プレミアム本格芋焼酎「魔王」ってどんなお酒?うまい理由や飲み方を解説

2019.08.10

本格芋焼酎『魔王』は、入手困難なプレミア焼酎の一つとして知られています。若者や女性など、焼酎が得意でない人でも飲みやすく造られていることが大きな魅力です。魔王の特徴や人気の理由、飲み方による味わいの違いなどを解説します。

焼酎・魔王とは

インパクトのある名前で知られる芋焼酎『魔王』は、プレミア焼酎の一つとしても有名です。魔王とはどのような焼酎なのか、概要を理解しておきましょう。

プレミア焼酎の一つ

希少性・クオリティ・販売価格の三つが高い焼酎は『プレミア焼酎』といわれます。

麦・米・芋それぞれの焼酎にプレミア焼酎と呼ばれる銘柄がありますが、中でも芋焼酎のプレミア焼酎は三つの銘柄あり、それぞれの頭文字から『3M』と呼ばれています。

『3M』は、『魔王』『森伊蔵(もりいぞう)』『村尾(むらお)』の三銘柄で、全て芋焼酎の名産地である鹿児島県産の焼酎です。

それぞれ一升瓶1本あたりの定価は約3000円ですが、購入する場所や購入手段によっては1万円を越えることもあるほどのプレミアがつきます。

クオリティを落とさないよう原料にこだわることで生産量が少なくなるため、市場に出回る量も少ないことがプレミアとして扱われる理由です。

名前の由来

長期間樽に貯蔵する洋酒は、熟成の段階で原酒に含まれる水分やアルコール分が樽からしみ出し、少しずつ原酒の量が減少していきます。

しみ出した分の酒は、昔から『天使の分け前』『天使の取り分』などと呼ばれ、貴重で縁起のよいものとされてきました。

『魔王』という名前は、天使を誘惑し、魔界へ最高級の酒を提供する悪魔たちによってもたらされた特別な酒、という意味で命名したとされています。

魔王が人気の理由

『魔王』が多くの人たちから支持を集める最大の理由は、芋焼酎独特の『芋くささ』を感じさせない、すっきりとした味わいにあります。

芋特有の甘みがおさえられたドライな飲み口であることに加え、フルーティーな香りと豊かでキレのある後味が堪能できることも魅力です。

また、魔王がもつ特徴の一つである『熟成』により、とてもまろやかな口当たりになるため、若者や女性、焼酎を飲み慣れない人にとっても、楽しみやすいという特徴があります。

アルコール感もほとんどなく、まるで水のように抵抗なく飲めることから、焼酎のイメージを変えたともいわれ、「革命的な焼酎」と評する声も少なくありません。

魔王の特徴とは

魔王の特徴は、一般的な芋焼酎とは一線を画した味わいにあります。人気の理由でもあるまろやかでフルーティーな味わいは、『黄麹』『減圧蒸留』『熟成』の三つが大きなポイントになっています。

麹は、デンプンを糖質に分解するはたらきを持ちます。麹がなければ原料から糖分を作れないため、焼酎を造るうえで欠かせないものです。

一般的に、焼酎に利用される麹は『黒麹』または『白麹』ですが、魔王では『黄麹』が仕込みに使われています。

黄麹は日本酒で使われている麹菌で、日本酒特有のフルーティーな香りを作る特徴があります。魔王のさわやかでフルーティーな香りは、使われている黄麹が主に醸し出すものなのです。

魔王は、業界の常識を覆し、黄麹で仕込みをすることにより、日本酒の『吟醸香』のような香りで幅広い支持を得て、現在の地位を確立しているともいえるでしょう。

減圧蒸留

魔王を含む本格焼酎で採用されている単式蒸留は、常圧蒸留と減圧蒸留の2種類に分類されます。

常圧蒸留は、酒本来の風味をより引き出すための蒸留方法です。雑味が含まれやすいですが、個性が分かりやすい特徴があります。

芋焼酎の場合は、ほとんどが常圧蒸留です。

一方で、減圧蒸留は、雑味をおさえてソフトに仕上げるための蒸留方法です。口当たりがよく豊かな香りが強調され、飲みやすい焼酎を造ることが可能になります。

大分の麦焼酎や熊本の米焼酎、そば焼酎など、芋焼酎以外の焼酎製造で主に採用されている方法です。

魔王は、ほとんどの芋焼酎で採用されている常圧蒸留ではなく、減圧蒸留を採用しています。蒸留方式でも従来の常識に反した手法を用いることで、他の芋焼酎にはない味わいを生み出しているのです。

熟成

ワインをはじめとした蒸留酒などでは、長い期間熟成を重ねた熟成酒が当たり前のように楽しまれています。

酒の熟成は、搾りたての粗さが取れ、口当たりがまろやかで落ち着いた香味を楽しめるようになることが特徴です。

焼酎でも、麦焼酎や米焼酎には熟成酒が比較的多くみられる一方で、芋焼酎は長期熟成には向かないと言われてきました。

しかし、魔王は製造してすぐに出荷せず、全ての製品を熟成させたうえで出荷しています。魔王のまろやかさやフルーティーな香味は、熟成によりさらに引き立てられているという側面があるのです。

魔王の種類と価格

魔王は、蔵元での直売は一切されておらず、全ての商品が正規販売店に卸されます。そこからさらにさまざまなルートで出回る上、常に品薄の状態で蔵元の製造も追いつかないため、定価とされる価格で入手することがかなり困難です。

魔王は、『720ml瓶』と『一升瓶』(1800ml)の2種類で販売されています。それぞれの価格相場を知ることで、できるだけ出費をおさえて入手できるようになるでしょう。

720ml瓶

720ml瓶は、『四合瓶』とも呼ばれるサイズの瓶です。一升が10合なので、一升瓶に対し5分の2サイズということになります。

一般的に、焼酎専業メーカーは一升瓶と五合瓶が主流で、日本酒は一升瓶と四合瓶が主流です。

四合という半端な割合が使われているのは、日本酒の販売が少量化し始めた当時、主流になりつつあったワインやウイスキーの一般的なサイズを意識したことが理由といわれています。

魔王の720ml瓶は、定価が1500円程度ですが、現在の市場相場価格は4000円前後となっています。一升瓶の半額程度になるため、一升瓶に比べ少し割高です。

一升瓶

一升瓶は、容量が1800mlサイズの瓶です。居酒屋などで店内に飾られているような、馴染みのある大きめの瓶です。

日本では、古くから酒や醤油を升で量り売りしていた歴史があり、日本酒・焼酎共に長らく一升瓶での販売が基本でしたが、消費量の低下に伴い需要を喚起するために、容量の少量化が進んだという経緯があります。

魔王の一升瓶は、定価が3000円程度ですが、市場相場価格は3倍ほどに跳ね上がり、1万円を超えて販売されている商品も多く見られます。

魔王の飲み方と味わい

魔王のラベルには、おすすめの飲み方が記載されています。それによると、『室温でそのまま』飲む方法と『氷を浮かべて』飲む方法が特におすすめで、『人肌温で温めて』飲む方法もおすすめです。

このことを踏まえ、『ストレート』『お湯割り』『ロック』といった、一般的な焼酎の飲み方で魔王を飲む場合、それぞれの味わいがどのように異なるのかを解説します。

ストレート

魔王で最もおすすめの飲み方はストレートであるといえるでしょう。

ストレートで飲むと、魔王の特徴である甘みやまろやかな口当たりの良さ、フルーティーな香りをダイレクトに味わえます。

ストレートの中でも、より特徴が引き立つ最もおすすめの飲み方は、ラベルにも記載がある『常温』です。

ラベルには、35~40度の人肌燗でもおすすめとの記載がありますが、魔王は温度が上がることで、芋焼酎本来の苦味や芋の風味が奥のほうから少しずつ顔を出してくるため、魔王の風味をそのまま味わいたい場合は常温がベストといえます。

お湯割り

お湯割りは、一般的な焼酎を飲む場合に人気の飲み方です。

特に、芋焼酎のお湯割りは、芋本来の苦味や『芋くささ』がより際立つため、芋焼酎ファンの中にはシーズンを通しお湯割りで飲む人も少なくありません。

魔王のお湯割りは、ラベルではおすすめされていませんが、芋の香りをおさえつつ、飲んだ後にしっかりと芋焼酎らしさを主張してくるような味わいを楽しめます。

お湯割りが好みで、普段の芋焼酎とは違った風味や香り、口当たりを楽しみたいという場合に、おすすめの飲み方といえるでしょう。

ロック

ラベルにもあるように、魔王はロックで飲むのもおすすめです。

氷を浮かべて冷やすことにより、フルーティーな香りがより引き立ち、飲んだ後の余韻も長く楽しめるようになります。

魔王の特徴である飲みやすさや風味はそのまま保たれるため、夏の暑い時期など、さっぱり飲みたいときに最適な飲み方ともいえるでしょう。

オンザロックを作る場合は、先に氷を入れ、後から魔王を注ぐことで、魔王がより冷やされやすくなります。

より美味しく味わうために、できれば氷の質にもこだわりましょう。美味しい水で作られた、市販のロックアイスが便利です。

白玉醸造について

 

魔王の蔵元である『白玉醸造』について、概要や魔王以外の銘柄を紹介します。

100年以上続く老舗

魔王を製造している会社は、鹿児島県肝属郡錦江町にある『白玉醸造(しらたまじょうぞう)合名会社』です。

創業は明治37(1904)年と、100年を超える歴史を持つ蔵元です。芋焼酎の名産地である鹿児島県の大隅地方に工場を構え、本土最南端にある焼酎蔵としても知られています。

魔王は、現在の社長が、若者のアルコール離れなど焼酎業界の行く末を危惧し、飲みやすい焼酎として約20年前に作り出した銘柄です。

その他の銘柄

白玉の露

創業以来百年以上続く、白玉醸造の代表銘柄です。魔王とは好対照な、素材の味を生かしたスタンダードなタイプの芋焼酎となっています。

天誅

米・芋ブレンドの本格焼酎です。米焼酎の深い味わいと芋焼酎の香り・まろやかさがうまく調和しています。

元老院

麦・芋ブレンドの長期貯蔵焼酎です。麦焼酎の香ばしく軽やかな旨味と、芋焼酎の甘くふくよかな味わいがバランス良くブレンドされています。

彩煌の梅酒

以前までは『さつまの梅酒』として販売されていた銘柄です。厳選された梅果実をベースに、独特の芳香と爽やかな酸味がバランス良くとれた手造りの梅酒です。

一度は飲んでみたい魔王

『魔王』はプレミア焼酎の一つとして知られる芋焼酎の銘柄です。芋本来の苦味やくさみがおさえられた、まろやかな味わいやフルーティーな香りで、すっきりと飲みやすいため人気を集めています。

魔王は常温のストレートやロックがおすすめの飲み方です。流通量が少なく定価での入手が困難な銘柄ですが、機会があれば一度は味わってみたい焼酎といえるでしょう。

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