スピーカーを自作してみたい。自作のメリットや必要な材料は?

2019.08.30

スピーカーユニットやエンクロージャーなどの材料をそろえて、スピーカーの自作にチャレンジしてみませんか?初心者は自作キットを使えば簡単に完成度の高いスピーカーが作れます。自作のポイントや必要な材料を確認しましょう。

スピーカーを自作するメリットを知ろう

スピーカーの基本の仕組みを理解すれば、スピーカー製作はそれほど難しくはありません。

市販のスピーカーよりもやや精度は落ちますが自作ならではのメリットはたくさんあります。どのようなメリットがあるのでしょうか。

好きなサイズや形に設計できる

スピーカーを自作するメリットの一つが、『自分の自由に設計ができる』という点です。

市販のスピーカーは形もサイズも千差万別ですが、少しのサイズの違いで棚に入らなかったり、ジャストサイズでも値段が高かったりして、希望の物が手に入らない場合があるでしょう。

その点、自作スピーカーはエンクロージャー(筐体)の大きさ・形・材質が自由に設計でき、価格も比較的安く抑えることができます。

塗装などでおしゃれ度もアップ

エンクロージャーの材質や色は、スピーカーの全体的な印象を左右する重要なポイントです。

ウォルナット調にして高級感を出したり、メタリックでハードさを演出したりと、自分の好きなように塗装できるのは自作ならではのメリットでしょう。

市販の自作スピーカーキットを使った場合でもカラーリング次第で世界に一つだけのスピーカーになります。

初心者は最初からフルオーダーメイドで作ろうとせずに、エンクロージャーの色やデザインを変えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

高音から低音も楽しめる

スピーカー内にはたくさんのパーツが組み込まれています。スピーカーの基本構造を理解した上でパーツを変えていけば、自分の理想のサウンドが追及できるでしょう。

市販のスピーカーの場合、音をもっと良くしたいと思っても改造を加えるのは容易ではありません。

自作なら、その都度パーツを交換し、低音の響きが力強いスピーカーに仕上げることもできれば、伸びの良い高音域の響きを実現することも可能です。

スピーカーの音質や音の広がりは、スピーカーケーブル・コーン・エンクロージャー・吸音材など、さまざまなパーツに影響されます。

国内品・海外品ともに種類が豊富なので、音質を比較しながら調整を加えましょう。エンクロージャーやスピーカーケーブルのタイプを少し変えるだけでも音質がぐっと変わります。

自作スピーカーに必要な材料とは

スピーカーは、主にスピーカーユニットとエンクロージャーの二つの部分から成り立っています。

スピーカーの構造や音が出る仕組みを知り、必要な材料をそろえてみましょう。

スピーカーユニット

スピーカーユニットはスピーカーにおける『音の出口』で、磁気回路によって『電気信号』を『空気振動(音)』に変換する働きをしています。

後ほど詳しく説明しますが、スピーカーユニットはフルレンジやウーファー、ツイーターなどいくつかの種類に分類されます。

さらに、スピーカーユニットの振動板には、コーン型、ドーム型などさまざまなものがあり、組み合わせ方によって何通りもの音質が再現されると言えるでしょう。

スピーカーユニットはオーディオ専門店や大型の家電量販店、通販で購入が可能です。

エンクロージャー

『エンクロージャー』は『前面と背面から出る音を分離させる役目』を担う『木の箱』です。

裸のスピーカーユニットは前と後ろにそれぞれ逆相の音を放射します。音同士が干渉し合うと、低音域がほぼ打ち消されてしまいますが、エンクロージャー(木の箱)を取り付けると、低音域がはっきりと聴こえるようになるのです。

エンクロージャーは、合板を切って組み立てる方法の他に、あらかじめカッティングされたキットを使う方法があります。

自由度が高いのは前者ですが、初心者はキットを使った方が仕上がりがよく、音質も安定します。

吸音材やケーブルなど

『スピーカーケーブル』にはアンプとスピーカーをつなぎ、電気信号を伝達する役目があります。ケーブルの素材・構造・シールド・端子の形によって音質が変わるため、重要なパーツの一つと言えるでしょう。

スピーカーケーブルの素材は、銅から酸素を取り除いた『OFC(無酸素銅)』が一般的です。『銀』や複数の素材を合わせた『複合型』もありますが、音のバランスを取るのが難しいため、初心者はOFCを使うのが良いでしょう。

『吸音材(吸音シート・吸音パネル)』は、音(空気振動)を吸収する部材でエンクロージャーの中に貼り付けて使用します。

音の反響を抑えたり、曲の輪郭をはっきりさせたりする効果があり、オーディオ専門店やホームセンターなどで入手が可能です。

スピーカーユニットの特徴を理解する

スピーカー製作は、スピーカーの中核である『スピーカーユニット』を選ぶところから始めます。スピーカーユニットは4種類に大別されるので、最初にどんなサウンド環境を作りたいのかを明確にしておきましょう。

スピーカーユニットの4種類

スピーカーユニットには以下の4種類があります。

  • フルレンジ:1つのスピーカーで低音から高音まで全音域をカバー
  • ウーファー:低音再生に特化
  • ミッドレンジ:中音域再生に特化
  • ツィーター:高音再生に特化

『フルレンジ』は1つのスピーカーで全音域をカバーするスピーカーユニットです。

これに対し、低音は低音用、高音は高音用というふうに可聴帯域を細かく分割し、各専用のスピーカーユニットで再生する方式を『マルチウェイ』と呼びます。

『マルチウェイ』では、それぞれの音域を担当するウーファー・ミッドレンジ・ツィーターなどのスピーカーユニットを組み合わせて使います。

2wayも作成可能

スピーカーの自作では、異なるスピーカーユニットを組み合わせることも可能です。

低音専用のウーファーと高音専用のツィーターを組み合わせたものは『2wayスピーカー』と呼ばれます。それぞれの音に特化したスピーカーを使うので、再生音域が幅広くなるのがメリットでしょう。

その他に、三つの異なるスピーカーユニットを組み合わせた『3way』もあります。

初めはフルレンジスピーカーがベター

複数のスピーカーで異なる帯域を再生する2wayや3wayは、再生音域が広いのがメリットですが、各スピーカーユニットの取り付け位置がばらばらになるため、音像がぼやけやすいのがデメリットです。

フルレンジスピーカーは音の出入り口が一つのみなので、音像がぼやけにくく、フォーカスの合ったリアルな音が再現できるでしょう。

2wayに比べて取り付け方もシンプルなので、初めてスピーカーを自作する時は、フルレンジスピーカーをおすすめします。

スピーカーを自作する際のポイントとは

初心者の場合、スピーカーの自作はエンクロージャーをどう作るかに左右されると言えるでしょう。最初からの自作が難しい場合は、キットを使う方法もあります。

低音などの音質はエンクロージャが重要

エンクロージャーには空気の流れを遮断し、低音をより響かせる目的があることを述べましたが、使用するエンクロージャーの形や容積、材質、隙間の有無によって、低音の響きが変わることも覚えておきましょう。

例えば、エンクロージャーには、背面から出る音を完全に箱内に閉じ込める『密閉型』や、空気の出入り孔を設けた『バスレフ型』などがあり、それぞれ音の響きが異なります。

また、少しだけの隙間が音を大きく変えてしまうため、箱の組み立てから自作する場合は、板と板の接合を丁寧に行わなければなりません。しっかりと隙間を埋めたい時はパテを埋め込みましょう。

材質は、硬くて密度の高い合板が一般的ですが、木材チップを原料としたMDF(中質繊維板)やバーチクルボードなどもあります。

初心者は自作キットから始めよう

初心者は、スピーカーユニット・エンクロージャー・スピーカーケーブル・小型アンプなどがセットになった自作キットを使うのがおすすめです。

パーツをそろえる手間が省ける上、単体で購入するよりも安く済むでしょう。エンクロージャーに好きな塗装を施せば、世界に一つだけのスピーカーが簡単に完成します。

おすすめの自作用キットを紹介

初心者におすすめの自作用キットを紹介します。スピーカーの構造や作り方のコツをつかんだら、ワンランク上のオーダーメイドに挑戦してみてはいかがでしょうか。

FOSTEX かんすぴセット 8cm KANSPI-8

『KANSPI-8』は、8cm小口径フルレンジスピーカーユニットとバスレフ型スピーカーボックスに小型アンプと高級スピーカーケーブルが付いたフルセットで、ドライバーやカッターなどの道具さえ用意すればすぐに製作ができます。

エンクロージャーは組み立て済みなので、ノコギリやドリルなどの木工道具は不要です。高級感のあるデザインと1万円台とは思えないクオリティの高さは部屋のインテリアとしても最高でしょう。

  • 商品名:FOSTEX かんすぴセット 8cm KANSPI-8
  • 価格:1万1661円(税込)
  • Amazon:商品ページ

バックロードホーン型エンクロージャーキットBW-800

8cm小口径フルレンジスピーカーユニットに対応したバックロードホーン型エンクロージャーキットです。スピーカーユニットは別売りなので、自分の好みに応じて組み合わせましょう。

『バックロードホーン型』はスピーカーユニットから発生する低音をホーンによって増幅する方式で、小型でも重厚感のある低音が楽しめるのが特徴です。

接合は初心者でも楽に組み立てられるダボ構造で、正確な寸法で加工されたMDF材が使用されています。

  • 商品名:バックロードホーン型エンクロージャーキットBW-800
  • 価格:7800円(税込)
  • Amazon:商品ページ

オリジナルのスピーカーを作ってみよう

試行錯誤して作ったオリジナルのスピーカーは、市販のスピーカー以上に愛着が湧くものです。自作といっても、初心者はエンクロージャーのデザインや塗装を変える程度ですが、自分だけのオリジナルのスピーカーであることには変わりありません。

最初は自作キットで練習を重ね、全体の仕組みや構造をしっかりと理解しましょう。

徐々に慣れてくると、スピーカーケーブルを交換したり、スピーカーユニットの数を増やしたりして、自分好みの音質が追及できるようになるでしょう。

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