今さら聞けない手塚治虫の凄さ。代表作品とともに紹介

2019.08.11

日本が世界に誇る漫画界・アニメ界の巨匠手塚治虫(てづかおさむ)。手塚治虫は、戦後の日本を勇気づけるようなテーマから、人類共通する不変的なテーマ、未来を予想し人類に警鐘を鳴らすようなテーマなど多岐にわたる題材をもとに、数多くの名作を世に残しました。この記事では手塚作品の中から代表作品をピックアップして、背景などを織り交ぜながらご紹介します。

日本の漫画やアニメの基礎を作る

(画像はイメージ)

戦後1946年に漫画家としてデビューした手塚治虫は、当時医学部の学生でした。戦争中、いつでも死が隣り合わせだった自身の体験と、医師として身近だった死の意識をもとに、終始「生命の尊さ」をテーマとした作品をつくりました。その後、ディズニー好きだった手塚は、自身のアニメ制作会社をつくり、数多くのアニメ作品も残します。

どろろに見る貴種流離譚~ストーリー漫画の礎

1967年に連載開始されたどろろは、戦国時代が舞台。妖怪に体の48か所を奪われた少年・百鬼丸と、どろろという泥棒少年が魔物退治をしながら旅を続けるストーリー。実は百鬼丸は武士の息子で、親元を離れて世間の荒波にもまれながら成長していくお話です。 少年の心にも響く分かりやすいストーリーは、戦後、4コマ漫画など単純さが主流だった漫画の中では、異色で話題を呼びました。また、登場する妖怪がすべてオリジナルということも、少年たちに人気があった秘密です。

  • 作品名:どろろ 全3巻完結
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旧約聖書物語~海外オファーで作られたアニメ

手塚の作品は、生前から、日本だけでなく、アジア、ヨーロッパ、アメリカに輸出され人気を博しました。イタリアのテレビ局から持ち込まれた企画が、なんと聖書をアニメ化しないか?というもの。 キリスト教徒ではないのに作品にしていいのか?と手塚は悩んだそうですが、10年を超えて制作された本編は、途中で手塚自身が死去したものの、手塚プロダクションの手で完成され放送されました。やはり海外にも輸出され、子供だけでなく大人にも楽しめる作品として残っています。

  • 作品名:旧約聖書物語 全3巻完結
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未来を予想!?現代に通じる壮大なテーマ

手塚治虫の作品に共通するのは、昭和の時代に、令和の現代を見据えたようなテーマが設定されていること。人類共通の不変的なテーマもあれば、まるで未来を予想したような問題点も盛り込まれています。

ブッダで分かりやすく、差別と生死を考える

1972年に連載開始されたブッダは、仏教の祖・ブッダの子供のころから悟りを開くまでをストーリーにしたもの。様々な階層の人種も違う人間が登場し、差別や人の生死に悩む物語です。 手塚は、世界中の人々の「基本的人権を貶めてはならない」と考えており、ブッダのお話も独自の解釈と架空の人物を登場させることで、自身のテーマを強く打ち出しました。

  • 作品名:ブッダ 全14巻完結
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火の鳥のテーマは、輪廻転生と未来

火の鳥は、手塚のライフワークともいえる作品で、約30年、全11篇に分かれた制作されました。いずれのお話も「その血を飲むと永遠の命が手に入る」とされた火の鳥が登場しますが、過去、現代、未来と時間軸が入り混じったストーリー展開で、輪廻転生(生まれ変わり)と言われる祖先から子供、孫へとつなげていく命がテーマになっています。 また、ロボットと人間やクローン技術、遺伝子操作など、まさに現代に起こっている倫理の問題もとりあげ、十分おとなが楽しめる漫画です。 ちなみに、全編どのお話から読んでも楽しめるように構成されていて、あえて「●巻」と数字をふっていないことが特徴です。

  • 作品名:火の鳥 全16巻完結
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今に残る歴史的作品を探す

ただ楽しい、おもしろい、ワクワクする、だけではない、手塚治虫作品の特長を紹介しました。今すぐ読める、見ることができるものもありますが、数多くの作品を系統だけて調べたり読んだりする方法を紹介しましょう。

公式ウェブサイトで過去作品を調べる

手塚治虫公式ウェブサイトでは、数多くある漫画とアニメーションに分けた手塚の作品を紹介、電子書籍で読んだり見たりできるようになっています。 また、発表された年表に分けて紹介されていて、当時の社会情勢などと照らし合わせながら作品を読むと、より興味が増すはず。 ほかにも、手塚本人の紹介や年譜などもあり、手塚治虫研究の第一級の資料がすべてそろっている、と言っても過言でないでしょう。

手塚治虫公式HP:こちら

手塚治虫記念館で、製作秘話を知る

大阪生まれの手塚が、5歳から24歳を過ごした宝塚市に手塚治虫記念館はあります。手塚の製作の秘密がわかる資料や、日々使用されていた製作道具が展示され、手塚の息遣いが感じられます。 また、全漫画作品のほかに、海外出版されたもの、一般公開されていない実験アニメなど、なかなか見ることのできないものも網羅されていて、初めて行く人も、マニアの人も楽しめる展示と資料がそろっています。

手塚治虫記念館公式HP:こちら

今でもまったく古びていない真摯なテーマ

手塚治虫の凄さは、技術的な側面ももちろんありますが、恐らく描こうとしたテーマの深さや普遍性ではないでしょうか。幼少期に読んだ事がある方も、大人になった今改めて読み返してみると、その凄さにきっと気付くことでしょう。今も、恐らく将来も古びることのない、巨匠・手塚治虫の漫画作品やアニメ作品をもう一度読んでみることを是非おすすめします。

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