温泉にある男性浴衣を着こなす。着方と帯の結び方のコツ

2018.10.06

温泉宿といえば浴衣ですが、粋に着こなそうとすると意外と難しいですよね。でも、実は温泉宿の浴衣はポイントを押さえるだけで綺麗に着ることができるんです。基本的な着方のマナーや帯の結び方などをマスターして、浴衣で過ごす宿の時間を楽しみましょう。

温泉宿にある男性浴衣とは

お祭りで着る浴衣とは違い、温泉宿で着る浴衣はゆったりとくつろぐための部屋着のようなものです。

しかし、施設内のレストランや温泉に行くときにだらしない着こなしをしていると目立ちます。友達や恋人と宿を訪れたときに恥をかいてしまうのは避けたいところです。

ゆったりとくつろいだ雰囲気を演出しつつしっかりと着こなすためには、実際にどのようなシーンで浴衣を着るのかイメージしておく必要があります。

寝間着としても使うことができる

温泉宿に備え付けられている浴衣は、基本的には就寝時の寝間着として用意されています。そのため、通常の浴衣に比べて生地は柔らかく、着るために使う道具類も必要最低限しかありません。

大体の場合は、浴衣本体と腰に巻く帯のみが用意されていることが多いです。必然的に着付けもシンプルになってきます。

もちろん、寝るときには体が楽なように着付けるだけで問題はありません。ただし、部屋の外に出る際にも同じように着付けると、いつの間にかはだけてしまうことがあるため注意が必要です。

外出時や寒い時は羽織や丹前を

旅館によっては、浴衣で部屋の外に出ても良いというところがあります。このような場合は、念のため浴衣の上から羽織や丹前を羽織って外出した方がスマートと言えるでしょう。

羽織は腰くらいの丈のもの、丹前は浴衣の裾くらいの丈のもので、どちらも浴衣の上に羽織る上着です。大抵の場合は浴衣と一緒に部屋に用意されています。

上に羽織を着ていると、着崩れしやすい旅館の浴衣でも若干着付けを補強できるだけでなく、多少襟元が開いてきても羽織のおかげでしっかりと着付けているように見えるため便利です。

また、寒いときには防寒の役目も果たすため、湯冷めを防止するためにも羽織ものは必須と言えます。

普通の浴衣より着方は簡単

普通の浴衣は補正用のタオルや腰ひもを使ったりするものですが、旅館の浴衣の場合、そういったものはほとんど使いません。そのため、着方自体は普通の浴衣よりも簡単です。

大まかに言うと、浴衣を羽織って背中の縫い目を体の中心に合わせ、丈の長さを調節して帯を巻くだけで完成します。とてもシンプルな着付けで済むため、あらかじめ着方を知っていれば、手際よくサッと着られるでしょう。

温泉浴衣の着方マナー

着ること自体は簡単な温泉旅館の浴衣ですが、意外と着付けのマナーを知らない人はたくさんいます。

変な着方をして風流な雰囲気を損なわないためにも、着る前に知っておきたい基本的なマナーを学んでおきましょう。

くるぶしが見える程度のサイズを選ぶ

宿で浴衣を選ぶときにまず初めに注目すべきなのは、サイズです。多くの場合、S・M・Lもしくは大・中・小などのサイズ表記がなされています。

自由に浴衣を選べる宿の場合は、見本などがあれば試しに羽織ってみて、くるぶしが見えるくらいの丈を選びましょう。部屋に浴衣が備え付けられている宿では、サイズが合わない場合は替えてもらう方が賢明です。

男性浴衣はおはしょり無し

旅館の浴衣では女性であってもおはしょりを作らないのがスタンダードですが、浴衣のサイズが大きい場合などは、おはしょりを作ることで解決できます。

しかし、男性の場合は外出用であっても旅館のものであっても、浴衣を着るときにおはしょりは作りません。そのため、最初のサイズ選びで失敗してしまうと、着付けを工夫しても調整できないため注意が必要です。

男性の場合、おはしょりを作らない分、首の後ろの衣紋は抜きません。真っ直ぐ首筋に沿わせて浴衣を羽織り、胸元の開き具合で抜け感を演出すると粋な着方になります。

男性も女性もあわせは右前

浴衣を着るときに間違いやすいのが、左右どちらの襟を前にするかということです。ワイシャツやコートなどの洋服の場合、女性用は右側が上、男性用は左側が上に重なるように設計されています。

しかし、和服の襟は男女共通で『右前』が正解です。右前というと、左側の襟の上に右側の襟をかぶせるイメージをもつ人が多いのですが、それは間違ったイメージです。

右前とは、右側の襟を自分から見て前に、つまり右側の襟を自分の肌に寄せ、その上に左側の襟を乗せることを指します。

鏡で見たときに、外側にあるのが左の襟、肌に近い内側にあるのが右の襟になっていれば正解です。襟を『左前』にする着付けは死人にするものであり、縁起が悪いとされているため間違えないように注意しましょう。

温泉浴衣を着る時は下着で汗対策

温泉に浸かった後は何かと汗をかくものです。そんなときに、素肌の上から浴衣を着ていると汗が目立ってしまいます。

湯上りの立ち姿を爽やかに保つためには、浴衣の下に着る下着を工夫することが必要です。下着を着用することで、汗染みだけでなく、汗ばんだ地肌が浴衣に張り付くのも防ぐことができます。

汗を吸収しやすい素材を選ぶ

浴衣の下に着る下着選びのコツは、まずは何と言っても汗を吸収しやすい素材を選ぶことです。綿やポリエステルなど、汗の吸収率が高く着心地も良い素材のものを選ぶと、ストレスなく浴衣姿で過ごすことができます。

また、速乾性のものであれば汗をかいてもすぐに乾くため、体を冷やして風邪をひくリスクを下げることができるでしょう。

Vネックやタンクトップのシャツがおすすめ

汗染みや汗による体の冷えを防ぐためにも下着は必須ですが、少し動いただけで下着が見えてしまうようでは格好がつきません。特に、襟元やひじのあたりの袖口は注意が必要です。

丸襟の下着では浴衣の襟が少し開いただけで見えてしまうため、宿で浴衣を着ることがわかっている場合はVネックの下着を身に着けておくのが得策でしょう。

また、タンクトップのシャツを選んでおけば、ひじ後ろの袖口から下着の半袖が覗くのを防ぐことができます。

温泉浴衣の着方

旅館の浴衣は、シンプルであるがゆえにそれほど悩まずに着ることができます。ただし、単に適当に着てしまうとすぐにはだけてしまったり、仕上がりがだらしなく見えたりしてしまうので注意してください。

自然かつこなれた浴衣姿にするためには、いくつかの要点を押さえて着ることが大切です。

背中の縫い目を背中の中心に合わせる

まずは、下着の上から浴衣を羽織って、背中の縫い目と背中の中心を合わせます。ここをしっかりと合わせておくことで、浴衣全体のよれやしわが整えられ、仕上がりが綺麗になるでしょう。

また、背中の縫い目が背中の中心からずれてしまうと、両袖の長さが不均等になってしまうため、最初の段階で合わせておくことが重要です。

衿の端を持ち、右側を左の腰に持っていく

背中の中心部分を合わせたら、まずは右側の襟を左の腰に持っていきます。このとき、つい俯いてしまいがちですが、背中が曲がっていると後々お腹周りの生地がだぼついてしまいますので注意してください。

仕上がりを綺麗にするためには、上体を真っ直ぐに保ちながら襟元を腰に合わせるよう意識することが大切です。

左側をその上から重ねる

右側の襟を左の腰に持ってきたら、その上から左側の襟を右の腰に持っていきます。このとき、胸元の開き具合を調節しながら襟を重ね合わせるのがポイントです。

襟を詰めすぎると堅苦しく野暮ったい印象になってしまいますが、そうかといって開きすぎると肌の露出面積が増えてだらしなく見えてしまいます。

下着が見えないように調整しながら、鎖骨が少し見えるくらいに襟元を開くのがベストです。

腰骨あたりで帯を巻く

浴衣を羽織って襟元の調節が済んだら、腰骨あたりの高さで帯を巻いていきます。このとき、帯がへそ下にくるよう意識するのがポイントです。へそ上に帯を巻くとウエストが強調され、どこか女性的な雰囲気になってしまいます。

腰骨の上に帯を乗せ、浴衣のしわを伸ばしながら巻くようにすると綺麗に仕上がるでしょう。大体2周ほど巻くのが一般的ですが、帯が長ければ3周巻いても構いません。帯の結び目は後ろにくるようにしましょう。

温泉浴衣の帯の結び方

温泉宿に用意されている浴衣は、大抵の場合それほど種類が多くありません。そのため、他の旅行客と少しでも差をつけて着こなしたいのであれば、帯の結び方を工夫する必要があります。

浴衣は変に着流そうとしたり手を加えて着たりするよりも、ワンポイントとなる帯をお洒落に結べば様になって見えるものです。ぜひ結び方を覚えて、浴衣姿を風流にきめましょう。

シンプルな蝶結び

男性用浴衣の帯の結び方の中でも、極めてシンプルで王道なのが蝶結びです。やり方は一般的な蝶結びと同じですが、結んだ後の帯が長く垂れ下がるとだらしなく見えるため、胴回りに巻く帯の長さで調節するのがポイントになります。

蝶結びを作ったら、結び目は体の右側に寄せてください。真ん中や真横に結び目がくるよりも、真横より少し前寄りに結び目がきた方が粋な印象を与える事ができるでしょう。

オシャレな貝の口結び

蝶結びよりも浴衣にこなれた雰囲気を出したい場合は、貝の口結びに挑戦してみましょう。まずは、帯の端を40cmほど半分に折り、折った部分の根元をへそに寄せます。

そこから、折っていない状態で帯をきつめに胴体に巻きつけしょう。体格にもよりますが、巻く目安は大体2周ほどです。半分に折った部分の帯は、胴体に巻いている帯の上から出るようにしてください。

最後に、巻き終わりの帯を半分に折り、あらかじめ折ってあった左手側の帯を右側の細い方の帯へと上から通し、しっかりと締めます。下に出た細い帯の端を右上に折り上げ、太く短い方の帯を細い帯の下に通して締めたら、貝の口の完成です。

結び目は体に沿って右側へと回し、腰の中心より若干右寄りのあたりで止めるとスマートな印象になります。

温泉浴衣に合う男性の髪型ポイント

せっかく旅館で浴衣を着るなら、和装に似合う髪型をした方が気持ちが良いばかりでなく、連れの女性からも喜ばれます。

髪の長さによって浴衣に合う、合わないというのはもちろんありますが、少し手を加えるだけで髪型の印象は大きく変えることができるのです。

清潔感のある短髪

浴衣に似合う定番の髪型といえば、短髪です。首元の襟にかからないくらいのショートスタイルは、こざっぱりとした飾り気のない男らしさが引き立ちます。汗をかいても髪が肌に張り付かず、清潔感があるように見えるのもポイントです。

浴衣を意識してヘアセットをするのであれば、ハードワックスを使ったボリューム感のあるアレンジがおすすめとなっています。トップやサイドに無造作な毛束を作り、前髪を上げて額を出すようにすると程よくワイルドに仕上がるでしょう。

洋服に比べてシルエットが大きく見えやすい浴衣姿の場合は、全体的なバランスが頭部でボリュームダウンしがちです。髪型のシルエットを大きめに作ることを意識すると、浴衣姿と相まって精悍かつ力強い印象になります。

長髪の場合は束ねてスッキリと

こだわりがあって髪を伸ばしている男性は、浴衣を着る際は後ろで束ねるとすっきりとして清潔感があるように見えます。

女性の浴衣姿はうなじから色気が漂うとされますが、衣紋を抜かない男性の場合でも、首筋に沿ってしゃんと着こなした後ろ首の襟元は見た目にも風流で上品です。

このチャームポイントを隠さないためにも、髪は束ねて襟元をすっきりと見せましょう。温泉に入る際にも、髪がお湯に浸かるのは衛生的にマナー違反とされることが多いため、束ねて入浴した方が賢明です。

散策が楽しくなる、お洒落な浴衣がある宿

忙しい日常を忘れて温泉宿でのひと時を満喫するのであれば、浴衣もお洒落な方が気分が上がるものです。宿選びに迷ったら、浴衣の品揃えで泊まるところを決めてみてはいかがでしょうか。

特に女性と一緒に行く旅行であれば、宿の浴衣がお洒落だと喜ばれます。

松島温泉 元湯 海風土

日本三景の1つ、松島に拠を構える『松島温泉 元湯 海風土』は、全館で天然温泉を満喫することができる贅沢な温泉宿です。名物の屋上展望風呂はもちろん人気ですが、やはり見逃せないのは豊富な浴衣の品揃えでしょう。

客室に用意されている浴衣とは別に、色とりどりの浴衣の中から好きなものを1枚選ぶことができます。色・柄の種類だけでもたくさんある上、帯と浴衣をそれぞれ別で選ぶことができるのも嬉しいところです。

男性でも女性でも1人1枚好きな浴衣を選べるので、カップルでお揃いのものを選んだり、男同士で賑やかに選んだりなど、宿泊シーンに合わせた楽しみ方ができます。

  • 旅館名:松島温泉 元湯 海風土
  • 住所:宮城県宮城郡松島町松島字東浜5-3
  • 電話番号:022-355-0022
  • 休館日:要問い合わせ
  • 公式サイト

伊香保温泉 洋風旅館ぴのん

落ち着いた雰囲気の隠れ家的宿である『伊香保温泉 洋風旅館ぴのん』は、温泉旅館としては異色の洋風邸宅です。ウッド調の館内はモダンでありながら温かみがあり、気張ることなくお洒落な雰囲気に身を置くことができます。

月替わりで楽しめるフレンチ風懐石も目玉の1つですが、温泉宿らしく浴衣でくつろげるのもポイントです。フロントにお願いすれば、1着324円で好きな浴衣がレンタルできます。

明るい色の女性用浴衣はもちろん、男性用として白地や黒、紺など、シックな色のものが用意されています。宿泊者だけでなく日帰り客でもレンタル浴衣を利用できるので、短い時間でもしっかりと温泉気分を味わえるでしょう。

  • 旅館名:伊香保温泉 洋風旅館ぴのん
  • 住所:群馬県渋川市伊香保町383
  • 電話番号:0279-72-3308
  • 休館日:要問い合わせ
  • 公式サイト

奥飛騨温泉郷 平湯 匠の宿 深山桜庵

奥飛騨の四季折々の自然が楽しめる『奥飛騨温泉郷 平湯 匠の宿 深山桜庵』では、人里離れた山懐で3つの異なる源泉からくるお湯を満喫することができます。

利用者が心おきなく満天の星空や山の緑を眺められるよう、自然に囲まれた地形を生かし、景色を遮る目隠しをできるだけ少なくしているのがこだわりです。

気になる浴衣はというと、男女ともに無料でレンタルできる宿オリジナル浴衣が用意されています。これまた無料で貸切ることができる露天風呂・内風呂に、浴衣に身を包んで向かうのも一興です。

  • 旅館名:奥飛騨温泉郷 平湯 匠の宿 深山桜庵
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯229
  • 電話番号:0578-89-2799
  • 休館日:要問い合わせ
  • 公式サイト

城崎温泉 錦水

心安らぐ和の空間に、但馬の旬の食材をふんだんに使った料理が自慢の『城崎温泉 錦水』は、一度訪れれば深い満足感が得られる王道の温泉旅館です。

中でも目を惹くサービスは、種類豊富な浴衣を無料でレンタルできるばかりか、宿の外まで浴衣で散策できます。外湯めぐりはもちろん、射的やスマートボールができる遊戯場など、温泉街ならではのスポットを楽しむことができるでしょう。

肝心の浴衣ですが、男性用浴衣が色・柄ともとにバリエーション豊かなのはもちろん、特に女性用浴衣は選びきれないほど種類があります。

ツモリチサトや押切もえがプロデュースしたブランド浴衣も、宿泊者であれば無料で着られるので、女性を喜ばせるのが目的の旅行には特におすすめです。

  • 旅館名:城崎温泉 錦水
  • 住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島759
  • 電話番号:0796-32-2024
  • 休館日:要問い合わせ
  • 公式サイト

温泉宿では浴衣をかっこよく着こなそう

男性用浴衣は女性ものに比べて着やすい上に、旅館用の浴衣ともなると、さらに着付けはシンプルです。基本的な手順と帯の結び方を覚えてしまえば、すぐに手早く着られるようになります。

温泉宿で着る浴衣はくつろぐための部屋着でもありますが、一緒に過ごす人のためにも清潔感を保つことは大切です。下着で汗対策をしたりヘアスタイルに気を遣ったりして、宿の雰囲気が似合う粋な浴衣姿を目指しましょう。

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