フルボディのうまい日本酒「菊鷹」。一升瓶にこだわる理由とは?

2019.08.10

愛知の酒「菊鷹」は、長年製造を取りやめていた銘柄を新任の若き杜氏が復活させ、一升瓶のみでラインナップ展開しているこだわりの日本酒です。ブランドが蘇った背景や、一升瓶にこだわる理由についてご紹介していきます。

知る人ぞ知る造り手によって甦った「菊鷹」

(画像はイメージ)

「菊鷹」の蔵元は、愛知県稲沢市にある藤市酒造。1872年(明治5)創業の150年近い歴史を誇る老舗の蔵元です。

長年にわたり自社銘柄の日本酒・菊鷹や、焼酎、みりん、ポートワインなどの製造も手がけていましたが、近年は兵庫・灘の銘酒「剣菱」の酒造りをOEM(桶売り)で請け負うのがメインとなり、長きにわたって菊鷹ブランドは事実上の廃番状態でした。そんな菊鷹を甦らせたのは、大阪・河内長野の銘酒「天野酒」で頭(かしら:杜氏に次ぐ位置づけ)として修行を積んだ後、2012年に杜氏として藤市酒造に迎えられた山本克明氏さんです。

実はこの山本さん、天野酒で頭を務めていた時代から「山本スペシャル」という作品を独自に醸すなど、杜氏資格を得る前から多くの固定ファンをつかんでいた造り手であり、藤市酒造では山本杜氏の就任を機に、伝統銘柄の菊鷹を特約店限定流通酒として復活。新生・菊鷹は初年度にも関わらず、夏にはすっかり完売するほどの人気を集めたそうです。

一升瓶にこだわる「菊鷹」は変化を楽しむ酒

(画像はイメージ)

菊鷹の商品ラインナップは、どの酒質も一升瓶のみ。四合瓶(720ml)はありません。

基本的に日本酒(特に生タイプ)は、「開栓したらできるだけ日を置かずに飲み切る」のが原則。その観点から見ると昔ながらの一升瓶は量が多く(1.8リットル)、一度開栓してしまうと、一般家庭なら飲み切るのに1週間近くはかかってしまうでしょう。しかし山本杜氏は、「開けてから12週間の味の変化を楽しんでほしい」との想いから、あえて飲み切るのに日数がかかる一升瓶のみにこだわっているそうです。

そんな菊鷹の味の特徴は、全般的にどっしりとした重厚感とともに、豊かな旨味が楽しめる辛口のフルボディタイプ。木曽川の良質な伏流水を仕込みに使っているためキレが良く、柔らかな口当たりに仕上がっています。

「菊鷹」の主なラインナップ

(画像はイメージ)

それでは、菊鷹を代表する商品をいくつかピックアップしてご紹介しましょう。

菊鷹 Hummingbird(ハミングバード)

菊鷹を代表するサブブランド。グラスに注ぐと甘い香りが立ち上り、口に含むと甘味と酸味がバランス良く調和したミルキーな味わいが広がります。重厚な味が多い菊鷹の中では、比較的軽快な飲み口が特徴です。

  • 参考価格:2808円(税込)
  • 楽天市場:こちら

菊鷹 山廃純米吟醸「雲外蒼天」

グラスに注ぐとクリーミーな優しい香りが漂い、口に含むと杏のような肉厚な風味が感じられる爽やかな純米吟醸酒。甘味と酸味のバランスが絶妙で、時を置いて熟成させるほどに旨味が乗ってきます。

  • 参考価格:3672円(税込)
  • 楽天市場:こちら

菊鷹 純米吟醸無濾過生酒「雄飛」

爽やかな香りと、心地よい甘酸っぱさを特徴とする無濾過生酒。この酒も菊鷹のラインナップの中では比較的軽い飲み口です。

  • 参考価格:3456円(税込)
  • 楽天市場:こちら

菊鷹 純米無濾過生酒「菊一文字」

黄色いラベルの「菊一文字」は、穏やかな柑橘系の香りと控えめな甘味、そしてふくよかな口当たりが特徴のフルーティーな純米無濾過生酒。しっかりと存在感のある酸が特徴的です。

  • 参考価格:3240円(税込)
  • 楽天市場:こちら

一度は飲んでほしい、新生「菊鷹」

(画像はイメージ)

一度は途絶えて復活した菊鷹。ラベルデザインは新たに作り直されており、そこに書かれている「伏セシ鷹、天ニ飛翔ス」は、まさに新生・菊鷹として大空へ飛翔しようとする蔵元の想いを託した言葉のように思えます。生産量が少ないので入手は困難ですが、一度は味わってほしい日本酒の一つです。

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