名作『吾輩は猫である』のあらすじを紹介。猫から見た人間の姿とは?

2019.09.01

文豪・夏目漱石の長編作品である「吾輩は猫である」。一度はタイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。「吾輩(わがはい)」という一人称視点で進められていくストーリーは、猫から見た人間の姿というユニークなものです。この記事ではあらすじを紹介します。

「吾輩は猫である」の主要人物まとめ

主要人物のひとりめは、自分のことを「吾輩」と呼ぶ猫です。人物扱いするのは難しいですが、このストーリーの軸は「吾輩」によって成り立っています。

次に珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)。この人物が「吾輩」が住む家の主です。珍野苦沙弥は夏目漱石本人がモチーフになっていると言われており、胃腸の弱さや神経質なところが被っています。

他にも珍野苦沙弥の周りにはユニークな友人・知人がいて、彼らが訪れたときのことを猫目線で解説しているさまが何とも面白いのです。

「吾輩は猫である」のあらすじ

「吾輩は猫である」には、よくあるサスペンス要素や人間の変わりゆくさま、争いごとなどと言った大きな事件性のあるストーリーがありません。淡々と物事を見守る「吾輩」が何を思うのか、そこに注目して読むようにしてみてください。

猫と主人公との物語の始まり

「吾輩」は生まれたばかりで捨てられ、母のぬくもりも人間のぬくもりも感じることができずに育ちました。

空腹に耐えかねてもぐりこんだ屋敷でも同じように追い出されてしまいそうになる「吾輩」。ところがここで珍野苦沙弥が登場し、「吾輩」を家族の一員として家に招き入れてくれたのでした。

猫の淡い恋の終わり

「吾輩」は隣の家にいる三毛猫の「三毛子」に恋心を抱いていました。がさつなネズミ捕り遊びをする猫とは気が合わなかった「吾輩」は、繊細でとても美しい三毛子に首ったけです。

しかしながら、三毛子は風邪をこじらせてしまいこの世を去ってしまいます。このときの「吾輩」の落ち込みようはまるで人間そのもの。日常を憂い寂しさと戦う時期に入ります。

ユニークな客人たち

珍野苦沙弥のもとにはなんとも珍妙な知人友人が集まってきます。美学者である迷亭という人物は、面の皮の厚い変わり者です。勝手に珍野苦沙弥の家の風呂を使うこともしばしば。

昔の門下生であった寒月や書生だった多々良、実業家の金田など一癖ある人物が出そろいます。

そんな彼らを「吾輩」はときには面白がりときには怖がりつつも見ていたのです。

意外と知らない「吾輩は猫である」の結末

名前のない猫「吾輩」の最後は、とても人間じみています。寒月と多々良が結婚するという話があり、そこで人間たちの宴会が始まります。

披露宴についての話題をはじめ、結婚のお祝いムードが続きます。しかしそれも一時のこと。宴会は終わりだんだんと屋敷から人が出ていきます。

「吾輩」はそこで人間的な感情である「寂しさ」を味わいます。「吾輩」が人間が置いていったビールをなめると、なんとも不思議な感覚に見舞われます。ふわふわとした高揚感と多幸感。これは人間が酒に酔ったときとまさに同じです。

ふと気がつくと「吾輩」は庭にある水がめの中にいました。はじめは苦しさと驚きからもがく「吾輩」でしたが、抗うことをやめてしまいます。唱えた念仏は「南無阿弥陀仏」。それが「吾輩」の最後でした。

「吾輩は猫である」が気になる方におすすめの本

原作は読破必須「吾輩は猫である」

猫である「吾輩」が、人間とは不思議な生き物だと言わんばかりに日常を見守る作品です。あらすじだけではわからない細かい心理描写や推測については、やはり原作を読んでこそわかる部分と言えるでしょう。

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  • 著者:夏目漱石
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猫たちが紡ぐ物語「まぼろしのトマシーナ」

こちらの作品もまた、猫目線で進められていくユニークな作品です。獣医として働いている父親と、トマシーナを可愛がる娘。しかし、トマシーナが病を患ったとき、父親は独断でトマシーナの安楽死を行ってしまいます。

そのことによって父親と娘の間には深い深い溝が生まれてしまいます。しかし物語はここからが本番。トマシーナが安楽死させられたあと、父親と娘の関係性がどう変わっていくのかが見所です。

  • 商品名:まぼろしのトマシーナ
  • 著者:ポール・ギャリコ(著)、矢川 澄子(翻訳)
  • 参考価格:371円(税込)
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動物との融合「動物になって生きてみた」

こちらの作品においては、動物視点というより「動物になりたいと思った人間が想像する動物の視点」と言った方が正しいでしょう。

著者はあらゆる動物になり、さまざま住処で人間への風刺を表現していきます。人間とはどんな生き物なのだろうか、と疑問を抱くことがある方に読んでみてほしい1冊です。

  • 商品名:動物になって生きてみた
  • 著者:チャールズ フォスター(著)、西田 美緒子(翻訳)
  • 参考価格:2,052円(税込)
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名作は時代が経っても名作のまま

著名な作品は時間が経っても色あせずに残ります。独特の一人称視点で紡がれた「吾輩は猫である」は、老若男女問わずに親しむことができる作品です。

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