甘酒を米麹から作るには?自宅でこだわりの甘酒を楽しもう

2019.08.22

米麹と米から作られるシンプルな甘酒が『飲む点滴』と呼ばれるのはなぜでしょうか?甘酒ができる過程において、麹菌が多くの栄養素を生み出します。酵素の働きや栄養価を知ると、甘酒の魅力さが分かるでしょう。自家製の米麹の作り方も紹介します。

甘酒にはさまざまな栄養素が含まれる

甘酒の原料である米麹は、発酵の過程で酵素やさまざまな栄養素を生み出します。栄養素の高さを知れば、甘酒が『飲む点滴』や『飲む美容液』と呼ばれる理由が分かるでしょう。

麹菌が生み出す酵素とは

甘酒は、麹菌の『酵素』が米のデンプン質をブドウ糖に分解することで甘くなります。これを糖化と呼びます。

麹菌が生成する酵素の種類は30種類以上と言われ、代表的なものには、デンプン質分解酵素の『アミラーゼ』、タンパク質分解酵素の『プロテアーゼ』、脂質分解酵素の『リパーゼ』が挙げられるでしょう。

酵素はビタミンを生成したり、消化をサポートしたりする働きがあり、健康面でも注目されています。

人の体内にも『潜在酵素(消化酵素と代謝酵素)』という酵素がありますが、これは年齢と共に減少していきます。酵素が減ると免疫力が低下したり、体がむくんだりといった不調が現れるため、食物から酵素を取り込み、体内の酵素を不足させないことがポイントとなっています。

ビタミンB群が豊富

麹菌は代謝の過程で、たくさんのビタミン類を生成します。特に、ビタミンB1・B2・B6、ナイアシン(B3)・ビオチン(B7)・パントテン酸などの『ビタミンB群』が豊富です。

ビタミンB群は、炭水化物や脂肪などのエネルギー代謝が円滑に行われるのをサポートする他、皮膚や粘膜の健康維持にも深く関わっています。

また、甘酒にはビタミンB12と一緒に赤血球を作る『葉酸』も含まれており、まさに栄養の宝庫と言っても過言ではありません。

ブドウ糖やオリゴ糖で腸内活性化に

麹菌の分解で生まれるのが『ブドウ糖』と『オリゴ糖』です。『ブドウ糖』は、甘酒の約20%以上を占める成分で、細胞や脳を上手く動かす重要なエネルギー源になります。

『オリゴ糖』は、腸内の善玉菌のエサになるので、より効果的な腸内活性化になり、便秘や軟便で悩む人の大きな助けになってくれるでしょう。

甘酒を飲むことのメリットを知ろう

少し前までは、甘酒は大晦日に神社で振舞われる特別なものでしたが、2015年頃から甘酒の消費量が少しずつ拡大し、現在はスーパーに専用コーナーができるまでになっています。

では、甘酒には私たちにどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?

疲労回復にもおすすめ

江戸時代の人々は、疲労回復や夏バテ予防として、熱い甘酒に生姜汁を入れたものを愛飲していたとされています。

甘酒の成分の約2割を占める『ブドウ糖』は、分子量の小さい物質なので、体内に入ると速やかに吸収され、脳や体を動かすエネルギーになります。

また、ブドウ糖の他に、アミノ酸・ビタミンB群・ミネラルなど、体が必要とする成分を豊富に含んでいます。これは病院で受ける点滴とほぼ同じ成分となっており、甘酒が『飲む点滴』と言われる理由も分かるでしょう。

ブドウ糖は脳の唯一の栄養素としても知られているため、デスクワークで頭を使って疲れた時にもおすすめです。

暑い時期の熱中症対策にもなる

甘酒は冬のイメージが強いですが、甘酒は夏の熱中症対策にもおすすめです。

市販されている商品にもよりますが、甘酒には100mlあたり60mgのナトリウムが含まれています。そのため、汗で失った塩分をしっかりとチャージして、さらには他の栄養素も豊富なので、夏バテの予防にもなるでしょう。

夏は暑さで食欲が減退しがちです。出かける前に甘酒を1杯飲んで、1日中元気に過ごしたいものです。その際は、冷蔵庫で十分に冷やして飲むのがおすすめです。

満腹感を味わいダイエットも期待できる

ブドウ糖が多く含まれる甘酒を飲むと血糖値がすぐに上昇し、満腹感が得られるようになります。特にドロドロとしたお粥状の自家製甘酒は、腹持ちが良く、甘酒を上手に取り入れることができれば間食の量が減るかもしれません。

またダイエット中の人は、食べたいものを我慢するとイライラやストレスが蓄積し、リバウンドしてしまうことがあります。食べ物に手を伸ばす前に、豆乳やお湯で割った甘酒を飲んでみましょう。

甘酒は体に良い栄養素が含まれていますが、たくさん飲めばそれだけカロリーも増えてしまいます。1日100ml程度を目安にして、飲みすぎないように注意をしましょう。

甘酒に使える米麹を作ってみよう

甘酒用の米麹は、『種麹』があれば自宅でも作れます。完成までに2日近くかかるので、時間がたっぷりある時に行いましょう。

事前に用意するもの

  • 米麹用の種麹
  • 温度計・蒸し器・へら・トレイ・洗面器・布
  • 温熱器具(こたつ・ホットカーペットなど)
  • 発泡スチロールの箱
  • 消毒用エタノール(手や用具の殺菌用)

当日までの下準備として、洗浄した米を水に浸しておきます。夏は3~5時間、春・秋は6~12時間、冬は5~20時間が目安にしましょう。米はざるにあげて、2時間ほどかけてしっかりと水を切っておきましょう。

米麹の作り方

  1. 米は蒸し器で蒸し、消毒済みのトレイに広げて粗熱を取る
  2. 温度が35℃前後まで下がったら種麹をまんべんなく入れて、全体が均一になるように素早く混ぜる(この作業を『種切り』と言う)
  3. 清潔な布に米を包み、発泡スチロールの箱に入れ、こたつやホットカーペットなどの温熱器具で保温し、30~32℃を保ちながら『培養』を行う
  4. 麹菌に酸素を与えるため、途中で米をほぐす『手入れ』を行う
  5. 種切りから約35時間後、菌糸が伸びて甘い香りが漂ってきたら、包んでいた米をトレイに移して2~3cmに均等にしながら、温度を37~42℃に保って再び培養を続ける
  6. 保温箱のふたは密閉せずに、空気が入るようして様子を確認する
  7. 種切りから45~48時間後、米同士がくっついて板状になれば完成

炊飯器で作れるお手軽甘酒のレシピ

甘酒は米と麹を発酵させて作りますが、発酵には、一定の温度が保てる環境が必要です。ヨーグルトメーカーや鍋、魔法瓶などでも甘酒は作れますが、どの家庭にもある『炊飯器(保温機能あり)』を使ってみましょう。

必要な材料とは?

  • 米麹:200g
  • 炊き立てのご飯:1合
  • 水:500~600ml
  • 保温機能付きの炊飯器
  • へら・布巾・温度計

米麹:ご飯:水は1:1:3が理想です。量は好みに合わせて増減すると良いでしょう。ご飯は炊きたてのご飯ではなく、余りご飯でも代用できます。少量の沸かし湯を入れ、ご飯がやわらかくなるまでほぐしておきます。

市販の乾燥米麹は板状になっている場合があるため、砕いてパラパラした状態にしておきましょう。

米麹甘酒の作り方

始める前は、使用するヘラや布巾などの調理器具は、熱湯で殺菌消毒を忘れないようにしましょう。

  1. まず、炊飯器のご飯に水を注ぎ、熱を冷ましながら全体をほぐしていく
  2. 温度計で温度を測り、60℃以下になったタイミングで米麹を投入し、米麹をご飯が均等になるようにしっかり混ぜます。
  3. 炊飯器を保温状態にし、ふたをせずに上に濡れ布巾をかぶせ、温度は60℃前後をキープする
  4. 1~2時間ごとに温度を確認し、全体を混ぜて『温度のむら』をなくしていく
  5. スイッチを入れてから6~8時間ほど経つと、粘り気と甘みが出てきたら完成

手作りの甘酒は、常温保存をしておくとすぐに傷んでしまうため、すぐに飲まない場合は、鍋で加熱(火入れ)をしたのち、冷蔵庫で保管することをおすすめします。

温度調整に気をつけよう

自家製の米麹甘酒は、温度管理が重要です。麹菌は50℃以上になると死滅してしまいますが、菌が死滅した後も酵素は生き続け、60℃前後になると米のデンプン質を糖に変える『糖化』のプロセスに入ります。

甘さのしっかりした甘酒を作るには60℃前後をキープするのが好ましく、温度が70℃以上に高くなれば酵素の働きが失われ、低ければ糖化しないので甘みが感じられません。

炊飯器で甘酒を作る際は、必ず温度計を用意するようにしましょう。温度管理が面倒な人には、温度設定ができるヨーグルトメーカーがおすすめです。

市販されているおすすめの米麹甘酒を紹介

通販で購入できる米麹甘酒を紹介します。市販されているものは、加熱処理がされているので自家製甘酒のように発酵は進みませんが、開封後はできるだけ早く飲み切ることをおすすめします。

ぶんご銘醸 麹天然仕込 酒蔵のあまざけ

『酒蔵のあまざけ』は、米と米麹の自然な甘さが特徴で、水には九州屈指の清流・番匠川の伏流水を使用しています。

保存料や甘味料を一切含んでいないので、開封後の賞味期限は短めですが、900mlで590円というリーズナブルさもあり、家族みんなで飲用することもできます。

カロリーは100gあたり107kcalで、一般的な甘酒の平均カロリー(81kcal)よりも少し高めです。

『ぶんご銘醸』は大分県佐伯市の自然豊かな場所に位置する醸造所で、『ぶんご太郎』をはじめとする焼酎造りにも力を入れています。原材料への並々ならぬこだわりがあるメーカーなので、甘酒のおいしさにも期待が持てます。

  • 商品名:ぶんご銘醸 麹天然仕込 酒蔵のあまざけ 900ml
  • 価格:590円(税込)
  • Amazon:商品ページ

篠崎 国菊甘酒

麹で米を糖化させたストレートタイプの米麹甘酒です。国産米100%を使用しており、米と麹以外の添加物は含まれていません。100gあたりのカロリーは112kcalです。

篠崎では、国内の酒造メーカーでは珍しく、甘酒専用の製造ラインを設けています。徹底的な品質管理と高い技術の元で製造され、製造設備は毎年更新されているので、信頼感も持てます。

そのままでもおいしく飲めますが、おろし生姜を加えるとさらにおいしいくなるでしょう。

  • 商品名:篠崎 国菊甘酒 900ml
  • 価格:700円(税込)
  • Amazon:商品ページ

おいしい米麹甘酒を作ってみよう

米と麹から作る米麹甘酒は、甘くておいしい上に体に優しく子供とも一緒に飲むことができます。

時間がある人は、麹の種菌を培養し米麹を手作りするのも楽しいでしょう。自家製甘酒は、甘酒の栄養素をたっぷり取り入れることができますので、日々の健康維持に役立ちます。

より手軽に甘酒を摂取したい人は、市販されているものがおすすめです。保存料や甘味料が添加されておらず、シンプルな原料を使っているものを選ぶようにしましょう。

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