焼酎は原料によって作り方が違う。製造方法別の美味しい飲み方を紹介

2019.08.25

低糖質でヘルシーな焼酎は、世代を問わず愛されるお酒です。米・芋・麦など、原料によってさまざまなタイプがあることはよく知られています。それ以外にも、作り方などによってさらに種類が増えます。製造工程や美味しい飲み方について見ていきましょう。

焼酎作りの基礎知識

 

焼酎の種類は、原料によって違うことは広く知られていることでしょう。米・芋・麦などのほかにも、そばや黒糖、意外なところでは牛乳や脱脂粉乳などを原料としても作られます。

原料による種類の違いとは別に、製法によって焼酎の種類が異なることを知っていますか?代表的な二つの製法について触れていきましょう。

焼酎の製法は種類によって異なる

焼酎には、『甲類焼酎』と『乙類焼酎』があります。「芋がいい」「麦が好き」という話はよく耳にしますが、甲類・乙類に関しては語られることが少ないかもしれません。

甲類焼酎とは、『連続式蒸溜器』で製造したものをいいます。原料を分解し、糖化して作られる醪(もろみ)を連続して使用する製法です。

焼酎は、蒸溜酒です。蒸溜とは、発酵した液体を気化し、それを冷却することで液体に戻す作業です。そのため、糖質が低く、アルコール度数の高いお酒が製造できます。

乙類焼酎は『単式蒸溜器』で製造し、1回だけ蒸溜したものです。原料の良さを存分に残し、味わいある酒質が求められます。

本格焼酎と呼ばれるものがありますが、これは単式蒸溜で製造された乙類で、さらに限定された原料のみを使用して作られたものです。

焼酎を自分で作るのは違法

原理としてみると、お酒は、糖分を含む原料をアルコール発酵させることで作ることができます。生産規模は別として、最低限の道具があれば作れるのです。

しかし、酒造は免許制です。酒税法に定められた免許を持たずにお酒を作ると、量のにかかわらず罰せられます。

では、焼酎に梅を漬けて作る梅酒などはどうでしょうか?これは、お酒と、その他のものを混ぜる混酒と呼ばれるものですが、原則的には新たなお酒を製造すると考えられ禁止されています。

しかし、酒税法第四十三条に『みなし製造』の規定が設けられています。これは、自分自身で消費する分には違反として適用しない、つまり許される行為です。

ただし、あくまでも消費できるのは自分だけです。客人や友人に振るまうことはこれに当たらず、処罰の対象となるので注意が必要です。

焼酎の主な作り方

焼酎は、原料の糖分を分解し、アルコール発酵させることで造れます。原理を一言で説明するとこのようになりますが、実際に美味しい焼酎を作るには、さまざまな工程を経る必要があるのです。

焼酎の製造法を大別すると、『もろみ取り焼酎』と『粕取焼酎』の2種類があります。現在はもろみ取り焼酎が主な製法なので、詳しく解説していきます。

原料の処理と製麹

まず行うことは『原料の処理』です。芋や麦・米などをきれいに洗浄します。そして、水に浸して吸水させるのです。それから主原料を蒸し、さらに適温まで冷まします。

第2段階は『製麹(せいぎく)・麹づくり』です。焼酎作りにおいて、この製麹・麹造りは最も重要な作業の一つといえるでしょう。

製麹には米を使用します。米をきれいに洗い、十分に水分を吸収させてから水切りをして蒸します。そこへ麹菌を撒いて、菌を繁殖させるのです。

一次仕込みと二次仕込み

製麹を経てできた麹に、酵母と水を加えます。このことで、大量の酵母を培養するのですが、これを『一次仕込み』といいます。次の段階に必要となる酵素や、醪の腐敗を防止するためのクエン酸の溶出が目的です。

一次仕込みには、温度管理がとても大切です。なぜなら、30℃を超えると酵母が弱り、腐りやすい醪(もろみ)となってしまいます。

一次仕込みで作られた酒母(一次醪)に、蒸した芋や米などの主原料と水を加えて発酵させる作業が『二次仕込み』です。一次仕込みによって製造した酒母が、アルコールを作っていきます。

概ね1~3週間程度をかけて発酵させると、アルコールと主原料の香りをたたえた芳醇な醪となります。ここでも一次仕込みと同様に、30℃以下の温度管理が重要です。

蒸溜と貯蔵

次はいよいよ蒸溜です。蒸溜の初段階で作られるアルコールは、とても高い度数で、『初垂れ(はなたれ)』と呼ばれてます。次第にアルコール度数が下がり、10度以下になると蒸溜は終わります。

最後に溜出するアルコールは『末垂れ(すえだれ)』といい、40度ほどのアルコール度数の原酒です。この原酒は、焼酎油で白濁しているため、油を分離する作業も必要です。

蒸溜したての原酒は、蒸溜後特有の匂いをまとっています。そのため、焼酎が備えるまろやかさを生むには、一定期間の貯蔵で、熟成する必要があるのです。

貯蔵方法や成熟期間は、銘柄によって異なります。かめ・ほうろう・ステンレスなどのタンクで行われるケースが多いようです。

黒糖焼酎などでは、樽熟成するとラム酒のような雰囲気へと変化します。また、麦焼酎の場合、樽熟成によってウイスキーのような風合いを生むこともできるのです。

焼酎製造のポイント

焼酎の製造工程を見てきましたが、他のお酒と異なる点や、焼酎製造のポイントなどはどのようなものでしょうか。

日本酒との違いは蒸溜があるか

焼酎と日本酒の製造工程は、どの部分に違いがあるのでしょうか。焼酎は、蒸溜酒です。一方、日本酒は醸造酒と呼ばれるもので、ワインなどもこれにあたります。

醸造とは、穀物や果実を、酵母によってアルコール発酵させることを指します。これは、焼酎でいうと、製麹を経て一次・二次と仕込んでいく段階にあたります。

ワインをはじめとする果実酒などは、糖分が原料に含まれているので、酵母を加えるだけでアルコール発酵をさせられます。この状態でも、既にお酒と呼べる状態になるのです。

蒸溜とは、この状態から熱を加えてアルコールを気化し、それを冷却して再度液体化することです。焼酎には、この作業が不可欠となります。つまり、日本酒と焼酎では、蒸溜があるかないかの違いがあるのです。

泡盛と米焼酎の違い

税法上、泡盛は単式蒸溜焼酎(乙類焼酎)にあたります。しかし、焼酎の製法とは大きく異なるのです。

一般的な焼酎では、製麹後、水と酵母を加えて発酵させ、主原料を加えて発酵させます(一次・二次仕込み)。これに対して泡盛は、原料のすべての米を米麹にし、水と酵母を加えて発酵させる全麹仕込みで製造します。

また、焼酎では減圧蒸溜が主流ですが、泡盛の多くは常圧蒸溜によるものです。それぞれの蒸溜方法により、風味や口当たりに違いが生まれます。

さらに、蒸溜後の泡盛の原酒や、水を加えてアルコール度数を調整したあとの泡盛は、ろ過によって風味を調整することが多くあります。これは、古酒として育てることを重視する泡盛特有の工程です。

飲み会で焼酎を美味しく作るための秘訣

作り方一つで、焼酎の味は変わるものです。そこで、美味しく作るための秘訣を見ていきましょう。

水割りは6対4の割合が大事

焼酎は、日本酒やウイスキーのように、水で割ると水っぽさを感じることはありません。そのため、水割りがより楽しめるお酒だといえます。

水割りで飲むなら、25度程度の焼酎であれば焼酎6対水4の割合がおすすめです。これで、日本酒やワインと同等のアルコール度数となり、飲みやすさと美味しさが両立するでしょう。

お湯割りはお湯が先

お湯割りは、焼酎の香りをより引き立たせ、口当たりもソフトに感じさせてくれる飲み方です。寒い季節のお湯割りは、体が芯から癒やされると感じる人も多いでしょう。

お湯割りを作るときは、まずお湯をグラスに注いでから、そこに焼酎を入れましょう。先にお湯を注ぐことで、グラスが熱を吸収し、熱過ぎないお湯割りができるからです。

また、お湯に焼酎を注ぎ入れることで、自然な対流が生まれ、混ざりが良くなることも理由の一つです。

ロックで飲むならロックアイスを使う

水と混ざっても水っぽくならない焼酎は、ロックでもぜひ楽しんで欲しいものです。その際は、できればロックアイスを使いましょう。

水道水から氷を作ると、白く濁ったものになります。これは、水道水に含まれる不純物によるものです。

透き通ったロックアイスは、不純物を含まず、水道水で作る氷よりもゆっくり溶けていきます。そのため、ロックで飲むには最適な氷といえるのです。

酒蔵のこだわりで味に深みが出る

さまざまな主原料によって作られる焼酎には、製法も数多く存在します。そして、熟練の職人などによって、焼酎の味わいをより優れたものにする努力が重ねられてきました。

酒蔵のこだわりで、味に深みを持った焼酎が数多く作られています。焼酎の作り方を知ることで、その奥深さをより感じることができるでしょう。

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