陶芸窯にはどんな種類がある?選び方や人気の小型電気釜を紹介

2019.08.05

陶芸に欠かせない「陶芸窯」。陶芸窯が実は自宅に用意することができるものだとご存知ですか?陶芸窯の種類をはじめ、人気の小型電気釜や、選び方をご紹介します。陶芸に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

陶芸窯の基礎知識

陶芸は、使う陶土(とうど/原料となる粘土のこと)・釉薬(ゆうやく/うわぐすり)や焼き方で質感が変わりますが、使用する窯の種類によっても仕上がりが大きく変化します。

そのため、どんな仕上がりにしたいかによって、窯を変える必要があります。

温度はどれくらいで使う?

窯元によって違いはありますが、素焼きの場合は900~980度位の温度で、約12時間前後かけて焼き上げます。

また、本焼きの場合は1280度位の高温で15~18時間位かけてじっくり焼き上げて完成です。

素焼きと本焼きの違い

では、素焼きと本焼きは何が違うのでしょうか。簡単にいうと、陶土をこねて成形しただけのものを焼くことを『素焼き』といいます。そして、その素焼きしたものに釉薬を塗って装飾したものを焼くことが『本焼き』です。

釉薬には焼き物の採色だけでなく、焼き物を丈夫にし水分の浸透を防ぐという効果もあります。

陶芸窯の種類

陶芸をする際に、思い切って窯を購入して時間や場所を気にせず制作に打ち込みたいという気持ちがあるかもしれません。

しかしどんな窯を購入すれば良いのか悩むところでしょう。窯によって仕上がりが変わるので、陶芸窯の種類や特徴を知り、どの窯が自分に合っているのかを探っていきましょう。

蓋の開け方による種類

陶芸窯は、蓋の開け方によって二つのタイプに分類されます。

一つ目は『前扉式』で、これは、電子レンジのように前に扉が開くタイプの窯なります。楽な姿勢で窯詰めができ、炉内全体を見渡すことができるメリットがあるでしょう。

そのため、初心者にも扱いやすいのですが、 扉が開くスペースが必要になるため設置場所が限定されます。

二つ目は『上扉式』です。上扉式はコンパクトで場所を取らない形状なので、狭い場所にも設置できるというメリットがあります。

比較的単純な構造をしているので、コストパフォーマンスも良いのですが、窯詰め・窯出しのときには前かがみにならなければならないので、体に負担をかけるリスクがあります。

窯の構造による種類

窯は構造には、主に『倒炎式』『半倒炎式』『昇炎式・直炎式』『輻射熱式・反射熱式』の4種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

倒炎式は、窯の両側にある焚き口から炎が両サイドの壁に沿って上昇し、天井にぶつかって下降します。窯の中の温度や、作品の雰囲気を統一しやすい方式です。

半倒炎式は、片側の壁にそって炎が上昇し、下降する方式で、倒炎式同様に温度や作品の雰囲気を均一にしやすい構造ですが、若干のムラが生じます。

昇炎式・直炎式窯の中央の焚き口から廃棄されます。構造はシンプルですが、窯の温度を保つことが難しく、作品にムラが出やすいのが特徴です。

そして輻射熱式・反射熱式は、電気窯特有の構造で、炎は使いません。電熱線ヒーターの熱を使い、排気の必要がないため窯の温度が一定になりやすく、作品が安定します。

燃料の違いによる種類

続いて、燃料の違いによる分類です。

まずは、『電気窯』です。炉内に張り巡らされた電熱線(ヒーター線)によって発熱し、炎ではなく輻射熱で焼成するのが特徴です。

火そのものを使わないことから非常に安全かつ煙が出ることもありません。音も静かです、操作も簡単なため初心者向きの窯といえます。

続いて、『灯油窯』は窯の焚き口から炎を送風機で送り込んで焼成するタイプです。灯油の供給量とファンの風力を調整して炎を制御します。

ガス窯も灯油窯と同様に、窯の焚き口から炎を送り込んで焼成しますが、ガス圧と空気量によって温度を調節します。

最後に薪を燃焼させて焼成する『薪窯』です。薪木は種類が豊富ですが、特に松は発熱量が高いうえに調達しやすいので最も使用されています。

家庭用陶芸窯の選び方

このような陶芸窯の違いを踏まえた上で、家庭用の陶芸窯をどのように選べばよいのかを考えていきましょう。

炉内の容量

窯の炉内寸法については大きければ大きい方が良いという考え方もありますが、大型化すると値段も高くなるでしょう。

安い電気窯であれば炉内寸法が幅20cm・奥行20cmというサイズもありますが、大きな皿は焼けないため、焼成できる作品に限界が生まれてしまいます。

そのため、家庭用の小型機でも幅30cm・奥行30cm以上のモデルがおすすめです。大型の作品以外は、これくらいの大きさがあるとほとんどの作品の焼成が可能です。

余談ですが、20cmの炉内寸法の窯には焼成前で直径19cmの皿を入れての素焼きができます。しかし、素焼き・本焼きを通して『10%以上収縮する』ことを考えると、完成品ベースで直径16cmほどの皿が最大となります。

操作性の高さ

操作性の高さも重要です。現在の電気窯には、コンピュータが内蔵されていて焼成プログラムが組み込まれているものがほとんどです。

そのため、スイッチを押すだけで温度上昇のバランスまですべてをコントロールしてくれる全自動タイプと、焼成前・焼成中に微調整ができる半自動タイプの2種類があります。

初心者にとっては、プログラムで制御されている全自走タイプが便利ですが、半自動タイプよりも10万円以上は高くなってしまうので、コストパフォーマンスを考えると半自動タイプの方が優れています。

また、メーカーによっては半自動タイプを『全自動』と謳っていることがあるので注意しましょう。

ボルト数などの設置条件

小型の電気窯は、家庭の室内で利用することを前提として開発されています。そのため、安全面には気を使っている商品が多いのが特徴です。

例えば、炉内が1250℃前後の高温まで上昇していたとしても、電気窯の外側は50℃前後にまで抑えられているものが多く、焼成中に誤って窯に触れたとしても、火傷などケガを負うような設計にはなっていません。

設置する条件は機種によって違うのですが、周囲から15~30cmくらい離して利用すれば問題ないと考えられています。普通の家電製品と同じように扱えますが、設置する際のボルト数が違うので、設置予定場所に合わせて選ぶようにしましょう。

人気の小型電気窯

このように、さまざまな角度から電気釜を見てきましたが、実際に人気のある電気釜はどのようなものなのでしょうか。

決して安価ではありませんが、どの商品も陶芸の初心者でも扱いやすい商品となっています。

ファニー eKCB 1300℃

『ファニー eKCB 1300℃』は、小型電気窯であるにも関わらず、炉壁に断熱耐火レンガとセラミックファイバー・スーパーボード・シリカボードの3層を積み重ねた重厚な造りになっています。

外装には、湿気・錆に強いステンレスを採用し、断熱性が非常に強く熱の放出を抑えてくれるので、本格的な焼成を楽しむことができます。値段も張りますが、それだけの価値がある商品といえます。

  • 商品名:ファニー eKCB 1300℃
  • 価格:59万4000円(税込)
  • 陶芸.com:商品ページ

マイコン付小型電気窯 Petit プティ DUA-01

100V電源で自宅で手軽に楽しめる『マイコン付小型電気窯 Petit プティ DUA-01』は、作品を入れて内蔵された10種類の焼成プログラムから好みの方法を選ぶことが可能です。

ボタンを押すだけで簡単に作品ができ上がる便利な電気釜でしょう。

  • 商品名:マイコン付小型電気窯 Petit プティ DUA-01
  • 価格:21万6000円(税込)
  • Yahoo!:商品ページ

小型電気窯 DMT-01

高さが30cmもある『小型電気窯 DMT-01』は、壺や花器など長首の器も焼成できます。温度の制御はコンピュータを搭載し、内蔵された10種類のプログラムから選択しボタンを押すだけです。

また、万が一熱線切れや熱電対などの不具合が生じたときは、コンピュータが自動感知して焼成を停止し、安全面にも配慮した商品となっています。

  • 商品名:小型電気窯 DMT-01
  • 価格:32万8320円(税込)
  • 陶芸.com:商品ページ

陶芸窯で本格的に陶芸を始めてみよう

陶芸教室に通う時間はないけど、陶芸を始めてみたい。そういう人には決して安いものではないですが家庭用の小型電気釜がおすすめです。

陶芸を始める一歩として、電気釜について学ぶというのも一つの方法です。自分の好きな時間に、自分のペースで陶芸を楽しめるので、無理することなく焼き物づくりを続けられることでしょう。

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