旧約聖書に登場する「バベルの塔」って何?塔が意味することとは?

2019.07.28

古代、天空まで届くほどの高さを誇ったと言われているバベルの塔。旧約聖書に出てくるこの塔は、ゲームや絵画の世界でも題材に取り上げられていますが、果たして実在したのでしょうか?この記事ではそんなバベルの塔についてご紹介していきます。

バベルの塔とは?

バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔です。

物語の中で人間たちは、地上と天空をつなぐほどの塔を建設しようとします。しかし神は、人間の傲慢だと判断します。

そこで神は、人間達が協力できないように、それまで一つだった言語を複数に分けました。

これにより協力してバベルの塔を建設することができなくなり、人間達はバベルの塔の建設を放棄して散らばっていった、とされています。

このことから、空想的で実現不可能な計画のことを、皮肉を込めて「バベルの塔」と呼ぶこともあります。

バベルの塔は実在した?場所はどこ?

旧約聖書でバベルの塔について記述されているのは、箱舟で有名なノアの章の後(創世記11章)です。

このため、旧約聖書をそのまま解釈すると、「大洪水が起こった後の時代」にバベルの塔が建てられたことになります。

実際、偽典の「ヨベル書」には、このように書かれています。

「神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた。しかし人々は、これら新技術を用いて天まで届く塔をつくり、人間が各地に散るのを免れようと考えた」

また、バベルの塔が建設された場所は、バビロニア(現在のイラク南部、チグリス川とユーフラテス川下流の沖積平野一帯)だとされています。

この辺りはシュメール文明が栄えるなど、古代においていち早く知識や技術が発達した場所ですから、バベルの塔を建設しようと考えた人達がいても不思議ではないように思います。

このように、旧約聖書の内容を史実だと考えるならば、バベルの塔は大洪水後の時代に、古代のバビロニアで実在したことになるのですが…現在の定説では、「バベルの塔の話は神話であり、実在していない」とされています。

紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれた聖塔の遺跡と関連づける学者もいますが、それもごく一部であり、バベルの塔と断定された訳ではありません。

ちなみに、旧約聖書に書かれている洪水とノアの話も、厳密にいえば神話だと考えられています。

古代の地球で大洪水が発生したことは地質学的に証明されていますが、すべての動物をつがいにして箱舟に載せたという一連のノアのエピソードは証明されていません。(旧約聖書によると、大洪水時のノアの年齢は500歳を超えています)

バベルの塔の絵画やアプリもある

神話上の出来事とされているバベルの塔ですが、それをモチーフにした絵画やゲームアプリがあります。

まず、ピーテル・ブリューゲルという画家が「バベルの塔(大バベル)」と「バベルの塔(小バベル)」という二枚の絵を描いています。一般的に、バベルの塔の絵といえば、この二枚のうちのどちらかをイメージする人が多いのではないでしょうか。ちなみに、「バベルの塔(小バベル)」は、そこに描かれている人間のサイズから計算して、510mほどの塔をイメージして描かれているようです。

その他、ルーカス・ヴァン・ヴァルケンボルクや、アタナシウス・キルヒャー、ギュスターヴ・ドレといった画家もバベルの塔を描いています。

一方、ゲームの世界では、株式会社コロプラが「最果てのバベル」というタイトルをリリースしている他、任天堂のファミリーコンピュター用ソフト「バベルの塔」もあります。

前者は謎の塔がそびえ立つ世界を舞台としたロールプレイングゲーム、後者はアクションにパズル要素を加えたゲームです。

バベルの塔は人間への戒め

バベルの塔という建物が実在したという証拠はありませんが、このバベルの塔が人間の傲慢さや戒めを象徴するものだとすれば、宗教に関わらず、人間がこの物語から学ぶことは大いにあるのではないでしょうか。

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