息をのむほどの美しさ。システィーナ礼拝堂天井画の内容を紐解く

2019.08.14

荘厳さと巨大さ、美しさで知られるシスティーナ礼拝堂天井画。1477年から教皇によって建てられたシスティーナ礼拝堂にあるこの天井画は、息をすることを忘れてしまうほどの圧倒的な存在感を放っています。この記事ではその天井画の内容を紐解きます。

システィーナ礼拝堂天井画には創世記が描かれている

システィーナ礼拝堂天井画に描かれている創世記とは、神がこの世界を作る様子のことを指します。具体的にどのような姿が描かれているのでしょうか。

神が世界を作る様子

創世記は、神が世界を作り出すところから始まります。神は1日目で光と闇の2つを作り、その後海と空を分け、陸・海・空の3つができあがりました。そして4日目になると神は空に太陽と月を作ります。5日目には動物が作られ、6日目にして人間たちが作られたのです。

7日目、神は世界を作り終え休息を取りました。これが日曜日の休日の始まりとなったと言われています。

アダムとイブの創造。そして追放

こちらも有名であろうアダムとイブの話です。神は粘土に命を吹き込み、まずは男であるアダムを作りました。

楽園であるエデンの管理を誰かにまかせたかった神は、アダムを適任の管理者として作り上げたのです。その後イブはアダムのあばらから生まれ、二人はエデンで愛を育みます。

その後、アダムとイブは蛇にそそのかされ神が禁じていた知恵の木の実を食べてしまいます。それが神の怒りにふれ、これが人類の原罪とされるようになりました。そのまま彼らはエデンを追放されました。

ノアと神の怒り。世界の終焉と再生

神は人が知恵をつけ、怠惰におぼれ堕落していく姿を憂いていました。そしてとうとう耐えられなくなった神は、自ら作り上げた人間を滅ぼすことにしたのです。

神はそれでも救済策として新世界を作ることを目論んでいました。そこで人間であるノアに箱舟を作らせ、動物のつがいを集めさせたのです。その後神は大雨を降らせ、世界で大洪水が起こりました。

雨が上がったあと、そこから人間と動物たちの再生が始まります。ここまでが、システィーナ礼拝堂の天井画に描かれている神の創世記の場面になります。

実際の天井画と照らし合わせてみると、天井中央部にこれらのシーン(天地創造→アダムとイブの創造と追放→ノアの大洪水と再生)が3場面ずつ描かれています。ちなみに、祭壇側から入口の方を向いて立ち、見上げるようにするのが正しい向き。システィーナ礼拝堂を訪れた時は、間違えないように注意しましょう。

システィーナ礼拝堂天井画を描いた画家は?

システィーナ礼拝堂天井画は、中世ヨーロッパのルネサンス絵画の最高峰ともいうべき大変優れた作品です。そんな人類史に残る絵画を製作したのはいったい誰なのでしょうか?

巨匠・ミケランジェロの作品

システィーナ礼拝堂天井画を描き上げたミケランジェロは、本名をミケランジェロ・ディ・ロドヴィーコ・ブオナローティ・シモーニと言います。同時代に活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロと並び「ルネサンスの三大巨匠」とも称される偉大な芸術家です。

ミケランジェロは1508年に教皇と契約を結び、天井画の制作に取り掛かります。このときミケランジェロは33歳でした。

天井に向かって絵を描き続けるという想像するだけで大変な事業を、ミケランジェロはその卓越した才能でもって4年という月日を経て完成させました。

祭壇画の最後の審判にも注目

ミケランジェロは天井画以外にもシスティーナ礼拝堂に素晴らしい作品を残しています。それが祭壇壁画である『最後の審判』。これは神が世界の終焉を告げる様子を描いた作品です。

天井画と並び、ミケランジェロが遺した絵画の最高傑作と呼ばれる作品です。

システィーナ礼拝堂天井画の大きさは?

システィーナ礼拝堂天井画は巨大なことで知られていますが、実際にはどのくらいの大きさなのでしょうか。

一片40mの巨大天井画

システィーナ礼拝堂天井画は40m×14mもある巨大な作品です。見上げれば天井の隅から隅まで絵画で仕上げられており、そのすべての内容を把握するのには時間を要します。

また、先述した最後の審判の壁画は14m×12mありますので、1辺がおよそ3倍ほどの大きさということになります。システィーナ礼拝堂天井画の大きさにも驚きますが、その後にまた巨大壁画をわずか4年で仕上げたミケランジェロの力量に脱帽です。

システィーナ礼拝堂天井画を観る方法を紹介

システィーナ礼拝堂天井画は人気のため、連日多くの観光客が訪れます。ここではシスティーナ礼拝堂天井画を観るための方法を紹介します。

当日チケットを買う

システィーナ礼拝堂の入場チケットは当日でも購入可能です。システィーナ礼拝堂だけを観ることはできず、バチカン美術館の見学もセットになります。

チケット代は大人で16ユーロ(およそ日本円で1,900円ほど)、子供で8ユーロです。なお、当日販売はかなり混み合うため、事前に予約をしていたほうがいいかもしれません。

ツアーで申し込む

システィーナ礼拝堂の見学を組み込んだツアーも人気です。確実に見所を押さえることができるので、美術に詳しくない方や海外旅行に慣れていない方はこの方法がおすすめです。

事前申し込みをする

自身の海外旅行のプランにシスティーナ礼拝堂天井画鑑賞を加えるのであれば、あらかじめチケットだけ予約をしておくことをおすすめします。予約はバチカン美術館の公式サイトでできます。

バチカン美術館の公式サイトはこちら

システィーナ礼拝堂天井画は人生で一度は見たい芸術品

システィーナ礼拝堂天井画は、ルネサンス芸術を代表する作品として名高い、圧巻の西洋美術の結晶です。一生に一度は見てみたい最高傑作を、ぜひ実際の自分の目に焼きつけてみてください。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME