「オペラ座の怪人」の原作となった小説とは?

2019.07.22

ミュージカルの代表作として世界的に有名な「オペラ座の怪人」には、原作小説があります。1910年にフランスで書かれた小説で、実在のオペラ座の噂話にインスピレーションを得て書かれた作品です。この記事ではそんなオペラ座の怪人の原作の魅力に迫ります。

オペラ座の怪人の原作との違い

ミュージカルの「オペラ座の怪人」は、原作の複雑なストーリーや登場人物をシンプルにし、クリスティーヌと怪人を中心とした華やかなラブロマンスとして構成しています。

一方、原作小説のオペラ座の怪人は、複数の登場人物の視点から構成されたノンフィクションのテイストになっています。当時のオペラ座で実際にあった噂話からインスピレーションを得て執筆されました。

実際のオペラ座の構造、建築の経過、当時の陰惨な事件などからヒントを得て、怪奇的かつミステリアスな小説が完成しました。

ミュージカルでは原作に登場する人物の多くが省略されていますが、その最たるものが謎のペルシャ人のダロガです。原作小説ではダロガは後半の事実上の主役級かつ謎解き役として活躍しますが、ミュージカルにおいては登場しません。

また、小説においては登場人物の心理描写がより細かいのが特徴です。恋人の謎の行動に苦しむラウルの葛藤、自分の醜い素顔とクリスティーヌへの愛に悩むエリックなど、それぞれの心情が把握しやすくなっています。

オペラ座の怪人の原作のあらすじ

原作の舞台は1905年のパリです。謎の怪人が地下に住み着いているという噂のあるオペラ座において、若手歌手のクリスティーヌは謎の「天使の声」に導かれて歌唱力を高めていました。

ある日、怪人からオペラ座の支配人宛に、劇の主役に我儘なプリマドンナのカルロッタではなく、クリスティーヌを起用するように要求があります。

支配人がこれを無視してカルロッタを主役にして公演をすると、カルロッタは公演中に声を失い、巨大なシャンデリアが落下して死者が出るという惨事が起こります。

ある日、クリスティーヌは怪人にさらわれてオペラ座の地下室に連れていかれます。怪人はエリックと名乗り、クリスティーヌが自分を愛することを望みますが、クリスティーヌに剥ぎ取られた仮面の下にはミイラのような素顔がありました。

裏切らないことを条件に解放されたクリスティーヌは、謎の「天使の声」の正体が怪人のエリックであることを知ります。秘密を打ち明けられた幼馴染のラウルはクリスティーヌを守ろうとしますが、再び彼女は怪人にさらわれてしまいます。

オペラ座の怪人の原作の著者について

オペラ座の怪人の原作小説の著者は、フランスの作家のガストン・ルルーです。1868年にパリの富裕な衣料品店に生まれ、ロー・スクールに入学して弁護士資格を取得した後、パリの新聞社に入社して記者として活躍しました。

法廷記者、劇の評論家、海外特派員などとして活躍する傍ら、1900年代の初頭から怪奇小説などを書き始めました。

1907年には週刊の新聞紙の付録として推理小説の「黄色い部屋の秘密」を連載し、読者から高い人気を獲得しました。同作はミステリー小説における密室トリックの金字塔として高い評価を得ています。

オペラ座に関する噂話をもとに、「オペラ座の怪人」の原作小説を発表したのは1910年です。これも評判となり、イギリスやアメリカなどの新聞に連載されたほか、1925年に映画化されて大ヒットしました。

その後も主に推理小説や怪奇小説を執筆しつつ、SF、ファンタジー、歴史小説なども手掛けました。1925年に健康を害した後も執筆を続けましたが、尿毒症のため1927年その生涯に幕を閉じました。

オペラ座の怪人の原作の魅力に触れる

ミュージカルの名作であるオペラ座の怪人の原作は、1910年にフランスで書かれた怪奇小説です。当時のオペラ座の噂話などをもとに書かれた小説で、ミステリーを得意とする著者によるミステリアスなストーリー展開が大きな特徴になっています。

登場人物の心理描写も巧みなので、ミュージカルのオペラ座の怪人の世界観をもっと掘り下げたい場合は、ぜひ一度原作小説も手にとってみてください。

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