生きるべきか死ぬべきか。シェイクスピア名作悲劇『ハムレット』のあらすじや名言を紹介

2019.08.27

16世紀末から17世紀初頭に活躍したイギリス最大の劇作家シェイクスピアの代表的戯曲『ハムレット』。「生きるべきか死ぬべきか」の名言でも知られる不朽の名作ですが、その物語の全貌はご存知でしょうか。この記事では、『ハムレット』の概要と簡潔なあらすじ、名言の一部をご紹介します。

シェイクスピアの名作『ハムレット』とは

『ハムレット』の正式な題名は「デンマーク王子ハムレットの悲劇」で、シェイクスピアによる四大悲劇のうちの最初に記された作品です。

1600-1602年頃に書かれたと推定されていて、シェイクスピアの戯曲の中で最も長くなっています。父王の死の真実を知り、仇討ちの機会を伺いながら、復讐を禁じられたキリスト教徒として思い悩むデンマーク王子。そんなハムレットを巡る人間ドラマです。

『ハムレット』の各幕のあらすじを完結に紹介

ここでは、『ハムレット』のあらすじを各幕ごとにご紹介します。

第1幕

デンマークでは2ヶ月前に急死した国王に変わって、弟のクローディウスの王位継承ならびに前王妃(ハムレットにとっての母)ガートルードとの再婚を祝う宴が催されていました。王子ハムレットは、母の変わり身の早さを嘆きます。

そんなハムレットは、宰相ポローニアスの娘・オフィーリアへと恋心をいだいています。しかし、オフィーリアとハムレットでは身分が違いすぎるとして、父ポローニアスからは強硬な反対を受けているのでした。

そんな日々を過ごしていたハムレットは、やがて衝撃の事実を知ることになります。城壁に現れた先王の亡霊から、王がクローディウスによって毒殺されたことを知らされるのです。ハムレットは、クローディウスへの復讐を誓います。

第2幕

ハムレットは、復讐を狙っていることを悟られぬよう、あえて狂気を演じます。そんな様子のおかしいハムレットを訝しんだクローディウスとガートルードは、様子を探るために画策します。

一方、ポローニアスは、ハムレットの変貌は、オフィーリアへの実らぬ恋心ゆえと考え、一計を案じます。それは、オフィーリアにハムレットの様子を探るよう命じ、その様子を陰から見ることでその狂気が本物かどうかを確かめるというものでした。

3

物陰に隠れて見守る王夫妻。しかし、ハムレットはすべてを知っていました。狂気が偽物であることを悟られぬよう、ハムレットはあえてオフィーリアを無下に扱います。

一方そのころ城には、演劇を行う旅芸人の一団が訪れていました。ハムレットは一計を案じ、その演劇の中に「男が毒殺される場面」を追加するよう依頼します。

そのシーンを前に心を乱したクローディウスを見たハムレットは、クローディウスこそ父殺害の犯人であることを確信し、母である王妃ガートルードに詰め寄ります。その際、それを盗み聞きしていたポローニアスを、王と誤って殺害してしまいます。

4

命の危険を感じた王クローディウスは、ハムレットにイギリス行きを命じるとともに暗殺を企てます。父と恋人を同時に失ったオフィーリアは狂気に陥り、やがて溺死してしまいます。帰国したオフィーリアの兄レアティーズは、父と妹の仇であるハムレットに対する復讐を誓います。

5

王は、毒入りの酒と剣を用意し、ハムレットとレアティーズを剣術試合に仕向けます。その最中に、王妃ガートルードが誤って毒杯を飲んで死に、レアティーズも刃に倒れます。ハムレットも剣の毒に冒されますが、王を殺し復讐を遂げます。ハムレットは親友ホレイシオに遺言を託し息を引き取るのでした。

『ハムレット』の名言を英語原文とともに紹介

シェイクスピアの名作悲劇『ハムレット』には、心に沁みる名言がたくさん登場します。ここでは、その一部をご紹介します。

“This above all: to thine own self be true. And it must follow, as the night the day,Thou canst not then be false to any man.”

「何より大切なのは、自分自身に誠実でいることだ。そうすれば、夜の後に昼がくるように、誰に対しても誠実になれるはずである。」(第1幕第3場)

ポローニアスがフランスへと旅立つ息子に伝えた言葉です。元々は、経済的に余裕があれば他人に迷惑をかけることはないのだから、まずは自分の利益をまず第一に考えるべし、という教訓だったようです。

“There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.”

「そもそもそれ自体よいとか悪いとかいうものはない。考え方一つだ。」(第2幕第2場)

ハムレットが、学友のローゼンクロイツとギルデンスターンと会話をして、「我々にはデンマークは牢獄だとは思われない」と言われた時に返したセリフです。

“ To be, or not to be? That is the question”

「生きるか死ぬか。それが問題だ。」(第3幕第1場)

シェイクスピア戯曲中最も有名といっても過言ではないセリフです。父の無念を抱えたまま生き続けるか、それとも決断して死を覚悟の上で復讐を遂げるか。そんな悩みを吐露する場面で放たれています。

“My words fly up, my thoughts remain below: Words without thoughts never to heaven go.” 

「ことばは宙に舞い、思いは地に残る。思いのこもらぬ祈りは天には届かぬ。」(第3幕第3場)

弟を謀殺した自身の祈りは神に届かないことを悟った王クローディウスの独白です。ハムレットはこのとき祈りに集中するクローディウスを殺害できずに見逃しています。

何度も演じられ、描かれてきた不朽の名作

復讐を誓いながらなかなか思い切れない主人公の心の葛藤を中心に、人間性の根底を抉り出す名作悲劇『ハムレット』は、これまで、イギリス国内だけでなく日本でも何度も上演されてきました。

また、狂気に陥るオフィーリアを中心に、絵画にも繰り返し描かれています。実際の上演作品や絵画を通じて『ハムレット』の世界をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。

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