生涯作品数は1000以上!?ピアノの魔術師リストの代表作とは?

2019.08.11

ピアノの魔術師といわれたフランツ・リスト(1811年~1886年)は、ハンガリー出身のロマン派を代表する作曲家・ピアニストです。編曲した作品を入れると生涯に書いた作品数は1,000曲を超えるほどあります。その中から代表作をご紹介いたします。

リストといえば超絶技巧

リストは20歳の時にヴァイオリンの鬼才パガニーニの演奏を聴いて衝撃を受け「ピアノ歌界のパガニーニになる」と叫び、ピアノの練習に打ち込んだと言われています。大変な努力の末、リストは超絶技巧を身につけました。

「パガニーニによる大練習曲」

初版の「パガニーニによる超絶技巧練習曲」は、あまりにも難曲すぎて、もはやリストにしか弾きこなせないものでした。その後10年以上の歳月をかけて大幅に手を加えた改訂版「パガニーニによる大練習曲」が完成しました。

第3曲「ラ・カンパネラ」嬰ト短調

原曲はパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調の第3楽章です。鐘を模した響きは原曲を遥かに超えた見事な効果をもたらし、超絶技巧と相まって他に類のない作品であり、リストの代表作です。

第5曲「狩り」ホ長調

原曲はパガニーニの「24のカプリース」第9曲。明るく軽快な音楽です。当時としては珍しい重音のグリッサンドがあります。

第6曲「主題と変奏」イ短調

原曲はパガニーニの「24のカプリース」第24曲。リストの他にもブラームス、ラフマニノフ、シマノフスキ、ルトスワフスキなど多くの作曲家が魅了され変奏曲を書きました。原曲に忠実に11の変奏とコーダから成っています。

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超絶技巧練習曲

2度の改訂を経て完成した作品です。12曲からなるこの練習曲からリストがいかにピアノの達人であるかが分かります。高度な演奏技術が必要というだけではなく、芸術作品としてレベルの高い作品です。この作品は恩師のカール・ツェルニーに献呈されたと言われています。

第4番マゼッパ ニ短調

この曲は、ヴォクトル・ユーゴーの叙情詩「マゼッパ」からインスピレーションを得て書かれたといわれます。曲集の中で一番有名で人気があります。オーケストラが題材の「のだめカンタービレ」でも取り上げられています。

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ハンガリー狂詩曲

全19曲から成るジプシーの音楽の要素を取り入れた名曲です。民族楽器ツィンバロンを模倣したパッセージが登場します。前半のテンポが遅く重々しい「ラッサン」から後半のテンポが速く躍動的な「フリスカ」へと徐々に速度を上げて踊り狂う様を表現しています。

第2番

曲集で一番有名で人気のある曲です。インパクトのある冒頭から印象的なラッサンが続き、フリスカでは「クシコスポスト」の一部分が出てきます。随所にカデンツァを挿入する箇所があり、ホロヴィッツやラフマニノフによるアレンジが有名です。

メフィスト・ワルツ

全4曲から成り作品。メフィストとはゲーテの戯曲「ファウスト」に登場する悪魔の名前です。若い頃から崇拝していたゲーテからインスピレーションを得て書かれた作品です。

第1番「村の居酒屋での踊り」

4曲中最も有名な曲は第1番です。悪魔の音階といわれてる三全音(トライトーン)が効果的に使用され、技巧的で華やかな曲です。ナイチンゲールが鳴く森では甘美な旋律が歌われます。特に後半は大きな跳躍があり人間の限界に挑むような難曲です。

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ロ短調ソナタ

リストのピアノ曲の最高傑作と評される作品です。ソナタ形式を用いた単一楽章で成り立っているという当時では型破りな作品であることでも有名です。シューベルトの「さすらい人幻想曲」から影響を受けて書かれたともいわれています。

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叙情性のある美しい曲

リストはピアノのヴィルトゥオーゾ(達人)でしたので、作品の技巧に注目されることが多いですが、リストの内面の美しさを反映した作品もたくさんあります。

3つの演奏会用練習曲

「パガニーニによる大練習曲集」や「超絶技巧練習曲」のようなヴィルトゥオーゾのための練習曲ではなく、サロン風で学習者が発表会などで挑戦できる美しい作品です。

第3曲「ため息」

「Un sospiro」というイタリア語のタイトルが出版社によって付けられました。ショパンと同様、練習曲とは思えない芸術性の高い作品です。両手の大きなアルペジオにのって休符を挟んだ短い音がため息を表すかのように旋律がうたわれます。

巡礼の年 第3年

この作品は晩年に書かれたものですが、リストは人生の旅路の中で見たものや経験したことの中から様々なインスピレーションを得て作品に反映させています。

第4曲「エステ荘の噴水」

イタリアのティボリにある貴族の別邸「エステ荘」の噴水庭園は、東京ドームと同じくらいの面積があり、100以上の様々な噴水があります。この作品はこれらの噴水からインスピレーションを得て書かれたと言われています。印象派の領域にまで到達し、ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」に影響を与えました。

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広く親しまれている名曲

リストのピアノ作品は上級者向きのものが多いですが、代表作の「愛の夢  第3番」はピアノ愛好家、ピアノ学習者、クラシックを聴かない人からも広く親しまれています。

3つの夜想曲「愛の夢 」

リストの一つ年上のショパンが亡くなった時期に書かれた作品です。まるでショパンの死を弔うような、ショパンを彷彿させるノクターン(夜想曲)です。

愛の夢 第3番

愛の夢 第3番はリストの作品の中で最も有名な代表作と言えるでしょう。もともとは歌曲として作曲した3つの曲をリスト自身がピアノ独奏用に編曲しました。甘美な旋律と和声が魅力です。

コンソレーション(慰め)

原題はフランス語でコンソレーション。日本語で「慰め」と題される6つの小品から成っています。

第3番 変ニ長調

6曲中、最も有名な曲です。初めてリストの作品を弾く曲としておすすめです。甘美な旋律はショパンのノクターンと共通していて、ハーモニーの響きも魅惑的。アンコールにもうってつけの作品です。

歴代最高のピアニストであり良き指導者

リストは超絶技巧の持ち主でありながら容姿も端麗でした。彼の演奏を聴いた女性が次々と失神したとも言われています。ピアノの魔術師と評されたフランツ・リストは圧倒的な演奏技術で聴衆を虜にしながら、教育者としても知られ、ハンス・フォン・ビューローをはじめとする多くの弟子を育てました。フランツ・リストの作品に興味が出た方は、ぜひ一度聴いてみてはいかがでしょうか?

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