ビールの種類とスタイルを知れば、ビール選びがもっと楽しくなる!

2019.08.20

ビールは、生産国やメーカーだけでなく、種類によっても、味や香りなどに大きな違いがあります。また、日本で流通しているのは、ビールの種類の中でもごく一部です。自分好みのものを見つけるために、ビールの基本である種類について解説します。

まずは押さえたいビールの基本

ビール初心者はもちろん、普段からビールを良く飲む人でさえ、ビールとは何かということについては、あまり理解していないのではないでしょうか?ビール選びの前に、まずはビールの基本を押さえておきましょう。

基本を押さえることで、普段のビールがより、美味しく感じられるかもしれません。ここでは、ビール選びに役立つ『ビールの基本』について解説します。

そもそもビールとは何?

ビールは、古くから飲まれているお酒です。時代が変わるにつれ、ビールの原料や製造方法も変化してきました。現在のビールの『主な原料は以下の4種類』です。

  • モルト(麦芽)
  • ホップ
  • 酵母

この四大原料以外にも副原料が使われています。日本では、ビールの副原料として認められているものは下記の通りです。

  • とうもろこし
  • こうりゃん
  • 馬鈴薯
  • でんぷん
  • 糖類または一定の苦味料、着色料
  • 果実
  • コリアンダーなどの香味料

以上の四大原料と副原料などを使って仕込み、発酵、熟成させることで、ビールはでき上がっています。

ビールはエールとラガーに大別される

私たちが普段飲んでいるビールは、発酵方法によって大きく『エール』と『ラガー』に分類されます。

エールとラガー以外にも『自然発酵ビール』と呼ばれる種類がありますが、現在ではこの方法で作られているビールは、あまり流通していません。

エールもラガーも同じ原材料から作られていますが、香りや味わいは全く違います。それぞれのビールの特徴については、後ほど詳しく説明していきましょう。

今話題のクラフトビールとは?

ビール業界でも注目されている、今話題の『クラフトビール』を飲んだことがありますか?クラフトビールは、ビール特有の苦みが味わえるタイプや、苦みを抑えたマイルドなタイプなど、いろいろなタイプが揃っています。

クラフトビールの種類によっても、味わいが異なるため、初めてクラフトビールを飲む人は、飲み比べをしながら自分好みの味を探すのも楽しいかもしれません。ここでは、クラフトビールについて解説します。

クラフトビールの定義

クラフトビールとは、『小規模な醸造所が作るビール』のことです。旅先などで見かけるご当地色が強い『地ビール』も、クラフトビールと言えます。

しかし、最近では、大手ビール会社がクラフトビール市場に参入したり、ユニークな副原料を使った個性的な商品が発売されたりと、クラフトビールの定義づけが難しくなってきているのが現状です。

さまざまなスタイルから好きな味を選ぼう

クラフトビールは、日本国内だけでなく世界中で作られており、その数は100種類以上とも言われています。日本のクラフトビールの中には、世界で認められる高品質な商品も登場してきました。

クラフトビールと大手によるビールの大きな違いは、『多様で個性的なビールが多い』ことでしょう。クラフトビールは、種類が豊富なので、さまざまなスタイルから好きな味を選べます。

ラガータイプのビール

エールとラガーの話題に戻りましょう。ラガータイプのビールは、発酵が終わると、酵母が麦汁の下面に沈む『下面発酵』で作られるビールのことです。7〜10日間、10℃前後の低温発酵した後、1~2カ月間熟成させて作られます。

ラガータイプとは、どんな味のするビールなのでしょうか?ここでは、ラガータイプのビールの特徴について解説します。

下面発酵によるすっきりとした味わい

ラガー酵母(下面発酵酵母)で作られたラガータイプは、低温でじっくりと発酵されます。そのため、雑味の少ないすっきりとしたのどごしで、切れのある味わいが特徴です。

日本で流通しているほとんどのビールは、このラガータイプに当てはまります。そのため、日本人にとっても、最も親しみのあるビールの味と言えるでしょう。

日本だけでなく世界の標準 ピルスナー

『ピルスナー』は、ラガータイプの中でも圧倒的な流通率を誇るビールの1種です。ピルスナーは、1842年チェコで誕生しました。チェコの市民醸造所でつくられた『ピルスナーウルケル』が、現在のピルスナーのオリジナルです。

ピルスナーは、ホップが効いた爽快な味わいが楽しめます。また、スーパーやコンビニなどのお酒コーナーに並んでいるビールのほとんどが、このピルスナーです。キリっとした苦みと味わいは、日本だけでなく世界中で愛されています。

爽快感抜群 アメリカンラガー

日本でもよく目にするアメリカのビールは、ピルスナーの中でも『アメリカンラガー』と呼ばれています。発祥地のアメリカから名づけられました。アメリカンラガーは、強めの炭酸で、のどごしが良く爽快感抜群です。

また、麦芽の風味やホップの苦みが弱く、クセが無いため、ビール初心者にとっても飲みやすいでしょう。有名なアメリカンラガーの銘柄としては、『バドワイザー』や『ミラー』が挙げられます。

エールタイプのビール

エールタイプは、発酵すると酵母が麦汁の表面に浮き上がる『上面発酵』によって作られたビールの種類です。20℃前後の比較的高温で3~4日間発酵後、約2週間熟成させて作ります。

昔から作られているエールタイプのビールは、ラガータイプと比べて、種類のバリエーションが豊富です。ここでは、エールタイプのビールの特徴について解説します。

上面発酵の個性豊かな味わい

エール酵母(上面発酵酵母)で作られたエールタイプは、芳醇で濃厚な味わい深さと飲み応えが特徴です。ラガータイプと比べて、フルーティーな香りが楽しめるので、ワインのように香りや味わいで選んでも良いでしょう。

また、エールビールは種類が豊富にあり、それぞれ味わいも個性的なものが多いです。そのため、料理に合わせて種類を選べるのも、魅力の一つと言えます。

海外のバーでも大人気 ペールエール

エールタイプのビールの種類の一つである『ペールエール』は、イギリス発祥の金色または銅色をしたビールです。豊かなホップやモルトの香りが楽しめ、イギリスやベルギーのバーでは定番となっています。

また、イギリスの伝統的なスタイルのペールエールがアメリカへ渡り、『アメリカンペールエール』も誕生しました。アメリカンペールエールは、ホップのより華やかな香りによって世界的に人気となり、日本でも好評です。

フルーティな香り ヴァイツェン

ドイツ語で小麦を意味する『ヴァイツェン』は、その名の通り、小麦麦芽を使用して作られたエールビールです。ヨーロッパでは『貴族のビール』とも呼ばれるほど贅沢なビールとして知られています。

ヴァイツェンは『ヴァイツェン酵母』を使用して作られ、バナナのようなフルーティーな香りが特徴です。ビール特有の苦みもあまり感じられません。

ヴァイツェンの中にも、酵母をろ過せずに濁った色の『ヘーフェヴァイツェン』、酵母をろ過した『クリスタルヴァイツェン』、ロースト大麦麦芽を使った濃い色の『ドゥンケルヴァイツェン』などいくつかの種類に分けられます。

癖になる強い苦味 IPA

『IPA(アイピーエー)』は、India Pale Ale(インディアン ペールエール)の略称です。イギリス発祥のペールエールを、18世紀に当時イギリスの植民地であった『インド』へ船で送るために、IPAが誕生したと言われています。

長期間の船旅でも腐らないように、ホップをたくさん入れてアルコール度数を高めたのがIPAの始まりと言われており、ペールエールに比べて、ホップの芳醇な香りと強い苦味が特徴です。

苦味と甘味の黒ビール ポーター、スタウト

『ポーター』も『スタウト』はどちらも同じ黒ビールですが、味わいが異なります。ポーターは、『イギリス発祥』のビールで、ロースト麦芽の甘みや苦味を感じられます。

スタウトは、ポーターに対抗して作られた『アイルランド発祥』のビールです。ギネス記録で有名なギネス社が開発しました。コーヒーのような香ばしさと強烈な苦味がありますが、すっきりとした味わいが特徴です。

ポーターはブラウン麦芽を使用していますが、スタウトはペール麦芽を使用し、色付けにロースト大麦を使っています。

自然発酵ビール

『自然発酵ビール』は、自然発酵によって作られたビールの種類です。スーパーやコンビニなどで自然発酵ビールを見かけることは無いため、飲んだことが無い人も多いのではないでしょうか?

自然発酵は、昔からあるビール作りの方法ですが、自然発酵ビールを作る醸造所は減少し、今では世界的にもごく限られた一部でのみ生産されている状況です。

自然発酵ビールは、なぜ、これほどまでに縮小されてしまったのでしょう。ここでは、自然発酵ビールの特徴について解説します。

天然酵母による伝統的な製法

自然発酵は、技術が無い古い時代から、ビール作りに使われていました。この製法によるビールは、エールタイプやラガータイプでは味わえない、独特の苦みや酸味、香りが魅力です。

エールタイプやラガータイプのビールには、人工的なビール醸造用に培養された酵母が使われています。

これに対して、空気や水に存在する『天然酵母によって常温発酵』させて作られたものが自然発酵ビールです。自然発酵は、熟成に1~3年ほどかかります。

熟成期間が自然発酵よりも短く、醸造しやすいエールやラガーに押され、自然発酵ビールを作る醸造所は時代とともに少なくなっていきました。

ベルギーの自然発酵ビール ランビック

自然発酵ビールの代表的なものが『ランビック』です。『ベルギー発祥』で、首都ブリュッセルの南西に位置する、『パヨッテンラント地域』の醸造所で作られたものだけがランビックと名乗れます。

ランビックは、大麦麦芽のほか、発芽させていない小麦を使用し、殺菌力が強いホップを大量に加えて作られます。

通常、ホップは、ビールの香りづけとして使われていますが、ランビックでは、長期間の熟成で腐らないための『防腐剤』の役割として使われているのです。

そのため、あえて酸化して苦みが少ない『古いホップ』を添加し、このエリアに生息する天然酵母を使って作られます。独特の強い酸味とチーズのような香りが特徴です。機会があったら、一度は飲んでみたいビールでしょう。

好みのビールを探してみよう

ビールにはさまざまな種類があり、それぞれ味も風味も全く異なります。最近では、大手ビール会社の商品だけでなく、小規模醸造所が作るクラフトビールも人気です。

ラガータイプやエールタイプのほか、希少な自然発酵ビールなど、いろいろな種類のビールを試して、好みのビールを探してみましょう。

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