大人にこそ読んでほしい歴史漫画12選。時代や国別のおすすめ作品

2019.08.08

ストーリーが視覚化され、活き活きと描かれる歴史漫画は、物語を楽しみながら歴史の学習もできる特徴があります。漫画として読むことで歴史への苦手意識が消え、内容を理解しやすくなるでしょう。おすすめの人気歴史漫画を紹介します。

歴史漫画はなぜおすすめなのか

歴史漫画を読むことのメリットを考えてみましょう。

勉強のきっかけにしやすい

歴史漫画は、苦手意識を持たれやすい歴史というジャンルを漫画という読みやすい形で表現しているため、歴史を勉強するきっかけにしやすいといえます。

漫画は若年層に人気のある娯楽媒体の一つです。歴史を難しくとらえがちな学生にとって、漫画を通して歴史に触れられることは、歴史に対する抵抗感を取り除いてくれる可能性があるといえるでしょう。

もちろん、真剣に歴史に取り組む段階では、歴史漫画を読むだけでは限界があります。しかし、歴史に苦手意識を持つ人にとって、勉強への取っ掛かりになりやすい側面を持つこともまた事実です。

さらに、歴史は他の科目と異なり、漫画との相性がとても良いことも特徴として挙げられます。勉強自体が嫌いな人にとって、歴史だけでも取り組みやすくなることは大きなメリットといえるでしょう。

流れがわかりやすく大人にもおすすめ

歴史漫画を読むことは、歴史の学習を避けて通れない学生だけでなく、歴史を学びたい大人にとってもおすすめです。

学生自体におろそかにしていた歴史の勉強をあらためて始めたい人や、歴史の分野で教養を深めたい人は、歴史漫画を読むことである程度の目標を達成できるでしょう。

歴史漫画の中では、歴史のストーリーが漫画により視覚化され、歴史の流れを頭に落とし込みやすくなります。全体の流れが理解できれば、細部にわたることに関しても理解しやすくなり、結果として記憶に定着しやすくなるはずです。

漫画を通して登場人物に感情移入できることも、歴史への理解を助ける要素の一つとなります。理解が深まれば新たな興味もわきやすくなり、ますます歴史が好きになることにもつながるでしょう。

古代から朝廷政治時代の人気歴史漫画

飛鳥・奈良・平安・鎌倉時代を舞台に描かれたおすすめ歴史漫画を3点紹介します。

長屋王を描いた「長屋王残照記」

『長屋王残照記』は、持統天皇を描いた『天上の虹』や『古事記』の漫画版など、古代の歴史漫画を多く手がける里中満智子が送る長屋王の一代記です。

当作品は、著者が手がけた『天上の虹』のサイドストーリーとして設定されていますが、この作品だけでも十分に楽しめる内容となっています。

長屋王は、飛鳥時代から奈良時代にかけて政界の重鎮として活躍した、皇族出身の人物です。対立する藤原氏の策略とされる『長屋王の変』により、非業の死を遂げたことで知られています。

不器用な長屋王と器用な藤原不比等の対比が面白く描かれ、歴史に埋もれていた事件が分かりやすく理解できる作品です。

  • 商品名:長屋王残照記(1)
  • 価格:617円(税込)
  • Amazon:商品リンク

源氏物語を漫画化した「あさきゆめみし」

『あさきゆめみし』は、紫式部により書かれた平安時代を代表する小説『源氏物語』を漫画化した作品です。

源氏物語は、原文をはじめ、瀬戸内寂聴や与謝野晶子が発表した現代語訳もありますが、いずれもそのまま読むには敷居が高い作品です。しかし、『あさきゆめみし』は、源氏物語の基本的な世界観やストーリーを理解するうえで、とても役に立つ歴史漫画といえます。

当作品自体の完成度も高く、原作や小説において言葉だけで描写しにくい部分を、視覚的に分かりやすく表現しています。

光源氏を取り巻く女性たちの生の人間としての喜びや悲しみが、ひしひしと伝わってくることも優れた点として挙げられ、随所に深い感動が得られるでしょう。

  • 商品名:あさきゆめみし(1)
  • 価格:713円(税込)
  • Amazon:商品リンク

元寇を扱った作品「アンゴルモア」

『アンゴルモア』は、鎌倉時代に起きたモンゴル軍による日本侵攻作戦『元寇』を題材とした歴史漫画です。

元寇に立ち向かう対馬を舞台とし、鎌倉の侍で罪人となった主人公と対馬の人々が力を合わせ、襲来する元軍と戦う様子が描かれています。

現代人のメンタリティとは異なる武士の主人公を通し、中世のしきたりや戦いのメンタルを描きながら、現代にも通ずる人間にとっての普遍的なものを再確認させられる物語です。

教科書では、元寇は2回とも嵐により失敗したとされていますが、最近の研究では『神風』ではなく武士の頑張りで抵抗が実ったという説が主流です。

『アンゴルモア』でも最新の史実が反映され、歴史における『if』の要素も含め、読み応えのある展開が楽しめます。

  • 商品名:アンゴルモア 元寇合戦記(1)
  • 価格:626円(税込)
  • Amazon:商品リンク

戦国時代以降の人気歴史漫画

戦国時代以降の日本を舞台とした歴史漫画の中で、おすすめの本を3冊紹介します。

緻密な時代考証の「センゴク」

戦国時代といわれて一般的に浮かぶイメージは、大将が先頭に立って槍を振りかざし、騎馬隊が敵に突撃し、武者たちが刀を抜いて激しい戦闘を繰り広げるといった光景でしょう。

しかし、実際の戦場では、馬に乗りながらの槍や刀は使い物にならず、最強の武器は弓であったとされています。歴史漫画『センゴク』は、緻密な時代考証による『リアルな戦場』を追求した作品です。

戦場の描写以外にも、人や馬の忠実な頭身の描写や戦場での携帯食の話など、細部にまでリアリティを求める作風が読む人を飽きさせません。

戦国史の中でもかなりマイナーな、仙石権兵衛秀久という人物を主人公とした物語ですが、漫画としてのストーリーやキャラクターの出来も良く、武将や歴史に詳しくない人でも十分に楽しめる作品です。

新撰組(新選組)を扱った「ちるらん 新撰組鎮魂歌」

その鮮烈な生き様がドラマや映画で今も描かれ続けている新撰組(新選組)は、漫画の題材としても数多く扱われています。

史実に近いものや、フィクションを交えつつも史実の要素を多く取り入れているものなど、人物や時代背景に対する解釈もさまざまですが、その中でも『ちるらん 新撰組鎮魂歌』は、意外な人物設定が特徴的な新撰組漫画です。

個性的で人間臭い登場人物がそれぞれ独自の技を披露し、協力し合って勝ち抜いていくという、正統派漫画ともいえる魅力を楽しめます。

一方で、新撰組の通なら分かるツボも随所にしっかりとおさえられ、史実との絶妙なバランスが保たれたストーリーであることも魅力です。新撰組ファンはもちろん、そうでない人にとっても満足できる作品といえます。

  • 商品名:ちるらん新撰組鎮魂歌 1
  • 価格:607円(税込)
  • Amazon:商品リンク

昭和天皇の生き様を描く「昭和天皇物語」

『昭和天皇物語』は、波乱の時代を生きた昭和天皇と、昭和天皇を取り巻く人間たちのドラマが描かれた歴史漫画です。

多少の脚色はあるものの、政治と軍事の一切を背負った昭和天皇の生涯を漫画で描くという、これまでありそうでなかったテーマに挑戦した画期的な作品です。

昭和天皇の人生を追うことで、日本人にとって昭和の時代、昭和の戦争とは何だったのかについて、理解を深められます。日本人として一度は目を通しておきたい作品といえるでしょう。

  • 商品名:昭和天皇物語 (1)
  • 価格:648円(税込)
  • Amazon:商品リンク

中国が題材の人気歴史漫画

中国を舞台とした人気歴史漫画の中で、おすすめの作品を3点紹介します。

人気の高い「キングダム」

中国の春秋戦国時代を描いた『キングダム』は、中国の初代皇帝である秦の始皇帝が中華を統一するまでの話です。漫画雑誌への連載開始後10年以上経った今でも高い人気を誇る歴史漫画です。

苛烈な戦乱の世に生きながら大将軍になることを夢見る奴隷の少年を主人公とし、秦の王子を暗殺の魔の手から救いつつ、共に天下統一を目指すストーリーが展開されます。

序盤を抜け史実に絡みだすあたりから一気に面白くなり、戦闘も丁寧に描かれているため読み応えがあります。感情移入しやすい登場人物による名言の数々も必見です。

中国史に関する前提知識がなくてもスラスラ読め、細かい矛盾を吹き飛ばすほどの筆力に圧倒される作品といえるでしょう。

  • 商品名:キングダム 1
  • 価格:545円(税込)
  • Amazon:商品ページ

項羽と劉邦を描いた「赤龍王」

『赤龍王』は、民衆が始皇帝の圧制や重税に苦しんでいた頃の秦帝国を舞台とし、項羽、韓信、張良といった秦を倒そうとする英傑たちと、後に『漢』を築く劉邦を描いた物語です。

始皇帝が登場する漫画は数多くありますが、歴史書の描写に極めて忠実な、他では見られない迫力ある帝王としての始皇帝に圧倒される内容です。

人間離れした項羽の凄まじい戦ぶりは、激烈な戦闘シーンの描写もあって正に『鬼神』といえます。その項羽が、故事成語としても知られる『四面楚歌』で己の天命を悟り、最後に己の激烈な生きざまを示すというストーリーです。

人気歴史漫画『キングダム』後の中華の歴史を、人間味あふれる男たちの描写と共に学べる作品です。

  • 商品名:赤龍王 第1巻 Kindle版
  • 価格:486円(税込)
  • Amazon:商品リンク

古典小説が原作の「封神演義」

『封神演義』の原作は、古代中国の殷周革命を描いた中国古典文学です。儒教以前の中国文化が存在する時代を背景とし、超自然的な力を持った仙人や道士が活躍する物語です。

古代中国を舞台にしつつも、現代用語やSF要素、他作品のパロディなどを次々と盛り込み、ハイレベルで融合させた読みやすい内容となっています。

主人公の太公望という仙人の青年が、悪しき仙人や道士を封印する『封神計画』という任務を受け、持ち前の天才的な頭脳でとんちをきかせて仲間を増やし、皆それぞれに成長していきます。人間同士の国取り合戦まで絡んだ、スケールの大きな作品です。

  • 商品名:封神演義 1(文庫版)
  • 価格:788円(税込)
  • Amazon:商品リンク

ヨーロッパが題材の人気歴史漫画

ヨーロッパを舞台としたおすすめ歴史漫画を厳選して3点紹介します。

安定した人気の「ヒストリエ」

『ヒストリエ』は、紀元前4世紀のマケドニア王国を舞台とし、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの生涯を描いた歴史大作です。

実在した人物でありながら歴史の表舞台には登場しないエウメネスを主役にしたところが、本作の魅力の一つともいえるでしょう。

蛮族の出身であることを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスが、自分の出自を知り奴隷の身分に落とされ、彼の波乱に満ちたストーリーが展開されていきます。

張り巡らされた伏線、時系列を自在に行き来する巧みな構成、そして一筋縄ではいかない登場人物など、見所が満載の歴史漫画です。

ローマが舞台の「アド・アストラ」

『アド・アストラ』は、歴史上でも名高い、ローマとカルタゴの『第二次ポエニ戦争』を扱った大河ロマンです。カルタゴの名将ハンニバルと大スキピオの因縁の戦いが描かれています。

いわゆる英雄譚ではありますが、それぞれの背景がきちんと描かれ、置かれた立場を始点にした戦略が展開されます。歴史的背景や衣装なども綿密に調べられており、作者や編集のリアリティを追求した熱意がうかがえる作品です。

第二次ポエニ戦争という史実のエピソードは、歴史上でも屈指の人気を誇ります。怪物ハンニバルと救国の天才スキピオの対決を、大きな脚色なく魅力的かつ壮大に描いている歴史漫画です。

  • 商品名:アド・アストラ 1 ―スキピオとハンニバル―
  • 価格:648円(税込)
  • Amazon:商品リンク

バイキングを描いた「ヴィンランド・サガ」

『ヴィンランド・サガ』は、戦争と奴隷に象徴される11世紀のヨーロッパ各地で侵略と略奪をくり返す、後にバイキングと呼ばれる者たちの物語です。

主人公の少年トルフィンは、父親の仇であるバイキングの部下となり、いつの日か仇を取るために戦地を巡ります。強者こそ勝者である世界で、何が正しいのか、本当の戦士とは何なのかを、物語の中で考え、悩み、紐解いていきます。

史実をベースに話が展開していくため、バイキングや西洋の戦記物など、ヨーロッパ史が好きな人はより楽しめるでしょう。

  • 商品名:ヴィンランド・サガ(1)
  • 価格:534円(税込)
  • Amazon:商品リンク

漫画で楽しく歴史を学ぼう

楽しく読める歴史漫画は、歴史が苦手な人にとって歴史を勉強するきっかけになり得ます。また、漫画で視覚化されたストーリーの流れがわかりやすく、歴史を楽しく学べるため、大人にもおすすめです。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME