「常識」が通用しない。哲学を面白いと思える身近な問題4選

2019.08.27

難しいものだと思われがちな哲学。しかし、実は哲学とは私たちが何か物事を考えることそのものなのです。この記事では、哲学を面白いと思えるようになる問題をまとめました。明日から自分のなかにあった常識が変わっていくかもしれません。

哲学は面白いと実感できる話

哲学そのものを面白いと感じるために、まず「ありえない」という固定観念を捨ててしまいましょう。何を信じるべきかということ自体を疑ってしまうような面白い話をご紹介します。

世界は5分前にできた?!反論できない「五分前仮説」

まず紹介したいのは「自分が今生きている世界は5分前に作られたものである」という説です。これは「世界五分前仮説」と呼ばれており、ラッセルという人物が編み出した哲学的思考のことを指します。

この仮説は打ち破ることができないことで有名です。たとえば「物や記憶が5分以上前の分も残っている」という反論があるとします。この仮説を使うと、「その物や記憶すらも5分前に設定されて作られたものだ」という結論が出ます。

「仮説を聞いてから5分以上経った」と反論しても、「その記憶も5分前に作られたものだ」という結論で論破されてしまうのです。

「ありえない」ということを証明できない以上、仮説を完全に否定することはできないというもどかしさが面白い哲学話です。

本当は世界なんて存在しない「独我論」

デカルトの「独我論」という説を聞いたことがあるでしょうか。これはある日デカルトが世界の存在を疑ったことでできた論説です。

人間はいつも目の前にあるものをそのまま真実だと捉えがちです。しかしデカルトは、目に見えているものすら本来は存在しないものなのではないかと考えたのです。たとえば、あなたが見ているものや感じているもの、すべてが「あなたの頭の中の妄想」だったとしたらどうでしょう?

こうなると、何もかもが偽物ということになってしまいます。しかしデカルトは「こうして世界を疑っている自分の思考、すなわち自分自身は実在している」ということに気がついたのです。

これが、「我思うゆえに我あり(コギト=エルゴ=スム)」という有名な言葉が生まれた背景です。

哲学の面白さを発掘できる思考実験問題

哲学的な考えは名言だけにとどまりません。哲学において、自分自身の思考を試すテスト問題も数多く生まれています。

トロッコをどう動かす?「トロッコ問題」

まずはトロッコに関する思考実験です。あなたの目の前にあるのはレールの分岐点と、分岐を切り替えるレバー。

暴走したトロッコが近づいてくるなか、その進路を見ると数人の作業員がいます。そして別のレールの向こうにはたった1人の作業員の姿があります。

このままトロッコが走ってくれば、数人の作業員たちに当たり彼らは命を落としてしまいます。ただしレバーを切り替えた場合、進路は変わり、1人の作業員にぶつかり彼は命を落とすことになります。このとき、あなたはどうするべきなのでしょうか、という問題です。

結論は人の数だけある

この問題の解釈は人の数だけあります。何が正しいということではなく、本人にとって「どう生きることが重要か」を考えるというのが、この問題の醍醐味です。

例えば、もしレバーを切り替えたと仮定しましょう。その場合、あなたの決定によってより多くの命を救うことができたわけです。しかし、別のレールにいる作業員は、「あなたの行動によって」死んでしまうことになります。この場合、あなたは「そのままであれば死ぬことはなかった1人を殺した」といえるかもしれません。

多くの命を救って殺人者となるか、何もしないことで多くの命を犠牲にするのか。極限の状況の中で、自分ならどうするだろうか?という疑問を生む哲学的な思考実験だといえるでしょう。

便器の中の蜘蛛は幸せなのか

ある日あなたは便器の中に小さな蜘蛛がいることに気がつきます。このまま餌のない汚い場所で朽ちていく蜘蛛のことを考えると、心が痛んでしまいます。

そこであなたは、ある日便器の中から蜘蛛を救い出すことにしました。そうすれば蜘蛛は自由に広くきれいな場所へ行けると思ったからです。

エゴによって失われる命もある

蜘蛛を救い出そうとしたあなたは、うっかりその蜘蛛の命を奪ってしまいます。「蜘蛛がかわいそうだから」と手を差し伸べたことで命が潰えた蜘蛛は、果たして幸せだったのでしょうか。

自分を基準とした幸せは、相手にとっての幸せとは限りません。ありのままの流れを変えようとすること自体をエゴと呼ぶのであれば、エゴは誰でも持ち合わせており、ときに他者の命を奪うことになると言えます。

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[関連記事] 哲学的問題まとめと話題の哲学者。日常生活で哲学をするとは

哲学に興味を持ったら読んでほしい本

哲学的な言葉や実験に惹かれる気持ちが少しでもあれば、哲学に関する本でより知識を深めることをおすすめします。

あのバトル漫画のパロディ!?『史上最強の哲学入門』

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テンポよく哲学を紐解く『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』

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漫画ではないのですが、まるで漫画を読んでいるかのようにすらすらと頭に哲学の知識が入ってきます。難しいことを抜きにして、「そうなんだ!」といろいろな発見をすることができるおすすめの1冊です。

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哲学はのびしろで構成された学問

勉強が苦手な方も哲学に詳しくない方も、哲学について少しでも面白さを見つけた時点で哲学者への第一歩を踏み出したことになります。

哲学は、予備知識がなくても思考だけで成り立つユニークな学問です。大学に行かずとも学べる面白い学問・哲学を知ろうとしないのは勿体ないかもしれません。

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