チャイコフスキーの代表作をご紹介。繊細な心から生まれた傑作の数々

2019.08.20

ピョートル・チャイコフスキー(1840年~1893年)はロシアの作曲家です。交響曲、バレエ音楽、協奏曲など作品は多岐にわたり、叙情的で甘美、メランコリックな旋律が人気の作曲家です。繊細な心を持つチャイコフスキーが書いた代表作をご紹介します。

旬欄豪華な作品

チャイコフスキーは繊細で傷つきやすい内向的な性格でしたが、書いた作品は豪華絢爛。そんな作品をご紹介します。

ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23

チャイコフスキーは3曲のピアノ協奏曲を書きました。今日では数あるピアノ協奏曲の中で第1番が極めて人気の高い作品で、チャイコフスキーの代表作です。

ちなみに、友人のピアニストであるニコライ・ルービンシテインからは「書き換えなければ演奏できない。それほどひどい出来だ」と酷評されましたが、ハンス・フォン・ビューローが初演し大成功を収めました。

交響曲 第6番「悲愴」ロ短調 Op.74

チャイコフスキーは生涯で6つの交響曲を書きました。第6番「悲愴」は第5番ホ短調Op.64と共に人気がある交響曲です。第6番はチャイコフスキー最後の大作であり、本人にとっても自信作だったといわれており、今も交響曲の傑作として名を馳せています。

ピアノ三重奏「ある偉大なる芸術家の思い出のために」イ短調Op.50

タイトルの「ある偉大なる芸術家」とはチャイコフスキーの師であるニコライ・ルビンシュタインのことです。楽器編成はピアノ、ヴァイオリン、チェロ。それぞれの楽器の役割が大きく、高度な演奏技巧が求められます。壮大で美しい旋律から、今も非常に人気の高い作品です。

三大バレエ音楽

チャイコフスキーといえばバレエ音楽が有名。チャイコフスキーが遺した「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」は、3大バレエ組曲と呼ばれ、数あるバレエ音楽の中でも傑作といわれます。美しい旋律は聴いているだけでも楽しいですが、バレエとあわせて観るとより華やかな世界を堪能できます。

白鳥の湖 Op.20

王子ジークフリートはロッドバルトの魔法によって白鳥の姿に変えられた美しいオデット姫に永遠の愛を誓います。魔法使いはジークフリートをだましてオデット姫を裏切らせますが、最期は悪魔ロッドバルトに勝利して永遠に結ばれます。

「情景」や「四羽の白鳥の踊り」が有名です。「ハンガリーの踊り」「ナポリの踊り」「スペインの踊り」と各国の踊りが披露されます。

くるみ割り人形 Op.66

ドイツのE.T.A.ホフマンの童話を原作としています。クリスマス・イヴの夜に少女クララが体験する不思議な物語。夢の中で素敵な王子さまがお菓子の国へと案内してくれて、そこで様々な踊りが繰り広げられます。

「金平糖の精の踊り」をはじめ各国の踊りは広く親しまれている曲ばかりです。最後に「花のワルツ」でクライマックスを迎えます。

眠れる森の美女 Op.74

シャルル・ペローの童話「眠れる美女」を原作として書かれました。祝宴に招かれなかった魔法使いが報復として王女が15歳になると死ぬという魔法をかけます。その魔法を弱めるために別の魔法使いが100年間眠り続けたあとに王子の訪れによって目覚める魔法をかけたのでした。ディズニー映画としても有名です。

人気のピアノ曲

チャイコフスキーのピアノ小品曲には技巧的な作品はないですが、憂いに満ちた美しい旋律が魅力的です。そんな作品をご紹介します。

「四季」-12の性格的描写 Op.37

ペテルブルグの月刊誌「ヌウェリスト(小説家)」で連載された作品で、12カ月の小品から成ります。ロシアの季節の自然や人々の生活を描写した詩と音楽のコラボレーションが実現したユニークな作品です。

その中から有名な曲と詩を、3つピックアップしてご紹介します。

(詩の和訳の出典:世界の民謡・童謡

6月「舟歌」ト短調

チャイコフスキーのピアノ作品の中で最も有名な曲です。夏の星空を揺れる小舟から見上げる恋人たち。チャイコフスキーらしい叙情性に溢れた美しい作品です。

浜辺で波を我々の足で愛撫させておくれ 輝く星は我々に 悲しくひそやかなあいさつをおくる(アレクセイ・プレチェーエフ)

10月「秋の歌」ニ短調

深まり行く秋の寂しげな様子をしっとりと歌いあげられます。うっとりとする美しい旋律はチャイコフスキーならでは。

わたしたちの庭から秋が金色の木の葉を飾りを奪った そして木の葉はゆっくりと林の中を風にはためいていく(アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイ)

11月「トロイカ」ホ長調

銀世界となった広大なロシアの雪原をシャンシャンと鈴の音を鳴らしながらトロイカが駆け抜けます。ラフマニノフの愛奏曲としても知られています。

あこがれに満ちて遠くを見てはいけない トロイカの馬を追ってはならない 心の中であんなに悲しく語った絃は 永久に消えさせてしまえ(ニコライ・ネクラーソフ)

ドゥムカ-ロシアの農村風景 ハ短調 Op.59

フランスのピアニスト、教育者のモンマルトルの依頼により作曲されました。「哀歌」と訳されることが多いですが、18世紀にポーランドで起こった民謡形式「ドゥムカ形式」にのっとって書かれた華やかで技巧的な作品です。

内向的で繊細な感性から生まれた音楽

法律を学び官僚として勤めていたチャイコフスキーですが、音楽への想いを断ち切れずにルビンシュタインのもとで勉強を始めました。21歳から音楽を始めるのには異例の遅さでしたが、53歳で亡くなるまで数々の名曲を書きました。

この記事をきっかけに、歴史に名を遺す名作曲家・チャイコフスキーの作品をぜひ堪能してみてください。

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