ビール酵母とは?栄養たっぷりのビール酵母の効果や注意点

2019.08.07

酵母の一種であるビール酵母は、ビール醸造に欠かせない微生物であるだけでなく、ビタミンやアミノ酸など豊富な必須栄養素を含むサプリメントとしても活用されています。ビール酵母の性質や効果と、服用に際しての注意点、おすすめ商品を見てみましょう。

ビール酵母とは?

アルコールは酵母がアルコール発酵することで生成されます。ビールについても同様です。まずは、ビール酵母の概要を見てみましょう。

ビールを作る上で欠かせない酵母

『酵母』は糖を代謝しアルコール発酵を行う単細胞生物の総称で、細胞壁や核といった構造を持つ真核生物であり、その多くは菌類に属します。

酵母はアルコールの1種である『エタノール』を生成し、副産物である二酸化炭素で生地を膨らませるものをパン酵母(イースト菌)、ワイン酵母・清酒酵母とともに酒造蔵に用いられる酵母を『ビール酵母』と呼ぶのです。

酵母一つ一つは5〜10μm(1000μm = 1mm)ほどの小さな微生物で、ブドウなど果実の表面や樹液といった自然環境中に広く生息し、世界中に数万種にもおよぶビール酵母が存在します。

ビールメーカーは美味しい酒を生むビール酵母の優良株を選抜して、純粋培養して増殖させることで、メーカー独自の味わいやビールの品質を維持しているのです。

ビール酵母は大きく分けて2種類

ビール酵母は、ビール醸造における酵母の働き方から『上面発酵酵母』か『下面発酵酵母』という2種類に大別されます。

上面発酵酵母は、20〜25度の常温かつ短時間でアルコール発酵する酵母で、発酵の過程で盛んに炭酸ガス(二酸化炭素)を発生するため、最終的に上面で層を作ることから上面発酵と呼ぶのです。

これに対し、下面発酵は5〜15度の低温で発酵を行い、長時間発酵の後、酵母はタンクの底に沈殿します。

上面発酵で造られたビールは『エール』と呼ばれ、イギリスでよく飲まれるペールエール(Pale ale)や、ギネス(Guinness)で有名なスタウト(Stout)が代表的といえるでしょう。

一方、下面発酵で造られたビールは『ラガー』と呼ばれ、日本産のビールを含め、現在流通しているビールの多くがこのスタイルです。日本では特に「貯蔵工程で熟成させたビール」を指します。

サプリにも使われるビール酵母

ビール酵母はビール醸造に用いられるだけでなく、食品として豊富な必須栄養素を含むことからサプリメントにも利用されています。サプリとしてのビール酵母の概要を見てみましょう。

錠剤タイプと粉末タイプ

ビール酵母は、他の多くの医薬品・サプリメントと同じように錠剤タイプと粉末タイプの2種類が販売されています。

ビール酵母の研究が進められる中で、ビール酵母の細胞自体が持つビタミンや必須アミノ酸といった豊富な栄養素が着目され、エキスや細胞壁を摂取するためのサプリメントとしても利用されているのです。

ビール酵母は、ビール醸造における糖代謝の過程で豊富な栄養素を細胞内に蓄えたものを採取することが多いため、アルコールは含まれないものの独特の苦味を持つ場合があります。

粉末タイプは食事や飲み物に混ぜる

錠剤タイプなら、水やぬるま湯で流し込んで飲めるため、ビール酵母の味やクセを感じにくくなります。

粉末タイプは、自分で服用量を細かく調整できるのがメリットです。ただ、水やぬるま湯で飲むと味を感じやすいデメリットもあります。

そのため、舌触りのまろやかな飲み物に混ぜたり、料理の際に調味料のように振りかけると摂取しやすくなるでしょう。

その一例としては、ヨーグルトやスムージー、スープやシチューといった食べ物に溶かしてみる、生卵に混ぜて卵焼きやオムライスに、またハンバーグや餃子のタネに混ぜ込むことなどもいいでしょう。

ビールからビール酵母を摂取するには?

一般的な国産ラガービールは、ビール酵母をこす工程を経るため、飲用の際にビール酵母を摂取することはできません。

ビールを飲む際にビール酵母も摂取したい場合は、『酵母入り』と書かれたビールを選ぶと良いでしょう。

酵母入りラガービールは、酵母が瓶底に白く沈殿することがあります。この場合は、軽く揺らして酵母を浮かせた後にグラスに注ぎましょう。

ただし、ビール酵母を栄養素として摂取するには酵母を胃腸で消化する必要があります。生きたビール酵母が腸内に残存すると糖分の吸収を助けますが、同時にエタノール産生も行うのです。

生きたビール酵母を飲むことと錠剤・粉末で摂取することは基本的に性格が異なるという意識を持っておきましょう。

ビール酵母の効果

ビール酵母には40種にもおよぶ豊富な栄養素が含まれています。これらのうち、特に健康増進に効果的な、ビタミンB群・必須アミノ酸・食物繊維について見てみましょう。

ビール酵母が持つ栄養素

ビール酵母は、そのエキスから豊富なビタミン・アミノ酸・ミネラル・核酸、細胞壁からβ-グルカン・グルコマンナンという天然の食物繊維が摂取できます。

特にビタミンB1は10gで大人の1日必要量が得られるほど豊富に含まれており、ビタミンB2・B6・ナイアシン・葉酸といった『ビタミンB群』が摂取できることで体全体の正常な健康状態の維持に役立つのです。

貧血・皮膚炎・神経炎などを予防し、循環系・消化系・神経系の働きを促進する重要なビタミン群なので、ビタミンの不足しがちな食生活にプラスすると良いでしょう。

アミノ酸が豊富に含まれる

ヒトの遺伝情報は皮膚や臓器など身体を形作るタンパク質をコードしており、タンパク質を合成するためにはアミノ酸が必要になります。

タンパク質を構成するアミノ酸のうち、ヒトが体内で十分に合成でずに食品から摂取する必要のあるものを『必須アミノ酸』といいますが、ビール酵母にはこれらも豊富に含まれるのです。

8種ないし9種の必須アミノ酸をすべて含み、髪・肌・内臓といった身体の構築を助けるだけでなく、ミネラルやビタミンB群を豊富に含むことで機能面も補助するため、美容と健康に効果的といえるでしょう。

10gでさつまいも並の食物繊維

食物繊維といってもさまざまな種類がありますが、単純に量で比較するなら、ビール酵母約10gでさつまいも1個分の食物繊維が摂取できます。

食物繊維は、腸内細菌が大腸内で分解し、分解された物質の一つである『酪酸』は結腸細胞にエネルギー源として利用されるなど、整腸作用に効果があるのです。

ビール酵母の細胞壁に含まれるβ-グルカンとグルコマンナンは、ともに『水溶性食物繊維』で、血中コレステロール低下作用があるとされます。

特にグルコマンナンは胃の中で水を吸って何十倍にも膨らみ消化を遅延させることで、血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を感じやすくさせることでダイエットにも効果が望めるのです。

ビール酵母を摂取するときの注意点

ビール酵母は腸内環境から肌の調子まで、身体全体の働きを整える効果が期待できる食品です。より安心して効果を得るために、服用に際しての注意点も見ておきましょう。

過剰摂取や他のサプリとの併用に注意

どんな栄養素にも適切な摂取量があり、体内環境の平準化が重要です。生体は『恒常性』(ホメオスタシス)を維持しようとしますが、必要な分を摂取するなら薬になるものも、過剰摂取すると毒になる場合があります。

栄養素は必要量を超えて摂取されると体外に排出されます。その際に消化吸収に余計なエネルギーを割くばかりでなく、肝臓や腎臓などに負担をかけることもあるのです。

例えばビール酵母で多く摂取できる亜鉛は、カルシウムやカリウムとともに必須ミネラル16種の一つで、適切に摂取すれば滋養強壮や疲労回復に効果があるとされています。

サプリメントも販売されている亜鉛ですが、摂り過ぎると吐き気や腹痛の元になるばかりか、ひどい場合には腎機能障害を引き起こすケースもあるのです。

アレルギーがある人は控える

ビール酵母アレルギーや大麦アレルギーがある人や、その疑いがある人はビール酵母の摂取を控えた方が良いでしょう。

ビール酵母は、大麦由来の麦汁に浸して栄養を取り込んだものがサプリメントとして販売されているケースが多いのです。

過去にビールを飲んだ際に、かゆみや湿疹が出たり、ぜんそくの症状が出たりしたことがあるなら、ビール酵母か大麦がアレルゲンという可能性があるので注意しましょう。

おすすめのビール酵母

ビール酵母のサプリメントは、その効果の期待値の高さから数多くの商品が販売されています。特におすすめの3点を見ていきます。なお、これらのビール酵母サプリメントにアルコールは含まれません。

スーパービール酵母Z 亜鉛&マカ黒にんにく

アサヒグループ食品の『スーパービール酵母Z 亜鉛&マカ黒にんにく』は、姉妹品『スーパービール酵母Z』の成分を強化した商品です。

ビール酵母には疲労回復効果がありますが、本商品は亜鉛・マカ・黒にんにくという精力増強に効く成分を付与し、活力不足を感じている人にうってつけの商品といえるでしょう。

ビタミンB1・B2・B6が1日必要量の10倍含まれていますが、ビタミンB群は水溶性ビタミンであるため、過剰摂取しても尿で排泄されます。尿が鮮やかな黄色になるのはビタミンB2の色なので、異常な反応ではありません。

1日15粒の小さなタブレットを飲む形で、飲みやすさに配慮されていることもうれしいポイントでしょう。

  • 商品名 : スーパービール酵母Z 亜鉛&マカ 黒にんにく 300粒 (20日分)
  • 価格 : 983円(税込)
  • Amazon : 商品ページ

エビオス ビール酵母粉末

『エビオス』は、発売からおよそ90年を数えるロングセラー商品で、乾燥ビール酵母を、エキス・細胞壁ともに逃さず粉末で摂取できます。

保存料・着色料・香料は一切使用しておらず、ビール酵母の持つビタミン・アミノ酸・ミネラル・食物繊維といった栄養素が安心して摂れる、栄養補給と健康増進にうってつけの商品です。

酵母はDNA/RNAの重量比が非常に高い生物であり、DNA/RNAを構成する塩基のアデニンとグアニンはプリン体であるため、本商品のプリン体含有量はかなり多くなっています。

100g中の成分表示では単純に比較して鳥レバーの5倍、煮干しの2倍ほどのプリン体が含まれていますが、実際には料理に振りかけるなどして数gずつしか使わないため、通常の使用量であれば問題ありません。

  • 商品名 : エビオス ビール酵母粉末 200g
  • 価格 : 579円(税込)
  • Amazon : 商品ページ

DHC ビール酵母

サプリメントで有名なDHCですが、実は本格的なビール醸造も行っています。そのDHCが販売している『ビール酵母』は、30日分の乾燥ビール酵母タブレットです。

調整剤等に表示されている結晶セルロース・グリセリン脂肪酸エステル・二酸化ケイ素はいずれもタブレットの成型に用いられる無味無臭な物質で、正味ビール酵母のみ、という商品になっています。

持ち運びにも便利で価格も安く、出先でのランチやディナーに合わせて摂取することもできるおすすめ商品です。

  • 商品名 : ビール酵母 30日分
  • 価格 : 345円(税込)
  • Amazon : 商品ページ

ビール酵母で栄養を補おう

ビール酵母は、他の多くの生物が嫌気呼吸(酸素を用いない呼吸)の際に乳酸を産生する乳酸発酵を行うのに対し、エタノールを産生するアルコール発酵を行います。そしてこれは、3500年以上前から人類に活用されてきた有用微生物でもあるのです。

食品として用いる際にも、ヒトにとっての必須栄養素を豊富に含み、ダイエットや栄養補給に非常に効果的であることが確かめられています。ビール酵母を摂取し、スッキリと健康的な生活を送ってみてはいかがでしょうか。

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