九州原産の「釜炒り茶」とは?作り方や美味しい入れ方を解説

2019.07.28

煎茶、番茶、玄米茶など、日本茶には様々な種類があります。京番茶のように地方特産のお茶もあり、日本全国で古くから愛されてきたのです。そんな地方茶の一つ「釜炒り茶」は九州原産のお茶です。この記事では釜炒り茶の作り方や飲み方などについてご紹介します。

釜炒り茶の産地はどこ?

釜炒り茶は、主に佐賀県や熊本県などの九州地方北部で栽培されています。

釜炒り茶の起源は中国の「蒸し茶」だといわれており、その手法(釜炒り製)は、中国歴「明」の時代(1368年 – 1644年)に日本に伝わったそうです。当時の九州地方が大陸との玄関口だったのもあり、中国から伝わった釜炒り製が深く定着したのでしょう。

嬉野茶と青柳茶

同じ九州地方のお茶ではありますが、釜炒り茶の中でも「嬉野茶」と「青柳茶」という2種類のお茶が特に有名です。嬉野茶は佐賀県「嬉野市」を中心に、青柳茶は熊本県や宮崎県で栽培されています。多少の違いはあれど、どちらも釜炒り茶であり大きな違いはありません。主に商品名(ブランド)と思っていいでしょう。嬉野茶と青柳茶。どちらも九州地方を代表する釜炒り茶といえます。

釜炒り茶の作り方

釜炒り茶は「釜で炒った」お茶です。茶葉を熱した釜(鍋)に入れて炒めます。そして、ある程度炒めてしんなりしたら取り出して、強く揉んで水分を出させます。他にも、揉むことで葉の繊維を壊し、茶葉の風味や香りが強く引き立つようにもします。最後に、揉んだ茶葉を天日干し、乾燥させれば完成です。

現在多くの釜炒り茶の製造工程は機械化され作業の簡略化がはかられているようですが、昔はすべて手作業で行われていました。炒める作業や熱い茶葉を揉む作業もすべて手作業で、熱気に耐えられる根気と熟練の技術で生まれたお茶だったのです。

釜炒り茶を作ってみよう

釜炒り製法はあくまでも作り方ですので、釜を鉄鍋やフライパンで代替することで自宅でも作ることはできます。非常に手間のかかる作業となりますが、自分で炒ったお茶の味は格別なものとなることでしょう。

  1. 油を引いた鉄鍋に茶葉を入れ、全体がしんなりするまで炒める
  2. 炒った茶葉を取り出し、押すようにして強く揉む。巻きずしなどで使われる「巻きす」で揉むのもおすすめ
  3. 強く揉んだら茶葉を天日干しにし、カサカサに乾燥させる。もし天日干しができないようなら、炒めると揉むを繰り返してカサカサになるまで乾燥させたら完成。

釜炒り茶は玉緑茶とも呼ばれる

釜炒り茶は精揉工程(形を整える工程)が無いことから、細長く丸まった状態の茶葉が出来上がります。丸まった様子が「勾玉」のような形状であることから、釜炒り茶のことを「玉緑茶」とも呼ぶようです。

他にも、細長く丸まった勾玉のような茶葉のことを総じて 「玉緑茶」といいますが、ほとんどが釜炒り茶であるため、玉緑茶といえば釜炒り茶が一般的です。

ちなみに、精揉工程を行う釜炒り茶もあり、その場合は「釜伸び茶」と呼ばれるそうです。見た目以外はほとんど違いの無い釜炒り茶ではありますが、茶葉の形状によって呼び方も違うのです。

釜炒り茶の美味しい入れ方

釜炒り茶は、80~90℃の温度が適切だといわれています。90℃の温度を測るのは難しいですが、沸騰した(100℃)のお湯を湯のみに入れ、再び急須に戻すと大体90℃となります。ついでに、湯飲みを温められるたり、一人分のお湯を測ることができるなど、一石三鳥ともいえるでしょう。

お湯を急須に戻したら、茶葉が開くのを待ちます。1~2分ほど蒸すことで、風味と香りがよく引き立つのです。複数人にお茶を注ぐ際は、風味の濃淡が出てしまわないよう均等に入れてきます。そして最後の一滴まで注げば、美味しい釜炒り茶を堪能することができます。

水出し茶もおすすめ

釜炒り茶は、水出しでも美味しくいただけます。

お茶に適しているのはミネラル分の少ない「軟水」です。ミネラルウォーターには「軟水」と「硬水」がありますのでよく確認してから使用してください。ちなみに、日本のミネラルウォーターは主に軟水が多いです。

水道水を使う場合には、一度沸騰させた水道水を使いましょう。カルキや炭酸ガスが抜けて、お茶の風味と香りを十分に堪能することができます。

保管はどうする?

乾物である茶葉は、湿気や熱、光によって変質してしまうことがあります。そのため、保管する際には、気密性が高い茶筒や真空パックに入れて保管することが大切です。直射日光の当たらない、涼しく乾燥している場所で保管しましょう。

量が多いなら100~200g程度に分けて保管すれば、湿気にくく使いやすくておすすめです。

ちなみに、湿気てしまった場合には、電子レンジで約10秒ほど過熱をすると水分が飛んでカサカサの茶葉に戻ります。加熱することで、ほうじ茶のような味わいにはなってしまいますが、美味しくいただけるでしょう。

釜炒り茶は九州原産の素朴なお茶

釜炒り茶は、煎茶などの蒸すお茶と比べると、あっさりした味わいが特徴です。生茶特有の青々しい香りで、よりお茶の風味を感じることができます。

九州原産の釜炒り茶は、他の地域では見かける事があまり多くはないので、普段から緑茶に慣れ親しんだ方でも、知らなかったという方がいるかもしれませんが、この機会に煎茶などとは違った風味が楽しめる釜炒り茶を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

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