「奇想の画家」と呼ばれた伊藤若冲。代表作と過去の展覧会まとめ

2019.08.07

「動植綵絵」や「釈迦三尊図」で有名な江戸時代の画家といえば、伊藤若冲です。美しい色彩と綿密な描写を用いて花鳥画を描くことを得意としており、現代でも多くのファンがいます。そこでこの記事では、伊藤若冲の作品や過去の展覧会をご紹介していきます。

伊藤 若冲とは

(画像はイメージ)

伊藤 若冲(いとう じゃくちゅう:1716年3月1日 -1800年10月27日)は江戸時代中期の京都にて活躍した絵師です。

写実的な技法を用いながらも、実際の風景ではなく頭の中で描いた奇抜な想像図を書き上げることから、「奇想の画家」と呼ばれています。

そんな伊藤若冲は、京都の青物問屋「枡屋」の長男として生まれました。23歳で家督を継ぎ、4代目枡屋 伊藤 源左衛門として商売を行っています。

ただ、商売を行うことにはあまり興味がなかったようで、40歳で早々と隠居し、絵師としての活動に没頭するようになります。

絵師としての伊藤若冲は、最初に狩野派の画法を学ぶと、突然その画法を捨て、模写に興味を持つようになりました。さらに模写にも飽きると、今度は実物写生に興味を持つようになります。

こうして様々な画法を習得していった結果、「写実的に想像図を書く」という独特の画風が可能になったと言われています。

伊藤 若冲の代表作、動植綵絵

(画像はイメージ)

「日出鳳凰図」や「百犬図」など、数々の名画を生み出した伊藤若冲ですが、特に有名なのが「動植綵絵」と「釈迦三尊像」です。

動植綵絵

動植綵絵とは、鳥、鳳凰、草花、魚介類などを様々な色彩と形態で描いた作品群の総称です。

1757年~1766年頃に描かれた30幅に及ぶ花鳥図の大作で、1889年に相国寺より宮内庁へ献上されました。

動植綵絵に描かれている植物、鳥、昆虫、魚貝などは、そのどれもが綿密な写生によって生き生きとしており、かつ、色鮮やかです。伊藤若冲の真骨頂があらわれた作品といえるでしょう。

釈迦三尊図

釈迦三尊図は、仏教におえる釈迦三尊像を描いた作品です。

釈迦如来像(中央)、文殊菩薩像(右)、普賢菩薩像(左)の三像が3幅にわたって描いています。1765年9月に動稙綵絵の大部分とともに相国寺に寄進され、現在でも同寺に保管されています。

極めて緻密に細部の文様が描いていますが、実は伊藤若冲は本物を見ていないのだそうです(高麗仏画の「釈迦三尊像」を忠実に模写したと考えられています)。

伊藤若冲展は東京や京都、アメリカで大人気

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伊藤若冲の展覧会は、日本国内はもちろんのこと、海外でも開催されています。

たとえば1989年には、アメリカ・ニューヨークとロサンジェルスで、2018年にはフランス・パリで開催されました。

また、2000年に京都の国立博物館にて没後200年を記念した開催された伊藤若冲展は、後の伊藤若冲ブームのきっかけとなりました。

さらに、2016年に東京都美術館で開催された「生誕300年記念 若冲展」では、「釈迦三尊図」と「動植綵絵」全30幅が同時公開されています。

これは東京初のことであり、当時は320分の入館待ち時間を記録するなど、大変な盛況ぶりでした。

とくに「動植綵絵」には大勢の人が殺到し、ゆっくり鑑賞できるような状況ではなかったと言われています。

奇想の画家、伊藤 若冲

(画像はイメージ)

画家にはそれぞれ特徴がありますが、伊藤若冲の場合は緻密な写生と美しい彩りがとても印象的です。代表作の動植綵絵や釈迦三尊図には、その特徴がよく表れています。

これらの作品は海外でも高い評価をえており、アメリカやフランスでも展覧会が開かれました。今後も折に触れて展覧会が開催されるでしょうから、まだ観たことがないという人はぜひ一度ご覧になってください。

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