意外と知らない中国茶の美味しい入れ方。必要な茶器も紹介

2019.07.20

長い歴史を持ち茶葉の品種も豊富なら、茶器の種類もさまざまな中国茶は、どのように入れれば美味しく味わえるのでしょうか。実際の入れ方も含め、茶器や道具、茶葉の個性についても触れていき、中国茶の美味しい入れ方について解説してます。

中国茶を入れてみよう

中国茶には厳しい作法や、こうしなければならないというような決まった方法はありません。しかし、特に茶器を使って入れる場合には中国茶器特有の使い方に戸惑うものです。

そのため、まずは基本的な容器を使う際に、どのような入れ方をすればいいのか解説していきます。なお、ホットで入れる方法を紹介していますが、茶葉によっては水出し出来る中国茶もあります。

茶壺で入れる場合

最初に紹介するのは茶壺(チャフー)と呼ばれる、中国茶における急須のような茶器を用いた本格的な入れ方です。

まず茶壺を、茶盤と呼ばれる盆の上へ置き、茶壺を含めお湯を入れて容器を温めます。十分温まったらお湯を捨てて、茶壺の底が見えなくなる程度に底に茶葉を薄く並べていき、上からいっぱいになるまでお湯を入れてください。

茶壺にお湯を注いだら蓋をし、蓋の上からさらにお湯をかけ、茶壺全体を熱したら、濃くなりすぎないうちに茶海(ピッチャー)や茶杯などの容器へ注ぎ、後は飲むだけです。

今回は専用の茶器を使う前提で書いていますが、例えば茶盤は別のものでも代用可能ですし、茶器のすべてを揃える必要はありません。また、3gから5g程度の茶葉に、150ccから200cc程度のお湯を入れ、40秒から2分程度蒸らす方法もあります。

蓋碗で入れる場合

次に紹介するのは中国茶の中では一般的な手法として知られる、蓋碗(ガイワン)と呼ばれる蓋付きの茶碗を使って入れる方法です。

蓋碗でお茶を入れる場合には、蓋碗にあらかじめお湯を入れて温めておきます。

十分温まったらお湯を捨てて、きちんと計量する場合には3gから5g程度の茶葉にお湯を150ccから200cc程度、目分量の場合には注ぎ込むお湯の25%程度の茶葉を蓋碗の中に入れましょう。

茶葉を入れられたらお湯を注ぎ込んで蓋をセットして蒸らしていきます。茶葉が蓋碗の底に沈み、2分から3分程度経過したら飲み頃です。

飲む際には、蓋を使って茶葉を避けつつ蓋碗から直接飲む方法や、入れたお茶を蓋碗から、ピッチャーである茶海(チャーハイ)に移し替え、他の器に改めて注いだりする方法などがあります。

グラスで入れる場合

最後に紹介するのは、耐熱グラスを使って入れる方法です。耐熱グラスで入れる場合には、他の茶器と同様あらかじめお湯を注ぎ、耐熱グラスを温めておきます。

十分に器が温まったら、お湯を捨てて茶葉を少量耐熱グラスの中へ投入し、お湯を注ぎ込みましょう。このとき、耐熱グラスの側面から茶葉の踊る様子が見えるのが特徴で、茶葉が底に落ち着き、色が十分出たら飲み頃です。

なお、1杯では足りないときには、まだお茶が残っているうちにお湯を継ぎ足して飲むと、あまり茶葉を飲まずに済みます。

中国茶を美味しく入れるポイント

ここまでは茶器などを使って中国茶を入れる方法について紹介してきましたが、一口に中国茶といっても数多くの茶葉と銘柄があり、それぞれに美味しく入れるための方法は違ってきます。

そのため、より詳細に美味しく入れるためのポイントに触れていきます。予め言ってしまうとポイントは、茶器の選び方と、茶葉によってお湯の温度を適切なものとすることです。

茶器をしっかりと選ぶ

中国茶には、主に発酵度合いによって新鮮でフレッシュな味わいの緑茶から、発酵させたものを、さらに微生物を使って熟成させた香り高い黒茶まで、6種類の分類があります。

茶葉の個性を活かすためにも、茶器をしっかりと選ぶことが大事なポイントとして考えられ、前述の道具では茶壺は黒茶や青茶に、蓋碗は緑茶・白茶・黄茶・花茶に、耐熱グラスは緑茶・白茶・黄茶に向いているといわれています。

また、本格的な場合には、茶葉ごとに専用の茶器を用意したりすることもあるようです。

湯の温度を適切なものにする

茶葉ごとにお湯の温度を変え、湯の温度を適切なものにすることも重要なポイントです。その傾向としては、発酵度合いに応じて進んでいるものほど高い温度が適していると考えられています。

緑茶や白茶・黄茶など発酵度合いが低い茶葉は、熱湯ではなく『75度から85度程度』、新鮮な風味も残した青茶の場合は『85度以上』、紅茶や黒茶など十分に発酵した茶葉には『熱湯』を用いると、茶葉の個性が際立つでしょう。

中国茶を入れる道具とは

蓋のある茶碗のような蓋碗や、急須のような中国茶を入れるための茶器として茶壺がこれまでにも文中に登場していましたが、長い歴史を持つ中国茶には、当然中国茶を楽しむための道具も独自の発展を遂げており、専用の茶器がいくつもあります。

中国茶に使われる茶器は5種類

中国茶に使われる茶器は多様ですが、基本的なものはそこまで多くありません。

主要なものに限ると、茶を入れて蒸らしそのまま飲める『蓋椀』、小ぶりのものが多い『茶壺』、清の時代の酒器に影響されたとも、コーヒーピッチャーが元という説もあるピッチャー『茶海』の3点がまず挙げられます。

そこに、大小さまざまなサイズのある『茶杯(チャーペイ)』、飲む前に茶を注ぎ込んで器に映した後、香りを味わう『聞香杯』の2種類を加えた5種類が主要な茶器です。

その他使われる道具

また他に使われる道具としては、茶盤も優先順位の高い茶器です。

中国茶では器そのものにお湯をかけて温めたり、お湯やお茶を流したりすることが多く、茶盤があればその場で流すことが出来ます。茶盤を使うことで一気に本格的に見えるため、中国茶で誰かをもてなす際には話の種になることもあるでしょう。

また、他に使われる道具としては、温めるために使ったお湯などを受けるための『茶船』、茶葉を保管しておくための専用の茶器『茶罐』が挙げられます。

茶器とそれぞれに合ったお茶の種類

大雑把な茶器の使い分けには既に触れましたが、本格的な場合には茶葉ごとに専用の茶器を用意するとも書いた通り、茶器にもそれぞれにあったお茶の種類があります。

茶壺の場合を一例にあげると、茶色がかった朱いが特徴的な朱泥(シュディ)という種類の茶壺は、緑茶や比較的軽い発酵の烏龍茶、プーアル茶が向いているとされています。

一方、段泥と呼ばれる二重の構造を備えた茶壺では、緑茶・烏龍茶・プーアル茶に加えて紅茶が合うとされており、同じ茶壺であっても合うお茶の種類は異なってくるのです。

そのため、茶葉ごとに茶器も使い分けると良いと考えられます。

茶器のおすすめブランド

茶器ごとに向いた茶葉もあるとわかったところで、いくつかおすすめの茶器ブランドを紹介します。

宜興の紫砂壺

最初に紹介するのは宜興(ぎこう)の紫砂壺(しさへい)と呼ばれる、信楽焼きや備前焼きと同じ焼成方法によって作られている茶器です。

宜興の紫砂壺は、中国東部の省「江蘇省」にある宜興市郊外で作られている紫砂の陶器で、一説によれば5000年以上の歴史があるといわれています。

紫砂壺が渋味やアクを吸い取ると考えられていることから、これでお茶を入れると美味しくなるとも謳われており、そのことも一因となって広く知られています。

景徳鎮の玲瓏

もう一つ紹介するのは、世界的に著名な磁器の名産地である江西省景徳鎮で生産されている、玲瓏(レイロウ)という茶器です。

焼き込まれた痕跡がホタルのように見えるここから、日本では「ホタル焼き」の名もついています。

この他にも景徳鎮では、青花を染みつけた茶器などが生産されています。

中国茶の美味しい入れ方を知ろう

実際に中国茶を入れる方法から始まり、茶器や茶葉の特性、美味しい入れ方やおすすめの中国茶器についても触れてきました。

中国茶には日本茶と違って細かな作法や厳粛な決まりはなく、楽しむことが重要です。方法や茶器のブランドにこだわりすぎず、自分に合った方法で中国茶を楽しんでください。

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