ビールの基本的な作り方を知ろう。美味しいビールができるまで

2019.08.27

多くの人に愛されているビールは、どのようにして作られているのでしょうか。ビールに使われている原料の種類や、基本的な作り方、各メーカー独自の製法、自宅でのビール造りに関することまで、ビールの作り方についての情報をまとめて紹介していきます。

まずは知っておきたいビール作りの原料

仕事上がりや晩酌に、普段からビールを口にする人も多いでしょう。ほろ苦さと炭酸の爽快感が、疲れを癒してくれます。

そんなビールですが、材料に麦芽やホップを使うことは分かっていても、どのように作られているのかまでは知らない人が多いのではないでしょうか。ビールの作り方について、まずは原料からおさらいしていきましょう。

麦芽やホップなどの主原料

ビールの主原料には、麦芽やホップが使われています。麦芽とは、主に『ビール大麦』とも言われる二条大麦のことです。

粒が大きく皮が薄く、麦芽にした時に酵素力が強いことなど、様々なビールを作るための条件が揃っていることから、二条大麦がビールの原料として使われています。

『ホップ』は多年生の蔓性植物の一種で、ビールに使われるのは、受粉していない雌花です。夏の終わりに収穫され、ビール特有の香りや苦味を出し、雑菌の繁殖抑制や、ビールの泡を良いものにすることを目的に使われます。

また、主原料として忘れてはいけないのが『水』と『酵母』です。分量としては最多である水は、その質がビールの完成度に直結しますし、酵母による発酵作用がなければビールになりません。

米、コーン、砂糖などの副原料

これら四つの主原料に加えて、『ビールの味わいを整え、飲みやすくしたり独自のフレーバーを加える』目的で、米・コーン・砂糖・糖類などが副原料として使われています。

ビール以外の酒には、チョコレートや果物、ハーブやお茶などが副原料として用いられている製品もありますが、日本はビールに法的な基準があり、変わったものを副原料として使用した場合、ビールとは認められない場合があります。

こうした製品は発泡酒として販売されていて、逆に言えば発表酒の中にも、ほとんどビールと変わらない成分のものが含まれていると言えます。

原料の比率によって呼称が変わる

副原料に限らず、日本におけるビールの定義は、使われている原料によって定められており、その『原料の比率によって呼称が変化』します。

麦芽やホップ・水といった原料を発酵させた酒のうち、麦芽の重量に対して副原料の比率が50%以下のものを、日本国内ではビールと呼びます。

上記の基準を外れたものは、発泡酒や第3のビールなどと呼ばれ、ビールとは異なる税率が課されて販売されています。

ビールの基本的な作り方

これらの原料を使い、製麦・仕込み・発酵・貯蔵・ろ過・パッケージングと言った工程を経て、ビールは作られていきます。販売されるまでの工程を順に追っていきましょう。

製麦から仕込み

製麦から仕込みは、原料を用意した次に行われる初期の工程です。製麦は、端的に言って『麦芽を作る工程』で、二条大麦に水を与えて発芽させ、乾燥させて仕上げていきます。

酵母に分解されやすい麦芽へ加工することが目的で、この工程を経て生まれるのが、ビールが持つ独特な味わいと風味です。

仕込みでは、麦芽の持つ酵素の働きによって『でんぷん質を糖化』しながら、副原料やホップを合わせていきます。

細かく粉砕した麦芽に副原料を加えて、しばらく放置することで副原料のでんぷん質を糖化し、これをろ過したところにホップを合わせ、ぐつぐつと煮込んでいくと仕込みは完了です。

発酵によるアルコールと炭酸ガスの発生

ホップによってビールに風味や苦味がついたら、酵母を加えて『低温で発酵』させていきます。発酵の期間は1週間程度で、酵母によってアルコールと炭酸ガスが発生し、ここまでの工程を経ると『若ビール』と呼ばれるものが完成です。

若ビールができたら、低温で10日程度貯蔵します。熟成が進み、味や風味に深みが生まれて徐々にビールに近づいていく段階です。

ろ過とパッケージング

熟成が終わったら、ろ過して瓶や缶などの容器にパッケージングし、出荷されます。いわゆる生ビールは、このような工程を経て店頭に並んでいるのです。

なお、発酵が進みすぎないようにパッケージングの前に熱を加えて酵母を殺したり、クラフトビールではろ過工程を行わずに濁ったまま出荷されている製品もあるなど、ビールによって細かな製法は異なっています。

ビールメーカーそれぞれのこだわりは?

ビールの味は、原料はもちろん、製法によっても変わってきます。ビールメーカー3社の銘柄では、どんなこだわりをもって作られているのか、見ていきましょう。

アサヒ スーパードライの場合

アサヒの『スーパードライ』では、酵母・原材料・製法の3点にこだわってビールが作られています。

スーパードライに使われている酵母は、『アサヒ318号酵母』と呼ばれるものです。発酵性能と上品な風味を生み出すこの酵母をさらに厳選することで、スーパードライの持つ辛口が成り立っています。

原材料の麦も、条件を満たしたものを採用し、製法にも細部まで細心の注意が払われており、これらのこだわりがスーパードライの味覚を生み出していると言えるでしょう。

キリン 一番搾りの場合

キリンの『一番搾り』では、『一番搾り製法』と呼ばれる一番搾り麦汁だけを使用して作る製法が使われています。この製法は、一番搾り開発当時の1980年代に、一番美味しいビールを作ることを目標に生み出された製法です。

一般的なビールでは、一番搾りの麦汁だけでなく、2番目に搾られた麦汁も合わせて使う製法が採用されています。しかし一番搾り製法では、一番搾り麦汁だけを使い、素材の持つ風味を引き出し、雑味のない味を実現しているのです。

その他にも、低音麦汁ろ過技術や、副原料を使用せず、麦を多めに使っていることなど、製法へのこだわりがうかがえます。

サントリー ザ・プレミアムモルツの場合

サントリーの『ザ・プレミアムモルツ』では、水・麦芽・ホップという、三つの原材料にこだわったビール作りが行われています。

水は地下水を直接利用できる場所にだけ工場を建て、麦芽に採用しているのは、多量のうま味成分が含まれる代わりに硬い構造を持つ『ダイヤモンド麦芽』です。

チェコの農家に直接支援を行い、栽培されたホップを厳選して使うことで、ザ・プレミアムモルツは作られています。麦芽とホップには、それぞれ専用の製法も開発されており、細かなこだわりが味に反映されていると言えるでしょう。

ビールは自宅で作れる?

大規模な工場でも製造されているビールですが、作るだけなら実は自宅でも可能です。しかし、自宅でビールを製造する場合にはある問題点が浮上します。

アルコール度数1%以上の飲料は製造禁止

問題点とは、法律に関することです。アルコールに関することを定めている酒税法では、酒類を『アルコール度数が1%以上のもの』と定義しており、酒類を製造するためには、免許と製造場所に関する許可が必要だと明記されています。

逆に言えば、『アルコール度数が1%未満のものなら製造可能』ということです。少々もの足りない度数かもしれませんが、その範囲内であれば、自宅でビール作りを楽しむことができます。

brewland 手作りビールキット22DX

度数1%未満でも、ぜひ自分でビールを作りたいという方におすすめなのが、brewlandから発売されている『手作りビールキット22DX』です。自宅でビール造りが可能になる、スターターセットと言えます。

キットの内容は、発酵に使う専用の容器、缶や瓶のフタとなる王冠も含めて、ビール造りに必要となる器材一式です。ここに原料を買い足せば、付属のマニュアルを見ながらビール造りに挑戦できます。

ただし先述の通り、酒税法によって、アルコール度数1%以上のものを作ることはできません。くれぐれも法律を踏まえた上でビール造りを楽しんでください。

  • 商品名:手作りビールキット22DX
  • 価格:1万1820円(税込)
  • Amazon:商品ページ

参考までに、国税庁がビールキットについて公開しているQ&Aを引用しておきます。

Q:「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。

A:酒類を製造する場合には税務署長の免許が必要となります。

酒類とは、酒税法上、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることのできるもの又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)をいい、当該製品により製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になります。

…購入された商品については、アルコール分1度以上にならないよう製造方法が取扱説明書に具体的に記載されていると思われますので、その注意書に沿って、アルコール分が1度未満となるようにしてください。

酒類の製造免許を受けないで酒類を製造した場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるほか、製造した酒類、原料、器具等は没収されることになります。

引用元:【自家醸造】に関するQ&A|国税庁

作り方が分かるとビールはもっと面白い

ビールの作り方や、各メーカーによるこだわりの製法などに触れてきました。基本的な工程は共通でも、メーカーごとに独自性があり、それによって製品にも違いがあると言えます。

自分で作ることも含め、製法に目を向けながらビールを捉えると、新たな発見があるかもしれません。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME