日本最古のお笑いとは?狂言の有名な演目を紹介

2019.07.21

日本最古の喜劇である狂言。成立した室町時代から現代に至るまで、能とともに当時の伝統を守りながら演じ続けられています。近年は有名狂言師の方々のメディア露出も高まっているので、狂言に興味を持っている方もいることでしょう。そこでこの記事では狂言とはどのようなものなのかを知っていただくため、狂言の有名な演目をピックアップしてご紹介していきます。

狂言の演目数

狂言の演目は室町時代までに作られたものが現在まで受け継がれています。その中でも武士や公族貴族たちに親しまれ、繰り返し演じられてきたものを「現行曲」と呼びます。狂言の演目をご紹介する前に、まずは現在も演じられている現行曲について学んでいきましょう。

現行曲だけで254曲

現在演じられている狂言の現行曲は、なんと254曲も存在しています。歴代の狂言師たちは、それらの演目の中からどれが指名されても演じることができるように努力を重ねてきました。新しく作られた演目も存在していますが、過去の狂言師と同様に現代の狂言師も、膨大な数の現行曲を日々稽古を積んでマスターしているのです。

狂言の有名な演目

根っからの狂言ファンならまだしも、初めて狂言を見にいく方は254曲ある現行曲のうちどれを選べば良いか迷ってしまうはずです。そこでここからはそんな狂言初心者の方に向け、数ある人気演目の中から特におすすめの演目を厳選してご紹介します。

棒縛

棒縛は、1916年に初演された比較的新しい演目です。自分の留守中にお酒を盗んで飲んでしまう癖がある太郎冠者と次郎冠者に困り果てた主人が、出かける際にそれぞれの手を紐と棒に縛り付けますが、2人は器用にお互いにお酒を飲ませあい踊り騒ぎます。棒に縛り付けられながら、なんとかお酒を飲もうとする2人の愛嬌ある演技が見所です。

柿山伏

柿山伏は、そのストーリーの内容から、児童向けの教育教材としても扱われている演目です。山で修行して法力(超能力)を身につけた山伏が、帰り道にお腹をすかせて農家の持ち物である柿の木に登って柿を食べてしまいます。そこにやってきた農民が木の上にいる山伏を動物と勘違いし、動物の名前を呼びます。その度に動物の声真似する山伏の滑稽さが本作1番の笑いどころです。

仏師

仏師は、ストーリーがシンプルでわかりやすく、狂言初心者にも人気がある演目です。寺を建立した田舎者が安置する仏像を買いに都にやってきますが、そこで仏師を名乗る詐欺師に引っかかってしまいます。そうとは知らずに田舎者が出来上がった仏像を見にいくと、ところどころが不自然で触ってみると生暖かいことに気づきます。そこから始まる2人の押し問答が笑いを誘う演目となっています。

狂言のデビュー演目「靱猿」

靱猿は、狂言師を目指す子供がデビュー演目として、必ず出演することで知られている演目です。猿使いを見つけたわがままな大名が猿を靱(矢筒)に使うからよこせと命令し、猿使いが逆らえずに猿を殺そうとすると、その仕草を芸の合図と勘違いして勝手に芸を披露し始めるという、いかにも狂言らしいストーリーとなっています。

1演目の時間

狂言を見にいく際に1演目の時間がどれくらいなのか気になる方もいるのではないでしょうか。そこでここからは補足事項として、狂言の演目にかかる時間について紹介していきます。

長くとも30分程度

狂言は能とセットで「能楽」として公演される場合がほとんどです。この場合は基本的に能をメインとして捉えることになります。そのため1時間半ほどかかる能の公演に対し、狂言の公演は長くとも30分程度というのが一般的です。短いストーリーならば15分程度で終わるものもあるため、あっさりと笑いを楽しむことができるでしょう。

狂言の演目はハズレなし

狂言は現行曲だけで200曲を超える膨大なレパートリーを持っています。今回はわかりやすく人気の演目をご紹介しましたが、数百年もの間人気を集めてきた作品群はどれを取ってもハズレなしです。ぜひこの記事を糸口に、魅力溢れる日本最古の「笑い」への関心を深めてみてはいかがでしょうか。

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