ミケランジェロの代表作は?ルネサンス期マルチ芸術家の名作

2019.07.30

16世紀のイタリア・ルネサンス期の芸術家「ミケランジェロ」は、彫刻だけでなく、絵画、建築、詩作とマルチな才能をほとばしらせた巨匠です。90年近い生涯で、多数の作品を残したミケランジェロ。ぜひ知っておきたいミケランジェロ作品を分野別にご紹介します。

命を感じる彫刻の最高傑作

ミケランジェロの芸術家としてのスタートは、彫刻からはじまりました。生涯、自分は彫刻家であると意識した彼は、15世紀の写実的な肉体表現にとどまることなく、まるで魂があるような動的な表現を追求します。

ライフワークともいえるピエタ

ピエタとは、聖母子像の中でも、死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリアの姿をさします。ミケランジェロは、生涯、このテーマにこだわり続けましたが、一番有名なものは、1498〜1499年に制作されたバチカン公国内にあるサン・ピエトロ大聖堂のもの。 まだ20代だった彼は、それまで老母とした表現されていたマリアを、若い女性として表現。キリストの亡骸をかかえて悲嘆にくれる女性の姿を通じて、聖人の死去をリアルな悲劇として表現しました。大理石の一枚岩から掘り出された壮麗な姿は、聖書の中の登場人物というより、現代の人間と同じ命を感じさせます。

勇壮な姿の巨大なダビデ

イタリアのフィレンツェ、アカデミア美術館にあるダビデは、1501年から3年かけて制作されたもの。イスラエル王国の統治者で、神話な中でも勇敢な若者として描かれるダビデを、5m以上ある大理石像として表現しています。 その眼差しや、胸をはる精悍な姿は、圧倒的。元々、ヴェッキオ宮殿の前に位置していた像は、当時外敵に迫られていたフィレンツェ市民を鼓舞したと言われています。

絵画の最高傑作の数々

優れた素描(デッサン)を残したミケランジェロは、ローマ教皇から絵画の注文を請け負うことが増えていきます。その最たるものがシスティーナ礼拝堂の内装。ミケランジェロの他にも数多くの当代随一の芸術家たちが壁画を描いていますが、中でも彼の作品は圧倒的な輝きを放っています。

システィーナ礼拝堂の天井画

バチカン宮殿内の教皇専属の礼拝堂として建築された礼拝堂のために、ケランジェロが教皇に天井画を命じられたのは、1508年でした。 約4年をかけて完成したほぼ460平米の天井画には、旧約聖書の創世記の9つのエピソードが描かれています。神がアダムに命を吹き込む「アダムの創造」、エデンの園からアダムとイブが追放される「原罪と楽園追放」など、彫刻と同様、神と人間どちらも生き生きとした姿で描かれています。

祭壇壁画の最後の審判

同じ礼拝堂の祭壇壁画に描かれたのが最後の審判です。最後の審判とは、すべての死者が蘇り、地獄と天国に振り分けられる場のこと。 キリストを中心に、数多くの人物が描かれていますが、人間たちの審判が下る前の不安な表情、地獄に落ちてしまう恐怖感、残忍な顔をした悪魔など、見事な群像絵画となっています。

老年にできた建築の最高傑作

年老いたミケランジェロは引退することも叶わず、次に建築を命じられることとなりました。当時のフィレンツェでは、素描にもとづく姉妹芸術として、絵画、彫刻、建築の造形芸術をとらえる傾向があったのです。

サン・ピエトロ大聖堂

バチカン市国のカトリックの総本山にあたるサン・ピエトロ大聖堂は、世界最大級の教会堂建築です。初代は4世紀に建築が始まり、時代を経てルネサンス期に再建計画が建てられました。 数々の計画の頓挫のあと、最後の建築家として白羽の矢がたったのがミケランジェロですが、そのとき彼はすでに71歳。もともと建築が本職でない彼は、建築が進まない大聖堂の一部を壊し、抜本的な手直しを進めます。その淡麗なドーム式建築は、他より際立った美しさで、現在もそびえ立っています。

カンピドリア広場

ミケランジェロは、現在の都市開発にあたる事業も行っています。ローマにあるカンピドリオ広場は、元々古代ローマから由緒のある場所でした。 ミケランジェロは、各所から古代彫刻を集め、敷石で文様をつくり、形の異なった建物を対角線上に配して式典にも使える晴れやかな広場を作り出しています。

同時代の人々からも「神のごとき人」と呼ばれた巨匠

ルネサンスの時代は、それまで工房の職人とされていた芸術家たちを、社会的地位の高い、歴史に記される人々として生まれ変わらせました。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロと並び、3大巨匠の一人として名を連ねているミケランジェロは、当時から芸術の神と崇められ、その後のヨーロッパ美術の礎を作ったのです。

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