スピーカーにはエージングが必要?基本的な方法や必要な時間など

2019.08.27

新品のスピーカーや、長期間使用していない中古のスピーカーを使う時は『エージング』と呼ばれる、慣らしの作業を行います。より効率的にエージングを行うポイントや、エージングに適した音源の探し方について解説します。

スピーカーのエージングについて知ろう

新品のスピーカーは使い始める前に『エージング』を行います。エージングの必要性に関してはさまざまな意見がありますが、実際にはどのような目的や効果があるのでしょうか?

エージングの意味

英語の『エージング(aging )』には、『老化・高齢化』という意味の他に、『熟成・慣らし・ねかし』という意味があります。

スピーカーをはじめとするオーディオ機器でいうところの「エージング」は後者にあたり、新品のスピーカーや長期間使用していないスピーカーを稼働させる時に音を一定時間鳴らし続ける行為を指します。

原理は車の慣らし運転と同じ

例えば、新車を購入した際、新車のタイヤ表面に付いた離型剤を摩耗させたり、微細な角やバリ(鉄粉)を落としたりして、車がより安全・スムーズに動くように『慣らし運転』をするのが通常でしょう。

スピーカーのエージングの原理や目的はこれと同じです。

購入したばかりの新品のスピーカーは音も硬く、動きもぎこちない場合があるでしょう。可動部を構成する部品が音声信号の振動に慣れるにつれ、スピーカー本来の性能が発揮されるようになります。

エージングによって、音質が耳ざわりの良いものになり、音にも奥行きが生まれると感じる人もいるようです。

エージングは必要?

エージングは必要という人もいれば、エージングは不要という意見もあります。エージングがもたらす効果については、科学的根拠が不明とされることも多く、大手メーカーの間でもその効果について明確に言及している例は多くありません。

不要とする理由には『エージングをすることで音が落ち着いてくるわけではなく、使い続けるうちに耳が慣れてくるだけ』『数百時間の稼働は、むしろスピーカーの負担になる』といったことが挙げられます。

とはいえエージングにより、スピーカーの音が落ち着いてスムーズな出力が可能になったと感じる人が一定数いるのも事実です。エージングを行うかどうかは、個人の好みだと言えるでしょう。

ただし、過剰なエージングは部品の消耗につながることも覚えておかなければなりません。

基本的なエージングの方法

スピーカーのエージングに難しい技術は不要で、基本的には音楽を鳴らし続けるだけです。音の振動が内部部品に伝わり、徐々になじんでいくといわれています。では、どのような方法でするのが良いのでしょうか。

エージングの目安となる時間

新品のスピーカーの場合、本来の音質が発揮されるまでには10~100時間の鳴らし込みが必要だとされています。

スピーカーが大きいほど時間がかかり、小型・中型のスピーカーは10~30時間前後、無垢材の大型スピーカーは、100時間程度がおおよその目安だと言われています。

長期間使っていない中古スピーカーの場合は、10時間ほど鳴らし込みをすると調子を取り戻すでしょう。

スピーカーの大きさや状態、材質によってエージングにかかる時間は異なります。音を確認しながら時間を追加していくと良いでしょう。

エージングの期間についても細かい規定はありません。例えば、30時間の鳴らし込みが必要なスピーカーであれば、『3時間(1日)×10日』でも、『10時間(1日)×3日』でも構いません。

エージング時の音量

エージングでは音の振動を各部品に伝える必要があるとされています。そのため、音量は普段よりもやや大きめが理想です。

音を長時間鳴らし続けて他人の迷惑にならないように、できる限りの配慮もしなければなりません。

ケーブルの片一方を逆相接続にし、スピーカーを向かい合わせに配置した上で毛布や布団で覆えば、外に漏れる音を極力抑えることができます。

エージングに適した音源は?

使用する音源は基本的に自由ですが、音の中にはエージングをより効率的に進める周波数を持つものがあります。長時間にわたるエージングは耳が疲れるので、できるだけ負担にならないものを選びましょう。

自分の好きな音楽を

まずは、スピーカーの説明書を確認しましょう。注意点が記載されていなければ、音源は自由なもので構いません。

ただし、毎日数時間は鳴らし続けなければならないので、自分の好きな音楽を選んでも良いでしょう。普段聞きなれた音楽であれば、音質な微細な変化にも気付くはずです。

また、音楽を長時間聞き続けるのは頭も耳も疲れるため、ヒーリングミュージックや自然音のCD、ラジオを使うのもおすすめです。

幅広い周波数の出るピンクノイズ

上記で紹介した、水のせせらぎなどの自然音は、『ピンクノイズ』を含む代表的な音源です。

ピンクノイズとは、『あらゆる可聴周波数帯域が均等な音圧で含まれているノイズ』で、エージングに使用すれば、低音から高音まで偏りなく鳴らせます。

人々が自然にリラックスできる『1/fゆらぎ』を含んでいるため長時間鳴らし続けても心身への負担は少ないでしょう。

サイトから無料で探すこともできる

エージングにかかる時間や効果は、どんな音源を使うかによって左右されます。

より短期間で効率的にエージングを行いたい場合は、ピンクノイズやエージング専用音源を使うのがベストです。

こうした音源は市販で購入できる他、YouTubeなどの各種サイトでも無料で公開されています。さまざまな音源を試してみましょう。

エージングでスピーカーを馴染ませよう

エージングの目的は、スピーカーの部品をなじませ、本来の音質を発揮させることです。やればやるほど良くなるというわけではないので、適度な時間と期間、音量を決めて行うことが大切でしょう。

エージングを行う時は、家族や近所の迷惑にならないようにする配慮も忘れてはいけません。ピンクノイズを含む自然音や専用の音源で、より効率的に作業を進めましょう。

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