『画家の王』の異名を持つ、バロック美術の巨匠ルーベンスの代表作

2019.08.31

ピーテル・パウル・ルーベンス(1577年~1640年)は、レンブラント、ベラスケスと共の17世紀ヨーロッパ絵画を代表する画家です。彼はなんと七か国語も話し外交官としても活躍したと言われています。バロック美術の巨匠「画家の王」ルーベンスの代表作をご紹介します。

ルーベンスについて

ドイツのジーゲンに法律家の父親のもと6番目の子として生まれました。ルーベンスはイタリア・ルネサンスの巨匠たちの作品に強く影響を受けたといわれています。

少年時代~青年時代

父親の死後、ケルンから故郷のアントワープへ戻りカトリック教徒として教養を身につけるためラテン語学校に入り3年の在籍の後、13歳のときラレング伯未亡人の小姓になりました。

14歳のとき画家になる目標が芽生えてヴェルヘークトのアトリエに住みます。その後はノールトとフェーンに師事します。

画家として

21歳のとき独立してアントワープの聖ルカ組合に登録されました。23歳のとき念願のイタリアに留学しました。マントヴァ公ヴィンツェンツォ・ゴンツァガの宮廷画家と迎えられます。

外交官として

26歳のときスペインを訪問した時に初めて外交官としての役割を果たしました。ルーベンスは30歳から33歳の期間に外交官として最も活躍しました。画家と外交官の任務を担当してイングランドとスペイン何度も往来し、この時期爵位を与えられています。

ルーベンスの代表作

「レウキッポスの娘たちの略奪」1617頃

ギリシア神話の悲劇を主題にしていますが、豊かに躍動する生命の絡み合いは、暗いイメージよりも官能と健康に満ちた作品です。娘たちの裸体が複雑にひねられた動き、娘たちを略奪する二人のダイナミックな運きによる構図が見事です。(ミュンヘン アルテ・ピナコテークに所蔵)

「ルーベンスとイザベラ・ブラントの肖像」1609年~1610年

あるバート公爵の宮廷画家になったルーベンス。新婚の喜びを現した作品です。背景の樹木のしげみから「忍冬(スイカズラ)の樹陰のルーベンス夫妻」ともよばれています。(ミュンヘン アルテ・ピナコテークに所蔵)

「シュザンヌ・フールマンの肖像」1625年頃

最も有名な作品で彼の傑作です。モデルはエレーネの姉シュザンヌで、明るく潤んだ瞳、健康的に輝いた肌、ゆたかな胸の下に組まれた美しい手。構造画のモデルにもシュザンヌは度々登場しています。(ロンドン ナショナル・ギャラリーに所蔵)

「庭を散歩するルーベンスとエレーネ・フールマン」1631年

ルーベンスはすでに貴族の称号を受けていました。イザベラが亡くなった4年後に若く健康なエレーネ・フールマンと結婚して、地位、名声と共に安定した生活を送っていました。少年はイザベラとの子供で次男のニコラスです。(ミュンヘン アルテ・ピナコテークに所蔵)

「わが子を喰らうサトウルヌス」1635年~1638年頃

神話画の傑作。息子により自分が王座から追放されると予言をきいて、妻が出産するたびに子供をのみこんだという有名な神話からインスピレーションを得て描かれました。ルーベンスの描いた作品はスペインの巨匠ゴヤに影響を与え、ゴヤも同タイトルの作品を描いています。(マドリード プラド美術館に所蔵)

「自画像」1638年~1640年頃

多種多様な作品を描いたルーベンスですが、意外と少ないのが自画像です。豊かな生活を感じさせるスペインの貴族風に装った自画像は、最晩年のルーベンスです。右手の麻痺に悩まされている様子が痛々しく描かれています。(ウィーン美術史博物館に所蔵)

ルーベンスに関する絵画と書籍

「カール5世のアントウェルペン入城」1878年

オーストリアの画家ハンス・マカルトによって描かれた壮大な歴史画。生誕300年を記念して制作された絵画です。縦520cm、横952cmという豪華で圧巻の絵画です。(ドイツ ハンブルク美術館に所蔵)

「リュベンス」2003年

日本ではルーベンスに関する書籍はほとんど無いので貴重な作品です。ルーベンスの全てを分かりやすい文章で解説しています。

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「ぺーテル・パウル・ルーベンス 絵画と政治の間で」2006年

宮廷画家であり外交官としても活躍した17世紀の巨匠ルーベンス。画家と政治的な活動からルーベンスの真の姿に迫っています。

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ルーベンスから多大な影響を受けた画家たち

作品ジャンルの幅、制作の数、構想力において他の画家たちの追従を許さないルーベンス。時代を隔てフランスのロマン派の大家であるドラクロワを筆頭に、フランスの古典派やドラクロワ以降の画家にも幅広く影響を与えたと言われています。

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