人生論を唱えた文豪「武者小路実篤」の代表作とは?

2019.07.27

歴史の授業などできっと一度は耳にしたことがある武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)。武者小路実篤は、白樺派として志賀直哉らと明治・大正・昭和の長きに渡り文学活動を続けた文豪です。文学はもちろん、美術や思想など幅広い分野を題材にした作品群は、人々の心を惹きつけるものばかりです。この記事では、武者小路実篤の人物像や代表作について解説します。

武者小路実篤という人物像

武者小路実篤とは一体どのような人物なのでしょうか。代表作をご紹介する前に生立ちについて簡単に触れていきます。

日本を代表する小説家、武者小路実篤とは

武者小路実篤は、華族の家に育ち、その時代の子供達は入ることができなかった学習院初等科・高等学科を経て、東京帝国大学(現東京大学)へ入学しています。裕福な家庭に育ちつつも、文学・思想の世界に傾倒し、学生時代の同級生志賀直哉とともに文学誌「白樺」を創刊するとともに、階級闘争の無い世の中を作るための活動を行います。晩年は、美術への関心も高め絵画制作に勢力的に取り組んだことからも、いかに多くの事に挑戦をした文学家であったかをうかがい知ることができます。

武者小路実篤の代表作

それではそんな武者小路実篤の代表作品についてご紹介します。中でも武者小路実篤といえば「友情」「愛と死」の2作品が挙げられるのではないでしょうか。人生論を力強く唱えていた武者小路実篤ですが、男女の関係や友情など情に厚い部分も垣間見れる小説です。

純愛と死に直面して悲しむシーンが印象的な「愛と死」

「愛と死」は、まさにこの2つの事柄が集約された小説です。

主人公の村岡と夏子は恋に落ち、結婚の約束をしていました。しかし、村岡の旅の途中で最愛の夏子の悲報を聞くことになります。旅の途中でやりとりする手紙からはお互いに相思相愛で愛し合っていたことが文面より伝わってきます。その中の一文、「あなたのおまえより」という夏子の言葉はこれだけでどんなに想っているのか伝わってきます。

文通が唯一の愛を伝える手段だった昔の恋人達じれったくも切ない気持ちに苛まれたことでしょう。そのじれったさや純愛をストレートに感じるのがこの作品です。また、愛とは裏腹に愛する人の死に直面する村岡のやりきれない悲しむ姿が胸を締め付けられる思いに駆られる作品となっています。

リアルな三角関係を描いた「友情」

「友情」は、同じ文学を志す仲間と同じ女性を愛してしまうという男女の三角関係を題材に、友情と愛について語られた作品です。

こちらの作品も3人が手紙でそれぞれの思いを打ち明けていくという展開で、とてもリアルに描かれる心理描写に、読んでいる方がドキリとさせられます。ぜひ、実際のストーリーは小説で感じ取ってみてください。

武者小路実篤が残した名言

武者小路実篤は文学にも長けていましたが、詩人として名言も残しています。その中でも有名な名言をご紹介します。

短文なのに言葉の重みがある名言

武者小路実篤の名言は短文であるのに、重みがあるとして心に響くものが多いです。

  • もう一歩 いかなる時も自分は思う もう一歩 今が一番大事な時だ もう一歩
  • この道より我を生かす道はなし この道を行く
  • 自分の力に合うことだけしろ その他の事は おのずと道が開けてくるまで待て

など様々な名言や格言が残されています。名言だけでも力強さが伝わって来るほどに武者小路実篤の性格や気質が感じられます。

武者小路実篤の作品は現在も読みやすく、色褪せない

明治・大正・昭和を代表する小説家「武者小路実篤」は多くの作品と名言を残し、現在も色褪せることなく多くの人に愛読されています。リアルに描かれた実に人間的な心理描写は、心揺さぶられるものがあります。小説家であり、思想家であり、芸術家であり、詩人である武者小路実篤の代表作はどれも人生観や思想的なものが多いの特徴です。まだ読んだ事が無い方は、ぜひ人間味あふれる武者小路作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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