子?各地の特徴や魅力を知ろう

2019.09.07

ちまき(粽)と言えば、端午の節句にお祝いとして食べることが多い食物ですが、ご飯ものとしてのちまきや和菓子としてのちまきなど、地域によって製法や材料が異なるという特徴があります。今回はちまきの歴史や各地の特徴などをご紹介します。

日本におけるちまきの歴史

日本におけるちまきの歴史をご紹介します。

日本のちまきの歴史について

日本では少なくとも平安時代にはちまきが存在していたと考えられています。

平安時代中期の927年に編纂された律令の施行細則である延喜式に供物として「粽(ちまき)」が記載されているほか、931年〜938年頃にまとめられた当時の辞書である和名類聚抄にも、ちまきの作り方についての記述があります。

当時のちまきの作り方は、しょうぶなどの植物の葉に包んだもち米を、灰を水に浸した上澄み液である灰汁で煮込むというものでした。平安時代の歌物語である伊勢物語にも、ちまきに用いるしょうぶを刈り取る旨の記述があります。

ちまきは灰汁の殺菌力によって日持ちが良くなっており、日頃の食事だけでなく保存食としても重宝されました。その後、材料や調理法などが工夫されつつ、各地に広まっていきました。

後に江戸時代に出版された、当時の食物図鑑といえる本朝食鑑では、米を餅にして煮たもの、うるち米を団子にして葉でくるんだもの、餅を藁で包んだものなど、複数のちまきの製法が紹介されています。

鹿児島など日本各地のちまき

ちまきは日本各地で親しまれていますが、地域ごとに特徴があります。日本の各地のちまきについてご紹介します。

日本各地のちまきについて

日本におけるちまきの傾向としては、東日本はいわゆるご飯ものとしてのちまきが多い傾向があるのに対し、西日本は甘いちまきが多い傾向があります。

東のちまきとしては、もち米を茹でて香り豊かな笹の葉でくるんだ三角ちまきがあります。西のちまきとしては、もち米や葛などを材料として甘く仕上げた和菓子ちまきが主流になっています。

鹿児島のちまきについて

各地のちまきの中でも特徴的なのが、鹿児島県のちまきです。あらかじめ灰汁に漬けたもち米を、同じく灰汁に一夜漬けしておいた竹の皮で包み込み、更に灰汁で煮たものです。鹿児島県ではあくまきと呼ばれ、名産品の一つになっています。

灰汁に浸しておくことで保存性に優れているほか、砂糖、きな粉、黒蜜などをかけて食べることで、甘さとともに独特な食感が楽しめるのが特徴です。

中国におけるちまき

中国でもちまきは古くから登場しており、日本のちまきは中国から伝わったものという説も有力です。中国におけるちまきの歴史と、地域による製法の違いをご紹介します。

中国におけるちまきの歴史

中国におけるちまきの歴史は古く、紀元前に存在していた楚という国の伝説の中に登場しています。

同国の著名な政治家であり詩人でもあった屈原という人物が、当時の王への進言が受け入れられずに自ら命を断った後、屈原の亡骸を川の魚が傷つけないように、民衆が植物の葉で包んだ米を水中に投げ入れたことがちまきの起源とされています。

その後、いわゆる三国志の時代が終わって265年に成立した西晋という国においては、当時の将軍が風土について記した周処風土記という書物において、夏の端午の節句にちまきと思われる食物を調理する旨が記載されています。

中国各地のちまきの特徴

広大な国土を有する中国では、大きく分けて北部と南部でちまきの味に違いがあります。古くからの伝統的な製法においては、北部では甘いちまきが多く、南部では塩辛いちまきが多くなっています。

食物全般の味付けについては伝統的に北部は辛い味、南部は甘い味が好まれる傾向があるのに対し、ちまきの味付けは逆になっているのが特徴です。

各地のちまきを楽しもう

古くは平安時代から食されているちまきは、ご飯ものとしてや和菓子としてなど、様々な食べ方で親しまれているのが特徴です。

お住まいの地域のちまきの特徴を調べてみて、味とともに楽しんでみてはいかがでしょうか。

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