軍艦島の写真の魅力とは?撮影スポットやおすすめの写真集も紹介

2018.10.03

軍艦島は、明治から昭和後半にかけて石炭採掘場として発展しました。近年では世界遺産にも登録され、当時の島内や現在の様子を収めた写真集なども多く出版されています。そんな軍艦島の写真とその魅力について紹介します。

軍艦島のあらまし

『軍艦島』とは、正式名称を『端島(はしま)』と言い、長崎市の西約19キロメートルの沖合に浮かんでいます。

現在は無人島ですが、島には当時の高層アパートや垂直の護岸堤防が残っており、全体の遠景がまるで軍艦に見えることから、軍艦島という名前で呼ばれるようになりまた。

採炭島として栄えた軍艦島は、1890~1974年に閉山するまで、多くの採炭労働者とその家族が暮らしていました。島内には16年に建てられた、日本初の鉄筋コンクリート造りのアパート群など多くの建物があり、現在も当時の姿のまま残っています。

約35年にわたって一般人の入島が禁止されていたので、島内の建物は解体などされておらず手つかずのままです。クルーズ船などを利用して島に降り立てば、さながらタイムスリップしたかのように、廃墟となった島内の様子が見学できます。

軍艦島の歴史

19世紀のはじめ、この島から石炭がとれることが判明し、90年代から本格的な採炭がはじまりました。

多くの人出を必要とする作業なので、最盛期には労働者と家族ああわせて約5千人以上が暮らしていたと言われています。島の人口密度は当時世界一で、現在の東京の9倍とも言われるほどになりました。

繁栄を極めた軍艦島ですが、時代のエネルギー需要が石炭から石油に変わるにつれ、採炭は衰退しはじめます。74年の1月15日に石炭採掘場が閉山してから、同年4月20日に全ての住民が島を去り、軍艦島は無人島となりました。

軍艦島撮影旅行をお考えの方は、まず軍艦島の歴史をたどってみると、また違ったインスピレーションを受けられるかもしれません。

軍艦島の歴史について。文化や特徴を知り理解を深めよう

世界遺産に登録された軍艦島

軍艦島は、『明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』として、世界遺産に登録されました。

九州や山口県など8つのエリアと23の施設が含まれており、日本の近代化に貢献したことが評価されての登録です。

軍艦島で採掘される石炭は非常に質が良く、採掘場が稼働していた84年間で合わせて約1570万トンが採掘されました。明治時代から昭和時代後期までの数々の激動の時代をエネルギー面で支えてきたことは間違いありません。

軍艦島おすすめの写真スポット

軍艦島へは、ツアーを運航している4社のクルーズ船で渡ります。しかし、島の周辺は波が高く、厳しい天候・安全の基準があり、島へ実際に上陸できるのは年間100日程度です。

そんな上陸が難しい軍艦島ですが、本島からも肉眼で観察できるので、上陸できない日でも撮影が可能です。撮影できるポイントとテクニックを紹介します。

夕陽が絶景の夫婦岩

国道499号線の海沿いをドライブしていると見えてくる、小さな鳥居が乗った岩は『夫婦岩』と呼ばれています。

国道沿いに車を停めるスペースが広く取られているため、車を停めて少し歩いてみましょう。2つの岩のちょうど間からは軍艦島が眺められ、写真撮影にぴったりです。夏至の季節には軍艦島へ向かって陽が落ち、美しい夕陽を見せてくれます。

スマホを使った写真撮影テクニック

この『夫婦岩』の近くには、トイレ完備の展望台があります。2階部分には無料の望遠鏡が設置されているので、そこから軍艦島を望いてみましょう。

写真撮影したいけど、スマホしか持ってこなかったという人は、望遠鏡のレンズにスマホのレンズを近づけると望遠鏡から覗く景色を撮影することが可能です。

天候によっては、望遠鏡からは鉄筋コンクリートの骨組みや工場の跡地がはっきりと見えますよ。

高浜海水浴場付近

『夫婦岩』から、国道499号線沿いをしばらく南下していくと到着するのが『高浜海水浴場』です。『日本の海水浴場88選』にも選ばれたビーチは、青く透き通った海に白い砂浜が美しいスポットです。

海岸沖からは、まさに軍艦島と呼ぶのにふさわしい形で島を眺めることができます。ここも、夕日の頃には軍艦島付近に陽が落ち、ため息が出るような絶景を見せてくれます。

昭和30年代当時の姿を撮影した写真集3選

今こそ廃墟の島として人気の軍艦島ですが、現在の人を今でも惹きつけるのは朽ち果てたコンクリートではなく、そこに残る人々の生活の跡なのではないでしょうか。

当時実際に暮らしていた人が、軍艦島での生活を切り取って作り上げた写真集を3冊紹介します。

人物主体の貴重な写真集、あの頃の軍艦島

『あの頃の軍艦島』は、著者・皆川隆さんが、島根県での草木に囲まれた生活から一変して、自然の少ない軍艦島へ移住した16年の間に撮影した写真を集めた写真集です。今の姿とは全く違う、生活感にあふれる島の様子を見ることができます。

小さな兄弟と離れて暮らしていたとのことで、被写体は子供や人物が多く、当時の人々の暮らしを感じることができます。白黒の写真で、どこか懐かしくページをめくるたびに心が締め付けられそうになるほど、生き生きとした人々の表情に注目です。

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当時の組夫が撮影、軍艦島30号棟夢幻泡影

16年に建設された日本最初の鉄筋コンクリートアパートである30号棟に、実際に住んでいたカメラマンによる写真集です。

当時の写真はモノクロで73点、そして40年後に訪れた際に撮影されたカラー写真26点で構成されています。

昭和の生活を感じる過去の写真は、モノクロのはずなのにたっぷりの臨場感があり、カラーなのに時が止まっている写真との対比が面白い一冊です。

  • 商品名:軍艦島30号棟 夢幻泡影~1972+2014~
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多くのカラー写真を収めた、軍艦島の生活

住宅学者であった西山夘三氏が戦後軍艦島へ訪問調査を行った際の、未公開写真や資料を公開したものです。

当時の幼稚園の内部の様子や、アパートの内部の様子などを住宅学者としての視点から観察しており、様子を記録しています。アパートの写真は見取り図も公開されているので、軍艦島での暮らしぶりを知る手がかりになるでしょう。

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軍艦島を撮る写真家を紹介

時代を感じる・記録に残したいなど理由はそれぞれですが、軍艦島に魅了され写真を撮るプロの写真家を紹介します。

軍艦島を撮り続ける酒井透

秘境探検家という肩書を持つ酒井透氏は、軍艦島で撮った写真集『未来世紀軍艦島』を出版しています。軍艦島では『黒』という色に魅了されたと語っており、写真撮影中は、島の各所で見えない声が聞こえてきたというエピソードを語っています。

長崎市から許可を得ており、これからも炭鉱の遺構をはじめ建物の数々を撮り続けられるそうです。

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TV番組に出演も多い写真家 佐藤健寿

『世界不思議地図』や『THE ISLAND – 軍艦島』など著書も多い佐藤健寿氏は、写真集『奇界遺産』『奇界遺産2』がベストセラーになるなど知名度も高い写真家です。

『THE ISLAND – 軍艦島』では、佐藤健寿氏ならではの迫力の写真が満載でオリジナルの感性で切り取った島の様子が詩とともに並んでいます。

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軍艦島の写真で貴重な遺産を後世に残す

軍艦島は最盛期には高層アパートが立ち並び、街の機能がすべて島内で完結するほど繁栄していました。今訪れるとその面影はまるでなく、栄華盛衰のはかなさを感じずにはいられません。

世界遺産として登録された軍艦島は、上陸しての写真撮影はもちろん、本島からでもカメラに収めることができます。あなたらしい軍艦島の写真を撮影してみてはいかがでしょうか。

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