ウイスキーなのに透明!?「ニューポットウイスキー」の荒々しい魅力とは

2019.08.16

ウイスキーと言えば琥珀色をしたまろやかな味わいの液体ですが、蒸溜したてのウイスキーであるニューポットは無色透明で、若く荒々しい飲み口が特徴です。そして近頃はこのちょっと風変わりなウイスキーが、ウイスキー好きの間で静かなブームを呼んでいます。

ニューポットは熟成前の若いモルトウイスキー

ニューポットはニューメイク・スピリッツとも呼ばれ、ポットスチル(単式蒸溜器)から溜出したばかりの、樽で熟成させる前のモルトウイスキーのこと。言わば生まれたてのウイスキーです。

無色透明でアルコール度数は6570%と高く、通常のウイスキー造りではこのニューポットに水を加え、アルコール度数を63%前後に調整してから樽に詰め、数年間熟成させ琥珀色になった後で瓶詰めします。ウイスキー業界ではこの樽で貯蔵された状態のものを原酒と呼んでいますが、その原型のニューポットこそが事実上の原酒と言えるかも知れません。

味の方はと言えば、ウイスキーとして完成される前の荒々しい原液ということで、原料である麦芽由来の香りと、舌と喉を刺激するとげとげしさがあり、口当たりもまろやかとは言い難い若さがあります。

それでも同量の水で割るトワイスアップで飲むと、意外にまったりとした甘味を感じることもあり、この尖った未熟感を好む人も少なくありません。

ニューポットとミニ樽で楽しむマイウイスキー

ニューポットは若さと荒々しさを楽しむウイスキーではありますが、近年は新たな楽しみ方も密かに人気を集めています。それは、ニューポットをミニ樽に入れて熟成させるマイウイスキー造りです。

ミニ樽は15ℓ程度の小さなオーク製の樽で、通販なら3千円台〜15千円前後で購入できます。ニューポットを熟成させるには、5ℓ以上の樽を使うのが理想です(ちなみにメーカーでは180480ℓの樽を使います)。

ウイスキーを入れる前に消毒などの下準備が必要ですが、基本的には樽にニューポットを注ぎ入れ、温度変化の少ない場所で熟成するのを待つだけ。結構な割合のアルコール分が、エンジェルズシェア(天使の分け前)となって消えていきますが、1年経つ頃から透明だったウイスキーが少しずつ琥珀に色づき、微かな樽の香りも立ち上ります。

複数のニューポットをオリジナルの割合でブレンドすれば、世界にただ1樽だけのマイウイスキーも造れるので、気長に取り組める人にはおすすめです。

おすすめのニューポットウイスキー

それでは、手に入りやすい日本のニューポットウイスキーを中心に、おすすめの銘柄をいくつかご紹介します。

長濱蒸溜所長濱ニューメイク

ピートを使わない、モルティーな風味とほのかな甘みの「長濱ニューメイク」からスタートしましたが、爆発的な人気となって即完売。その第二弾として、現在はライトとヘビーを含む3種類のピーテッドがラインナップに加わり、スモーキーな味わいも楽しめます。

  • 商品名:長浜ニューメイク ライトリーピーテッド59°
  • 価格:5,780円
  • Amazon:商品ページ

マルス津貫蒸溜所2016年蒸留新酒ノンピート

201611月に開設された蒸溜所で、初年度の貴重なニューポットを数量限定で瓶詰したもの。原料麦芽由来の柔らかな香り、豊かに広がる甘味と余韻が、熟成後の片鱗をうかがわせます。

こちらも即完売となり、現在ではなかなかお目にかかることができないレア銘柄です。

安積蒸留所山桜ニューポットピーテッド

スコットランド産のピーテッドモルトを蒸溜した、スモーキーな香り漂う本数限定の稀少品。乾いた麦芽の香ばしさとほのかな酸味、コクのある口当たりの中に感じる軽いスパイス感が特徴です。

  • 商品名:安積蒸留所 山桜 ニューポット ピーテッド
  • 価格:3,840円
  • Amazon:商品ページ

バッファロートレースホワイトドッグマッシュ

アメリカ最古の蒸溜所で造られたバーボンのニューポット。度数は62.5%で、アルコールの刺激が強くかなりの辛口です。バーボンというよりウォッカ、スピリッツの類に近く、ストレートやロックはかなりハードなのでハイボールがおすすめです。

  • 商品名:バッファロートレースホワイトドッグマッシュ
  • 価格:2,679円
  • Amazon:商品ページ

熟成の神秘をニューポットウイスキーで再認識

無色透明の荒々しいニューポットを飲んだ後に、琥珀色に熟成されたウイスキーを飲むと、改めて熟成の神秘を思い知らされます。ウイスキーの奥深さを再認識する意味でも、ぜひ一度お試しください。

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