アール・ヌーヴォーの華『ミュシャ』。代表作と作風を解説

2019.07.26

毎年のように展覧会が開催される大人気の画家『アルフォンス・ミュシャ』。いったいどのような画家なのでしょうか。この記事では、アール・ヌーヴォーの華と呼ばれるミュシャの代表作や、作品が見られる美術館をご紹介します。

ミュシャの人物と作風は

チェコに生まれたアルフォンス・ミュシャは、28歳でパリに出たのち演劇用のポスター『ジスモンダ』が大ヒットすると、アール・ヌーヴォー(※)の旗手として数々の商業ポスターや装飾パネルを手がけました。時代を代表するデザイナーとして活躍し、帰郷後には大壁画やステンドグラスも手がけています。

華やかな装飾紋様を背景に、美しく着飾った女性を躍動感いっぱいに描いた構図を得意とし、波打つ女性の髪や衣装の襞、咲き乱れる花々が作り出すアラベスク紋様は、アール・ヌーヴォーの代表的なスタイルとなりました。

(※アール・ヌーヴォー:19世紀末から20世紀初頭にかけ、フランスを中心として隆盛した芸術運動のこと。フランス語で「新しい芸術」を意味し、先進的な技法や素材を取り入れた)

ポスターだけじゃない、華麗なミュシャの代表作

稀代の女優やパリの民衆、そして故郷の人々に愛されたミュシャの芸術。その画業を代表する作品を厳選してご紹介します。リンクから実際の作品もご覧いただけます。

名女優サラ・ベルナールを描いた『ジスモンダ』(1894年)

フランスのベル・エポックを代表する女優サラ・ベルナールが主演を務めたヴィクトリアン・サルドゥー原作の宗教劇のために制作されたポスター。このポスターが街中に貼り出されると、ミュシャは一躍有名になったと言われています。

Gismonda

はじめて描いた装飾パネル『四季』(1896年)

それぞれの季節が美しい女性に擬人化されて描かれた装飾用パネル。花々と小鳥が「春」を、ケシの花と水辺が「夏」を、菊とブドウが「秋」を、降り積もる雪が「冬」を表現しています。大変な人気を集め、1897年と1900年にも制作されました。

Four Seasons

ミュシャ渾身の作『スラヴ叙事詩』 (1910~1928年)

1910年より故郷のチェコに帰国したミュシャが制作した全20点の壁画作品。小さいもので横5メートル、大きいもので横8メートルの巨大さで、チェコやスラヴ民族の伝承、神話、歴史がテンペラを用いて描かれています。2017年に来日し大きな話題となりました。

The Slav Epic

ミュシャの作品はどこで見られる?

展覧会以外でなかなか見ることのできないミュシャの作品は、多くの美術館で保存の観点から展示の機会が限られています。そんなミュシャの作品を常設展示している美術館を紹介します。

故郷チェコで楽しむなら「プラハ・ミュシャ美術館」

ミュシャのファンならいつか訪れてみたい画家の故郷チェコ。首都プラハで見られる壁画やステンドグラスと合わせて訪れたいのが「ミュシャ美術館」です。装飾パネルや商業ポスターだけでなく油彩画や素描など、日本ではなかなか見られない作品を鑑賞することができます。

プラハ・ミュシャ館ウェブサイト

日本で楽しむなら「堺アルフォンス・ミュシャ館」

ミュシャ専門の美術館が大阪府堺市にあるのをご存知でしょうか。ポスターに加えて、ミュシャデザインの工芸品や挿絵など充実のコレクションを随時展示しています。小規模ながら企画にも工夫を凝らし、グッズも販売しているので、ファンは何度でも訪れたい場所です。

堺アルフォンス・ミュシャ館ウェブサイト

話題のミュシャ展もぜひチェックして

2017年に開催されたミュシャ展には65万人もの来場者を集めました。そんな人気のミュシャ展が、2019~2020年には『みんなのミュシャ』と題した新しい切り口で全国巡回する予定です。マンガにも影響を与えたミュシャの芸術の魅力をぜひチェックしてみてください。

「みんなのミュシャ」展ウェブサイト

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