ウイスキーの『シングルモルト』って何?知っておきたい特徴と代表的な銘柄

2019.08.03

ウイスキーについて語る際によく耳にするシングルモルト。でも、言葉の正確な定義や特徴についてご存知ない方も多いはず。そこで、用語の定義を含めたシングルモルトの基本知識について、代表的な国内外の銘柄と合わせてご紹介します。

シングルは単一の蒸溜所、モルトは大麦麦芽

ウイスキーは、原料によって【①大麦麦芽を原料とするモルトウイスキー】と、【②大麦以外の穀物(トウモロコシ等)を原料とするグレーンウイスキー】の2つに大別されます。

この①②を絶妙な割合でブレンドし、バランスの取れた味と香りに仕立てたものがブレンデッドウイスキーと呼ばれ、大半のウイスキーはこうして造られます。

それに対してシングル、即ち単一の蒸溜所で造られたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたものが、『シングルモルトウイスキー』です。

ブレンデッドとシングルモルトの違いはあくまでも製法の問題であり、味や品質の優劣につながるものではありません。音楽に置き換えるなら、各種管弦楽器の音の調和を楽しむオーケストラの演奏がブレンデッド、単一の楽器が奏でる旋律の美しさを味わうソロ演奏がシングルモルトと言えるでしょう。

蒸溜所ごとの個性が楽しめるシングルモルト

ピアノのソロ演奏が演者によって音色が異なるように、シングルモルトも蒸溜所ごとの個性の違いがダイレクトに表れます。

例えば、シングルモルトの本場スコットランドには約100カ所の蒸溜所があり、それぞれ立地と自然風土、歴史、製法、仕込み水、原料などが異なるため、一つとして同じものはありません。まさにそれぞれの土地柄の違いが生んだ、ウイスキーの地酒と言っても過言ではないでしょう。

そのため、バランスの取れた美味しさが安定的に味わえるブレンデッドの世界と違い、シングルモルトは個性豊かであるがゆえに、中には口に合わないもの、味や香りそのものを苦手に感じるものがあるかも知れません。例えばアイラモルトなどは、「海藻のよう」「薬の匂いみたい」と顔をしかめる人もいるほど個性的です。

しかし裏を返せば、いろいろ飲み比べていく中でいつしかクセになり、気がつけばそのシンプルかつディープな個性にはまってしまう…、それがシングルモルトの魅力であり魔力でもあるのです。

シングルモルトウイスキーの代表的な銘柄

それでは、本場スコットランドを代表する主要銘柄と、近年世界中で評価の高い日本の代表銘柄をいくつかご紹介しましょう。

スコットランドを代表するシングルモルト

■グレンフィディック12

元祖シングルモルトウイスキー。洋梨を思わせるフルーティーな香りと、12年熟成させた樽の香りが程よく調和した、上品な味わいが特徴です。

■ザ・マッカラン12

シングルモルトのロールスロイスの異名を持つ最高峰の一品。ドライフルーツを彷彿させる甘みと、スパイシーで華やかな香りが持ち味です。

■ボウモア12

「磯っぽい」と形容されるアイラ島の蒸溜所の中で、最古の歴史を誇るのがボウモア。独特の風味は好き嫌いが分かれますが、ハマるとクセになります。

日本を代表するシングルモルト

■山崎、白州(サントリー)

山崎は大阪、白州は山梨で造られており、同じサントリーでも設備や仕込み水、原料、樽材、醸造・蒸溜プロセスが違うため味わいも異なります。基本的には、甘みがあってまろやかなのが山崎、キレがあってクリアなのが白州というのが定説です。

■余市、宮城峡(ニッカ)

サントリーと双璧を成すニッカが造る日本を代表するシングルモルト。それぞれ北海道と宮城で造られています。基本的には、重厚でコクのあるのが余市、香りが華やかでまろやかな味わいを持つのが宮城峡と言われています。

シングルモルトはストレートかロックがおすすめ

ウイスキーは嗜好品なので飲み方はお好み次第。ただシングルモルトに関しては、蒸溜所ごとの個性の違いを確かめるためにも、少なくとも一口目はストレートかロックで飲んでみてください。また、度数の強さがネックになる場合は、常温の水と11で割るトワイスアップがおすすめです。

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