世界遺産コロッセオ。イタリア屈指の観光地の真価とは?

2019.08.12

ローマを訪れたら是非とも見学したいコロッセオは、イタリアで最も多くの観光客を集めるスポットです。この記事では、世界遺産にも登録された古代遺跡コロッセオの歴史とその価値についてご紹介します。

世界遺産コロッセオの歴史

コロッセオは、バチカン市国とテルミニ駅のあいだに位置する遺跡群フォロ・ロマーノの南に隣接し、ローマの悠久の歴史を見つめ続けた巨大遺跡です。まずは世界遺産に登録されるまでのコロッセオの歴史を振り返ってみましょう。

コロッセオとは

コロッセオは、起源1世紀、帝政ローマ前期に建設された円形闘技場です。奴隷や捕虜がつとめたとされる剣闘士同士の戦いや、剣闘士と猛獣との戦い、あるいは犯罪人の処刑をスペクタクルとして公開し、長い平和を享受していたローマの人々に娯楽を提供しました。美しいアーチが連なる4階立て、高さ約48メートルにも及ぶ巨大建造物で、一説によると5万もの人々を収容したとされます。

コロッセオが世界遺産に登録されるまで

ローマ帝国でキリスト教が普及するにつれて、コロッセオでの残虐な見世物は衰退していきました。巨大なコロッセオの建築素材は、中世を通じて再利用され、一種の採石場と化したそうです。そのため、闘技場の楕円の半分ほどは欠けてしまっています。しかし、初期キリスト教徒の殉教の地と信じられるようになったコロッセオは、18世紀の教皇ベネディクトゥス14世によって保存の命が下されます。以来、発掘調査や補修が長年にわたって行われてきました。

世界遺産に選ばれるには

コロッセオは、早くも登録が始まった3年目の1980年に、世界遺産として選定されました。そもそも、世界遺産とはどのような制度なのでしょうか。一度振り返ってみましょう。

世界遺産とは

世界遺産とは、1972年にユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づいて、全人類が共有して守っていくべき遺産として定められる有形の不動産です。記念物や遺跡、建造物、文化的景観が含まれる「文化遺産」と、地形や地質、生態系、生息地などを指す「自然遺産」、その二つが組み合わさった「複合遺産」に分類されます。

世界遺産の厳しい選定基準

ある場所や建物が世界遺産に選ばれるためには、大きく分けて3つの厳しい基準をクリアしなくては行けません。

第1に、ユネスコが発表している10の登録基準のうち少なくとも1つに当てはまるかどうか。

第2に、個々の構成要件の、遺産全体の価値証明との関連性の高さを示す「完全性」、そして、デザインや材質、機能が本来の価値を保持しているかを示す「真正性」の両者を満たしているかどうか。

第3に、適切な保護活動が行われているかどうか。その全てが検討されます。

公益財団法人日本ユネスコ協会連盟:世界遺産の登録基準

コロッセオが世界遺産となった理由

コロッセオは、「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ」の構成要素の1つとして世界遺産に登録されています。ユネスコが認めたコロッセオの価値とは、いかなるものだったのでしょうか。

登録基準の5項目に該当

コロッセオを含む世界遺産「ローマ歴史地区」は、古代ローマ帝国だけでなく、キリスト教カトリックの総本山として発展した17世紀頃までの著名な遺跡や建造物を構成要件として含みます。そのため、この世界遺産が継承する文明、文化、歴史の範囲は極めて広く、ユネスコが提唱する登録基準10項目のうち5項目もが当てはまるとされています。

UNESCO:Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura

コロッセオは欠かせない構成要件

「ローマ歴史地区」では、古代帝国の首都からカトリック総本山へと形を変えて発展してきた都市ローマの歴史的なダイナミズムそのものにも、世界遺産としての価値が認められています。そのため、コロッセオは、先に述べたように建設当時の姿をとどめてはいませんが、ローマ帝政期の娯楽施設としてだけでなく、後キリスト教の聖地として保存されてきた、その歴史にも価値が見出されていると言え、欠かすことのできない構成要件となっています。

一度は訪れたい世界遺産コロッセオ

血なまぐさい闘技場として建設されたコロッセオは、キリスト教の時代を通しても生き残り、現在の私たちにもその雄姿を見せてくれています。世界遺産の構成要素としてその歴史を振り返ると、見学にもより深みが感じられるのではないでしょうか?

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