盆栽に向いた桜の種類は?作り方や育て方のポイントとともに紹介

2019.08.08

盆栽は日本人の心とも言える文化です。中でも春にぴったりの花物盆栽として『桜盆栽』が大きなブームを巻き起こしています。年間を通してその魅力を楽しむことができるため、どの季節にもおすすめの鉢なのです。今回は、この桜盆栽についてご紹介します。

桜盆栽の種類とは

桜盆栽には、どのような種類があるのでしょうか。最初に、桜盆栽の種類についてみていきましょう。

人気の高い桜盆栽

桜盆栽の人気の理由は、やはり日本人の心に染み入る樹木であることが第一でしょう。春になるとこぞって花見へ出かけますが、盆栽であれば花を間近で愛でることもでき、室内にいながら風情豊かな花見を満喫できます。

一般的に、桜は盆栽として育てるには難しい樹種です。ですが、コツさえつかめば手入れは意外に簡単で、初心者であっても1年を通して楽しむことができる盆栽でもあるのです。

主な桜の種類

盆栽の世界では、世間一般的に知られている染井吉野(ソメイヨシノ)はあまり使われません。花が大きく、葉も大きいため、盆栽として小さな鉢で育てるのに向いていないためです。

桜の盆栽と言えば、山桜のひとつである富士桜で仕立てられたものが大半を占めています。豆桜の一種で、花や葉が小ぶりな富士桜は盆栽に仕立てるととても洗練した印象となり、風景に非常に映えます。

ほかにも桜の花の美しさや花の吹き方の美しさが際立っている一才桜、病気や害虫に強い山桜、花弁が多く華やかであでやかな印象の八重桜などが桜盆栽として楽しまれています。

桜盆栽の作り方

ここからは、桜盆栽の作り方を詳しく見ていきます。慣れないうちはプロに代行してもらったり、植木屋さんにやってもらったりしても良いでしょう。

必要な道具

道具として、1mm・4mm目のフルイ、股枝切り・盆栽バサミ、ヘラがついているピンセット、土入れ、根の古い土落としに使う菜ばしを準備します。

また、用具としては直径1~2mmのアルミ製の針金、蓮口のついているジョウロ、鉢底用のネット、素焼き鉢などで5号サイズの盆栽を仕立てるための鉢も用意しましょう。

鉢は、花の色や樹形に調和するものを選ぶと盆栽の仕上がりがぐんとよくなります。

作り方の流れ

苗を買ってきた後の鉢の作り方を見ていきましょう。

木の生育を優先させるため、最初と翌年のつぼみはすべて取ってしまいます。購入したらすぐに、根の土を落としながら丁寧に絡みをほどきます。絡まったままだと根腐れを起こす可能性があるので、最速で行いましょう。その際に、下に伸びている直根や勢いのある根は短く切りつめておきます。

用意した素焼きの5号鉢の底に、鉢底用のネット、赤玉土のゴロ、少量の用土の順序で入れて植え付けの準備をします。完成したら、苗の根を広げながら鉢に入れましょう。

その上からさらに用土を入れます。このとき、根のすき間にもしっかり土をいれてください。苗を押さえつけて定着させ、水やりをします。ここまでで、最初の作り方は終了です。その後は1週間~10日ほど、半日は陰へ入れて様子を見ましょう。

桜盆栽の育て方と注意点

植え付けがすんだら、いよいよ手入れを行って育てていかなくてはなりません。その際の注意点も併せて学んでおくといいでしょう。

置き場所と水やり

桜盆栽を育てる場所は、風通しの良い屋外がいいでしょう。冬場や梅雨は、日当たりの良い窓際へ入れてあげてください。室内でずっと育てる場合は、日中時々窓を開けるなど、風通しを良くしてあげると病気になりにくくなります。

水やりは日々のお世話で欠かせないパートです。夏場は土が乾きやすいので1日に2回、春や秋は天候を見ながら1日1回~2回、冬場は湿気が多いので2、3日に一度でOKです。盆栽の下から水が出るくらいがちょうどいい水やりの量です。

やり過ぎると根腐れするので、土の表面が乾いたら水を与えてください。

用土と肥料

盆栽用の用度としては、市販のものがたくさんあります。特に桜盆栽においては、『黒土3、赤玉土4、天神川砂または桐生砂3』がベストバランスだといわれています。

肥料は、桜の花が散った後と9~11月にあげるのが基本です。有機性の固形肥料を与えるだけなので、植え替えなどの必要はありません。

夏や真冬は盆栽に負担がかかってしまうため、肥料は与えないようにしてください。

虫や病気

桜の盆栽は虫がつきやすく、病気にもなりやすいのが特徴です。新芽や若葉が伸び出す春にはアブラムシが多く発生します。殺虫剤を散布して退散させましょう。カイガラムシが幹についているのを見つけたら、ブラシでこすり落としてください。

これらの虫への対処を行うのが苦手な人は、12月頃に前もって石灰硫黄合剤を規定量に薄めた物を用意し、それを散布しておくと効果的です。

桜盆栽がかかりやすい病気の一つが、根頭がんしゅ病です。根の先にできたこぶが肥大していって、木を弱らせてしまいます。予防策として、植え替えの度に新しい土を使用するのが効果的です。盆栽を守るため古い土は捨てて、必ず新しい土に交換してください。

植え替えや剪定について

最後に、桜盆栽を植え替える際のポイントと、剪定するときのコツについて紹介します。剪定には思い切りも必要ですが、しっかりした計算も必要です。正しい方法を知って、盆栽と長く付き合っていきましょう。

植え替えのポイント

桜盆栽は、根の生長が早いのが特徴で、若木はすぐに鉢の中に根が回ってします。そのため、毎年植替えをする必要があります。

植替えの適期は、霜が降りなくなった3月上旬から中旬頃です。植替えの際は、古土を取り除いて新たな土へ植え替えましょう。

植替えの際に、伸び出している古根や長く育った根を切り詰めます。こうすることで、細い根や新しい根が過ごしやすい環境を作れるのです。

芽摘みや剪定の方法について

5月頃に行う手入れとして、花から実になる前に芽を摘み取る芽摘みを行います。新しい芽が十分に育ったら、枝の根元に生えた芽の上で切り落とします。こうすることで栄養が提供される先を絞り、翌年に綺麗な花を咲かせてくれるのです。

剪定は、切り込みの傷も浅い2月上旬頃に行います。桜は枝の切り口から雑菌が入りやすく、腐ってしまいやすい樹木です。切り口には、墨汁や園芸用防腐剤などを塗ってカバーしましょう。

枝を垂直に切ると、水が出にくく病気になりにくい剪定ができます。

針金かけの役割

盆栽を仕立てるとき、どこから見てもきれいな形に仕上げるために必要なのが針金かけです。枝に針金をかけていき、延びる道筋をつけていきます。

6月は桜盆栽の枝が大きく伸びてしなやかになるため、針金をかけるのに適しています。バランスをいろいろな方向から見て、最もきれいな動きが出るように時間をかけながら慎重に針金をかけていきましょう。

盆栽においては、まっすぐ上に伸びるよりもやや下げ気味に外へ出ている枝が美しいといわれています。

桜の花は横や下を向くようにして開きますから、針金かけの段階でも枝の動きだけではなく、花の向きを考慮して行うことがきれいな盆栽作りへの第一歩となるのです。

桜盆栽での花見も楽しもう

桜盆栽は、花をつける春はもちろん、新緑の夏や、紅葉の秋、枝を楽しむ冬など、日本の四季の訪れを知らせてくれます。

鑑賞に適した盆栽を作るのには約3年ほどかかります。3年目の春に、やっと花を咲かせられるくらいに仕上がって、化粧鉢に入れ替えられるのです。時間がかかるぶん、完成したときの充実感は言い知れぬものがあります。

自分だけの桜盆栽を育て上げ、手塩にかけた花を見ながら花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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