番茶とほうじ茶の違いとは?同じ茶葉を使ってるって本当?

2019.08.22

日本はお茶が豊富な国です。緑茶、烏龍茶、麦茶など、数多くのお茶を購入できます。中でも日本茶は種類が多く、違いを知るだけでも一苦労です。特に、番茶とほうじ茶は似ており、何が違うのかはよくわかりません。番茶とほうじ茶は何が違うのか?紹介します。

番茶とほうじ茶のそれぞれの違い

番茶とほうじ茶。それぞれ別のお茶のように思えますが、実は両方とも同じ「茶の木(茶の葉)」から作られています。なぜ同じ茶の木から作られているのに物が違うのか?それぞれを説明します。

番茶とは

番茶とは、「品質の下った2級品の茶葉から作られた低級品の緑茶」のことを指します。すべての茶葉が低級品というわけではありませんが、「成長して硬くなった葉」や「旬の時期が過ぎた葉」などの煎茶などに向かない茶葉が主に使用されます。

ですが、「2級品だから」といって不味いというわけではなく、多少の苦みはありますが、癖が無いサッパリした味わいが飲みやすいお茶です。

番茶の「番」は、「普段使い」という意味があります。お客様に出すようなお茶ではない、自分たちで飲むお茶なため、普段から飲む安いお茶のことを「番茶」と呼んだのです。

また、「旬の時期が過ぎた茶葉」ということから、「遅く茶摘みした葉」という意味で「晩茶(ばんちゃ)」と呼ばれ、それから転じて「番茶」と変化した説もあります。

ほうじ茶とは

ほうじ茶は、「焙じ茶」と記載します。茶葉については特に指定はなく、煎茶に使われるような若い茶葉や、番茶に使われるような硬い茶葉などを「焙(ほう)じる」つまり火であぶって水分を飛ばすことでお茶にします。

ただ、やはり若い茶葉の方が美味しく高級品として扱われており、一般的には番茶に使われるような2級品の茶葉を焙じるのが一般的だそうです。

上述の通りほうじ茶は茶葉を火であぶっているため、軽やかな香ばしさとわずかな苦みがありますが、番茶同様にサッパリした味わいが特徴で、比較的飲みやすいお茶といえるでしょう。

つまり、番茶とほうじ茶は「同じ茶葉を使っていることが多い」ものの、「製法に大きな違い」があり、2つは全くの別物といえます。

地方によっては混同されている

一般的には上記のように分けられており、全く別物ですが、地方によっては同じものとして扱われていることもよくあります。

有名なのは「京番茶」です。製法的には茶葉を焙じている「ほうじ茶」に分類されますが、「番茶」という名前で扱っています。他にも石川県の「加賀棒茶」、奈良県の「日干番茶」なども同様に、ほうじ茶でありながら「番茶」と呼びならわされている地域があります。

番茶とほうじ茶は「焙じているかどうか」で分けることができますが、どちらも「2級品の茶葉」を使っていることもあり、地方によっては区別されていないのです。

京都などではほうじ茶が「普段使いの茶」だったため、「番茶」というようになったのでしょう。

番茶とほうじ茶に含まれる成分

番茶とほうじ茶ですが、どちらもカテキンやビタミンC、アミノ酸などが含まれています。どちらも同じタイプの茶葉を使用しているのですから、当たり前といえば当たり前です。

ですが、番茶よりもほうじ茶の方が、茶葉を焙じている分、カテキンやビタミンCなどの保有量が少ないとされます。とはいえ、成分が少ないからといって番茶が悪いわけではありません。多少の違いでしかありませんので、好みで選んで問題ないでしょう。

番茶とほうじ茶はカフェインが少ない

お茶を飲むときに気にする人が多いのが「カフェイン」の存在。カフェインには覚醒作用があり、眠気覚ましに利用する人も多い反面、カフェインの過剰摂取は健康に対する悪影響が指摘されており、特に妊婦の方などはできるだけ控えた方がいいとされています。

番茶とほうじ茶のカフェイン含有量はというと、他の緑茶よりもカフェインが少ない傾向にあります。これは、緑茶のカフェインは「若葉」に多く含まれ、成長するにつれて少なくなっていくため。先ほど述べた通り、番茶とほうじ茶に使用される茶葉は「成長しきった、遅摘みの茶」であることが多いため、カフェインは少なくなるのです。

ちなみにこの反対が「玉露」で、玉露は緑茶の中でも若い葉(芽)を使ってつくられるため、カフェインの含有量はなんとコーヒーの数倍ともいわれています。玉露のカフェイン量について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

[関連記事] 玉露のカフェインはコーヒーより多い!?意外と知らない玉露のこと

他にもある「煎茶」の種類

番茶とほうじ茶ですが、広義の意味では煎茶でもあります。「煎じるお茶」ですので、同じ手法でお茶を入れる番茶とほうじ茶も、煎茶といえるのです。他にも「煎茶」の種類がありますので、いくつか紹介します。

玄米茶

玄米茶は、茶葉の中に玄米が入ったお茶です。玄米を炒っておき、約50%ずつ玄米と茶葉(煎茶や番茶など)を混ぜ合わせた物が玄米茶になります。

番茶とほうじ茶と同様に、香ばしくアッサリした味わいが特徴的です。

番茶などと比べると、茶葉が半分しか入っていないため、カテキンなどの栄養素が少ないです。その代わりに、玄米に含まれるビタミンB1やビタミンEが含まれます。また、カフェインの量もさらに少なくなるため、妊婦さんや子供にも安全に飲みやすくなっています。

玉露

玉露は、日本茶の中でも最高級品として扱われる茶葉です。栽培時には日光を当てすぎないように幕をかぶせたりなど、手間がかかっています。番茶などとは違い、コクがあり深みのある味わいが特徴的です。ビタミンAやカフェインを多く含んでいます。

どれも美味しい日本のお茶

番茶とほうじ茶の違いは、「焙じている」という製法の違いにありますが、地域によっては同じものとして扱われている場合があります。

それぞれ同じ茶葉を使っていても、「焙じている」かどうかで味が変わってきます。それぞれ飲み比べして、自分なりの違いを探してみてはどうでしょうか?

他にも日本茶は多くありますので、それぞれ飲み比べをして、違いや特徴を確認してみてください。

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