オペラの歴史を変えた傑作。『椿姫』のあらすじと魅力を解説します

2019.07.25

世界で最も人気があるオペラの1つと言われている『椿姫』。高級娼婦のヴィオレッタと貴族の青年アルフレードの愛を描いた名作です。この記事では椿姫の概要や簡単なあらすじ、物語の詳細をまとめてご紹介します。

オペラ『椿姫』とは?作品の概要

椿姫は、高級娼婦のヴィオレッタと青年貴族のアルフレードの不幸な愛が描かれた作品です。

オペラの名作『La traviata(椿姫)』

椿姫はジュゼッペ・ヴェルディによって作曲されたオペラです。原題は「堕落した女」を意味する「La traviata」。椿姫は日本版のタイトルで、作中にヴィオレッタがアルフレードに椿の花を渡すシーンが由来しています。

主な登場人物

  • ヴィオレッタ(ソプラノ):椿姫。高級娼婦をしている。
  • アルフレード・ジェルモン(テノール):椿姫に恋をする貴族の青年。
  • ジョルジョ・ジェルモン(バリトン):アルフレードの父。2人の中を引き裂こうとする。
  • フローラ(メゾソプラノ):ヴィオレッタの友人で高級娼婦をしている。
  • アンニーナ(ソプラノ) ヴィオレッタの召使(メイド)
  • ガストーネ子爵(テノール):ルフレードの友人。
  • ドゥフォール男爵(バリトン):アルフレードの恋敵でヴィオレッタのパトロン。

オペラ『椿姫』の魅力

椿姫はドラマチックな物語が魅力的です。椿姫以前のオペラ作品は、単純に声の美しさをメインに楽しむものでした。ヴェルディがオペラに物語を付けたことで、オペラの歴史が変わったと言われています。

また、劇中で歌われる曲はどれも美しい旋律が魅力で、歌詞が分からなくても、歌声と楽器の演奏を聴くだけで十分楽しめます。美しい曲と物語が結びついているため、思わず涙してしまう感動的な作品となっています。

オペラ版・原作小説・バレエ版の違い

椿姫は小説をモチーフにした作品ですが、原作との違いはどこなのしょうか?また、同じく小説をモチーフに制作された、バレエ版の違いもご紹介します。

原作小説とオペラ版の違いとは?

原作の椿姫は、作者の実体験を基に書かれた作品です。主人公は、作者のアレクサンドル・デュマ・フィスが交際していたマリー・デュプレシという女性がモデルと言われています。

オペラ版は、長編小説から重要な部分だけを抜粋しているため、非常に内容の濃い聴きごたえのある作品となっています。また、オペラへのアレンジはこの題材が世界中に広まるきっかけとなりました。

オペラ版と・バレエ版の違いとは?

「椿姫」はオペラ版のほかに、バレエ版があります。バレエ版も小説をもとに制作されており、振付家のジョン・ノイマイヤーが手掛けたことからノンマイヤー版と呼ばれています。

原作小説に忠実な構成となっており、オペラ版「椿姫」との関連性はあまりありません。作品内では、原作小説の時代背景に活躍していた作曲家であるショパンの楽曲を用いています。

オペラ『椿姫』の物語を詳しく解説

「椿姫」は、全3幕で構成されています。演奏時間は2時間20分程度ですが、劇場によっては一部をカットし、2時間以内で上映されることもあります。

第一幕 椿姫と貴族の青年が恋に落ちる

アルフレードはヴィオレッタに恋をしており、ガストン子爵の紹介により2人は出会います。皆がダンスを踊る中、ヴィオレッタは突然気分が悪くなり、一人部屋に残ります。アルフレードはそんなヴィオレッタを心配し情熱的に口説きますが、彼女は軽くあしらいます。

しかし、それでも純粋に愛を告白するアルフレードに、少しずつ恋心を抱くようになります。帰り際、ヴィオレッタはアルフレードに椿の花を渡し、「この花がしおれるころに」と再会の約束をします。

アルフレードは有頂天になって喜び、再会の約束を告げて去っていきます。ヴィオレッタは初めて感じる恋心にふけり、彼が運命の相手なのではないかとときめきを歌います。

第二幕 愛し合う二人は引き裂かれる

恋に落ちた2人はパリの田舎で平和に暮らしていました。生活するお金が苦しいことを知ったアルフレードは稼ぐためにパリに向かいます。ヴィオレッタのもとにはアルフレードの父ジェルモンが表れ、息子と別れるように頼みます。

ヴィオレッタは別れる決意をし、アルフレードに何も語らず去っていきます。 アルフレードは裏切られたと思い込み、怒りに満ちたまま復讐をするためヴィオレッタを追いかけます。

社交場で2人は再会し、アルフレードがヴィオレッタに復縁を迫ります。しかし、ヴィオレッタはパトロンの男爵と愛し合っていると嘘をつき、アルフレードは嫉妬のあまりヴィオレッタを罵倒してしまいます。ショックのあまりヴィオレッタは気絶し、父ジェルモンも社交場に現れ、それぞれが複雑な心境を歌います。

第三幕 再び二人は出会いクライマックスへ

ヴィオレッタは持病の肺結核が悪化し、死期が迫っています。 ジェルモンから受け取った手紙には、「アルフレードがすべてを知った」という事実が書かれていました。

手紙を読み終えると彼女は「もう遅い!」と嘆き、絶望の歌を歌います。アルフレードが病室にやってきて、再び共に暮らそうと語りますが、ヴィオレッタはふらつき倒れてしまいます。ジェルモンやアンニーナも駆けつけますが、どうすることもできません。最後に「ああ、何て喜び!」と叫び、一同が泣きわめく中、彼女は息絶えます。

『椿姫』はオペラデビューにおすすめの名作

オペラ「椿姫」は、分かりやすいストーリーと美しい旋律の歌が魅力の名作です。オペラファンはもちろん、これからオペラデビューする方でも楽しめる作品となっています。興味のある方はぜひ劇場に足を運んで、椿姫の世界観に浸ってみて下さいね。

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