モーツァルトのオペラ魔笛の有名曲「夜の女王アリア」とは?

2019.07.28

モーツァルトが手がけたオペラ「魔笛」の有名曲「夜の女王アリア」。世界で数名しか歌えないと言われるほど難易度の高い楽曲です。この記事では「魔笛」のあらすじや、「夜の女王のアリア」の解説、対訳をご紹介します。

オペラ『魔笛』の作品概要とあらすじ

(画像はイメージ)

魔笛は、天才作曲家・モーツァルトがその生涯の最後に手掛けた、彼の最高傑作と言われているオペラです。台本は、オペラ「オーベロン」や戯曲「エジプト王ターモス」を参考に、エマヌエル・シカネーダーによって手がけられました。1791年の初演から大好評で、現在でも上演回数がとても多い人気の作品です。

一般市民に向けたオペラ作品

魔笛は、シカネーダーが自分の一座のために制作した作品です。シカネーダの一座は一般市民を対象にしていたため、気軽に楽しめるよう、コミカルで分かりやすい物語となっています。また、初演当時はシカネーダー自身がおしゃべりな鳥刺し役・パパゲーノで出演していたそうです。

モーツァルトの最高傑作オペラ

魔笛の魅力は何といっても、楽しい物語にぴったりな楽曲の数々です。劇中では、モーツァルトの作品の特徴である軽快で美しい曲や、明るく華やかな曲がたくさん歌われます。特に夜の女王のアリアは、オペラを知らない人にも浸透している、非常に有名な楽曲です。

主な登場人物

  • タミーノ王子(テノール):主人公。パミーナに一目ぼれする。
  • パミーナ(ソプラノ):夜の女王の娘。タミーノと結ばれる。
  • 夜の女王(ソプラノ):世界征服をたくらんでいる悪い女王。
  • ザラストロ(バス):偉大な神官。
  • パパゲーノ(バス):おしゃべりな鳥刺し
  • パパゲーナ(ソプラノ):パパゲーノと結ばれる女性。

王子タミーノの冒険物語

舞台は古代エジプトの架空世界です。タイトルの「魔笛」とは、主人王の王子タミーノが、一目ぼれした女性パミーナを助けに行く際、受け取る不思議な魔法の笛から付けられました。最終的にタミーノとパミーナ、パパゲーノとパパゲーナが結ばれハッピーエンドで物語は終了します。

魔笛の有名曲『夜の女王のアリア』

(画像はイメージ)

アリアとは、登場人物の感情を表す、メロディーが特徴的な独唱曲(ソロ曲)のことを指します。物語の見どころ、聴きどころとなる重要な場面で歌われます。

魔笛で歌われるアリアの中で最も有名なのが「夜の女王のアリア」です。正式な曲名ではなく、登場人物の「夜の女王」が歌うアリアのため、このように呼ばれています。

第二幕で歌われるアリアが有名

夜の女王のアリアは全部で2曲あります。第一幕で歌われる「ああ、恐れおののかなくてもよいのです、わが子よ!」と、第二幕で歌われる「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」があり、一般的には第二幕のアリアの方が有名です。

そのため、「夜の女王のアリア」と呼ばれる場合は、一般的に「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」の方を指します。この記事でも、第二幕のアリアについての対訳や解説をご紹介します。

『夜の女王のアリア』が歌われるシーン

第二幕で、パミーナに「ザラストロを殺せ」と命じるシーンで歌われます。怒りや復讐心が乗せられた迫力のある楽曲です。特に歌唱力が求められるコロラトゥーラ(速いフレーズ)が聴きどころです。

『夜の女王のアリア』の音域・最高音は?

音域は2オクターブ、最高音はF6まで上がります。有名なコロラトゥーラの部分は、8分音符で音程変化がしています。とにかく難しい曲だということが試聴しただけでも分かります。

<Youtubeでの試聴> 夜の女王のアリア (魔笛) 復しゅうの心は地獄のように胸に燃え ルチアーナ・セッラ  Der Hölle Rache:こちら <CDを購入>

  • 商品名:夜の女王のアリア~コロラトゥーラの女王
  • 参考価格:999円(税込)
  • Amazon商品ページ:こちら

『夜の女王のアリア』歌詞の対訳と解説

(画像はイメージ)

第二幕で歌われる「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」の対訳をご紹介します。動画で視聴しながら歌詞をご覧になってみて下さい。

Youtube対訳動画(モーツァルト 《魔笛》 「夜の女王のアリア」 ルチア・ポップ):こちら

「夜の女王のアリア」対訳1

Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen, Tod und Verzweiflung flammet um mich her! Fühlt nicht durch dich Sarastro Todesschmerzen, So bist du meine Tochter nimmermehr.

地獄の復讐心が私の魂に煮えたぎる、 死と絶望がの炎が私の周りで燃え上がる!

お前がザラストロに死の苦しみを与えないのならば もはやお前私の娘ではない

出典:j-lyric.net

冒頭から迫力のある演奏とメロディに乗せて、ザラストロへの憎悪や復讐心が歌われます。自分の手を汚さず娘に殺させようとするなんて酷い母親です。

「夜の女王のアリア」対訳2

Verstossen sei auf ewig, Verlassen sei auf ewig, Zertrümmert sei’n auf ewig Alle Bande der Natur.

Wenn nicht durch dich Sarastro wird erblassen! Hört, Rachegötter, hört der Mutter Schwur!

永遠に縁は切れ、永遠に見捨て、 永遠に打ち砕かれるのだ、あるべきすべての絆は もしお前がザラストロの息の根を止めないなら

聞け、復讐の神よ 聞け、この母の誓いを!

出典:j-lyric.net

前半はコロラトゥーラが軽快に歌われ、後半から最後にかけては黒幕らしく、どっしりと迫力のある歌声です。

魔笛の有名曲「夜の女王のアリア」

(画像はイメージ)

夜の女王が歌い上げる「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、超絶技巧(とびぬけて高度な技術)が必要な非常に難しい楽曲です。魔笛の見どころの1つでもありますので、観劇に行く際はぜひ注目してみてください。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME