バイク乗りが知っておきたいライトの基本。種類やカスタム方法は?

2019.07.27

バイクの顔とも言えるヘッドライトは、さまざまなカスタムが楽しめます。ただし、光の色や明るさ、光軸などには細かい決まりがあるのを忘れてはいけません。各バルブの特徴やメリット、車検基準のポイントなどをご紹介します。

バイクのライトにはどんな種類がある?

バイクに使用されている主なライトはハロゲン・HID・LEDの3つです。ハロゲンは昔からあるタイプですが、最近はLEDを装備する車種が増えています。それぞれの特徴とメリットを理解しましょう。

長い歴史のあるハロゲンバルブ

ハロゲンバルブ(ランプ)は窒素やアルゴンなどの不活性ガスを電球内部に封入し、そこに微量のハロゲンガス(フッ素・塩素・臭素・ヨウ素など)を注入したタイプです。

電球内部には『フィラメント』という電熱線と、『タングステンフィラメント』とよばれる芯の部分が内蔵されています。タングステンフィラメントに通電するとフィラメントが白熱化して発光する仕組みです。

ハロゲンバルブには以下のメリットがあります。

  • HID・LEDより光に温かみがあり、直視してもまぶしすぎない
  • 交換方法が簡単で、価格が安価
  • 必要以上に路面を照らさず雨天時も十分な視認性を確保できる
  • 冬場は熱で雪が溶けやすい

一方で、HID・LEDよりも明るさがやや弱いのがデメリットです。『フィラメントが切れる=球切れ』で、HID・LEDに比べ寿命はそれほど長くありません。

明るい光を得られるHIDライト

HIDライトは『高輝度放電ランプ』と呼ばれます。ハロゲンバルブがフィラメントの発熱によって発光するのに対し、『HIDライト』は電極間の放電を利用する『アーク放電』によって発光します。

具体的には、電極から放出された電子が対極に向かうとき、内部に封入された水銀とアルゴンガスの水銀原子が光を放出する仕組みです。

  • フィラメントを使わないため、ハロゲンよりやや寿命が長い
  • エネルギー効率がよく、少ない消費電力で明るい光が得られる
  • 光束が大きい
  • 一瞬でパッと明るくなる

デメリットは、内部に水銀を含むため、破損時に有毒物質が漏れる可能性がある点です。電圧を伴うので、配線が素人では難しい場合もあるでしょう。ハロゲンよりも熱をもちやすく、反射板やレンズを溶かしてしまうトラブルもゼロではりません。

最も新しいLEDライト

『LEDライト』は光源に発光ダイオードが用いられています。これは電気を流すと発光する『半導体素子』のことで、簡単に言えば、プラスとマイナスの電気が結合することで電気エネルギーが光に変換される仕組みです。

熱を光に変える白熱電球や蛍光灯は、熱を発生させるために一定量の電力を要しますが、LEDは流れている電気を光に変換するのでその必要がありません。発光効率がよく、低消費電力の代表格にもなっています。

  • 寿命が長い
  • 点灯消灯を繰り返しても寿命に影響しにくい
  • 消費電力が少なく、発熱も少ない
  • 紫外線の放出が極めて少ない
  • 振動・衝撃に強い

一方で、他のライトと相対して価格が高く、色温度の調節も難しいのがデメリットです。熱を発しないためライトに雪が付着しても溶けず、明るさが遮られる可能性があります。

バイクのライトは常につけないとダメ?

バイクのヘッドライトは昼間・夜間に関わらず常時点灯するものが多いですが、常につけておく必要はあるのでしょうか?保安基準の内容を確認してみましょう。

昼間のヘッドライト点灯は義務

バイクの場合は、一部を除き昼間のヘッドライト点灯は義務化されています。これは、公道でのルールを定めた道路運送車両法の『保安基準32条(前照灯等)』に明記されています。

そもそも、最近のバイク(日本製)は、ライトのオン・オフスイッチがなく、エンジンをかけただけで常時点灯する構造です。そのため、整備不良にさえ気をつけていれば神経質になる必要はないでしょう。

なお、常時点灯が標準のバイクにオン・オフ可能なライトスイッチを後付けし、日中無灯火で走った場合は違反になります。改造した時点で違法改造とみなされるので注意しましょう。

昔のライトスイッチがある車種

昼間の常時点灯は義務と述べましたが、昔のライトスイッチがある車種は例外です。道路運送車両法が改正されたのが1998年なので、これ以前に製造されたバイクは法令の適用外と言っていいでしょう。

昔の車両はライトスイッチのオン・オフの切り替えが可能でした。常時点灯が想定されていないため、日中つけっぱなしにしておくと、バッテリーに負担がかかってしまうのです。

ヘッドライトの車検基準

ヘッドライトの光は自分が道を確認しやすいのはもちろん、対向車にとってまぶしすぎず、かつ認識しやすいものでなければなりません。ヘッドライトを交換する際は車検基準を参考にしましょう。

発光色は白色が基本

ライトの発光色は、白色が基本で、赤や青、オレンジといった色味は明るさにかかわらずNGです。

しかし、2005年以前の法令では『白色または淡黄色』と定められていたため、2005年12月31日以前に製造された車についてはこの限りではありません。

光の色は色温度といい、『ケルビン数』によって数値化されます。ケルビン数は白から青に近づくほど高くなり、白から黄色へと近づくほど低くなります。白を6000Kとすると、4300K前後が『黄味あり』、6850Kは『青白』となります。

車検では具体的なケルビン数は決まっていませんが『青味が入っていると通りにくい』と覚えておきましょう。

位置や個数、明るさなど

2灯式の場合、位置や個数・明るさは以下のように決められています。

  • 数:ハイビーム2個以下、ロービーム2個以下の合計4個以下
  • 位置:ライトの中心を左右対称にする(デザイン・色・明るさ)
  • 明るさ:15000cd(カンデラ)以上

以上に加え、1998年12月31日以降に製造されたバイクは、走行中に消灯できない仕組みである必要があります。

光軸調整の基準

『ヘッドライトの光軸』とはヘッドライトが照らす方向のことです。単に明るければいいわけではなく、決められた光軸の向きを満たす必要があるのです。

たとえば、ハイビームは『夜間前方100m先の交通上の障害物を確認できること』、ロービームは『夜間前方40m先の交通上の障害物を確認できること』が必須条件です。

また、車検には『ヘッドライトの光軸調整』という項目があります。1m・10m離れ、壁にハイビームした際の光軸のズレを測るもので、以下の基準で判断されます。

  • 左右:27cm以内に収まっていること
  • 上:10cm以内に収まっていること
  • 下:地上からライトまでの距離のうち20%以内に入っていること

光軸のチェックは自宅でも簡単に行えます。ヘッドライトを付け替えたときは忘れずに行いましょう。

バイクのライトをカスタムするには?

「標準装備のライトをもっとおしゃれに見せたい」「発光効率を上げて電力を消費させたい」という人は、保安基準の範囲内で以下のようなカスタムを試してはいかがでしょうか?

ライトカバーでレトロ風にアレンジ

ライトの表情を変えるマスクとも言えるのが『ライトカバー』です。明るさや色、光軸の位置はそのままに、さりげない個性がプラスできるので、初心者にぴったりのアイテムといえるでしょう。

たとえば、こちらの『ヘッド ライトガード』は重厚感のあるシンプルなカバーで、装着するとレトロな雰囲気が演出できます。カブや原付との相性も抜群で、転倒時にライトを守る役割も兼ねているのも◎です。

  • 商品名:ヘッド ライトガード
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ヘッドライトの形を変えてアレンジ

ヘッドライトの形自体を変えて、全体的なイメージをがらりと変える手もあります。

たとえば、『ベーツライト』は純正よりもコンパクトな円錐形で、ライトカスタムの定番です。ビンテージ系から都会系まで幅広くマッチするので、失敗が少ないと言えるでしょう。

同じく円錐形ですが、ボディ本体が長めの砲弾型をした『バレットライト』はアメリカンタイプによくマッチします。

そのほかに、逆三角形の『トライアングルライト』や四角形の『スクエアライト』、ビンテージ感満載の『ユニティヘッドライト』などがあり、ライトだけでもさまざまなカスタムが楽しめるでしょう。

内部の電球をLED化など

現在のバイクの多くは、寿命がずば抜けて長いLEDのライトを備えています。伝統的なハロゲンランプをLED化すれば電力の削減にもなるでしょう。

LEDヘッドライトのバルブはハロゲンバルブに比べて大きく場所を取ります。前方に熱を冷却するファン付きのタイプもあり、設置するスペースの有無が重要になるでしょう。LED化するときは、この1点を忘れないようにしてください。

バイクのライト交換方法

バイクのライト交換に必要な工具と一連の流れを説明します。取り外し・取り付けともに難易度は低めですが、部品を外した順番を忘れないようにするのがポイントです。

用意するもの

  • ヘッドライトバルブ
  • ドライバー
  • 雑巾・シリコンスプレー

準備する工具はごくシンプルです。ヘッドライトバルブは車種の規格にあったものを購入しましょう。

レンズの取り外し

プラスドライバーを使ってライトケースの左右の下側にあるネジを緩めます。ライトのレンズがリムと一緒に外れるので、下に落として割れないように注意しましょう。

レンズ部分にはソケットが付いているので、垂直にして取り出します。この時、無理に引っ張り出すと断線や接触不良の原因になるので、必ず垂直方向に動かすようにしましょう。止水キャップ、バネの金具などを外した後にバルブを外します。

ヘッドライトバルブがスプリングで固定されている場合は、スプリングを押しながら反時計回りに回します。カプラーが付いている場合はツメを外してからバルブを外してください。

交換用バルブを取り付ける

交換用バルブを取り付ける前に、汚れや錆びを綺麗に落とします。バルブを取り付けた後は、外したときと逆の手順でセットしていきましょう。

取り付け後はライトが問題なくつくかどうか、光軸にズレはないかをチェックします。細かい調節に自信がない人は、既存と同じタイプのバルブを使うか、バイクショップに依頼しましょう。

保安基準の範囲内でライトのカスタムを楽しんでみよう

ライトの交換は初心者でも取り入れやすいカスタムです。ヘッドライトの形を変えたり、カバーを付けたりして自分らしさを表現しましょう。

ライト自体を交換するときは、車検基準に合っているかを確認します。青白い光を好む人もいますが高い確率でNGになるので、行き過ぎた冒険はしないほうがいいでしょう。

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