男性だけど音楽の母?バロック音楽の祖「作曲家ヘンデル」の代表作

2019.07.20

ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685年~1759年)はドイツの作曲家。イギリスで活躍した作曲家です。「音楽の父」といわれたバッハと共にバロック音楽の時代を築いた重要な音楽家のひとりです。それにしても、なぜ男性でありながら「音楽の母」と呼ばれているのでしょうか?

ヘンデルの生涯

バッハ、ヘンデル、スカルラッティの3人は1865年に生まれ、鍵盤楽器奏者として活躍しました。イタリア・オペラの作曲家であったスカルラッティの父親から影響を受け、カンターターの作曲に励んだといわれています。

バッハとヘンデル

バッハはドイツから離れませんでしたが、ヘンデルは早い時期からその当時音楽の最先端の地であったイタリアで活躍し、イギリスに渡って生涯のほとんどを過ごしました。

またヘンデルはドイツ語、イタリア語、英語、フランス語も話せたといわれ、若い時からオペラやオラトリオを中心に活躍し、劇場で大衆に聴かせる音楽を書いていた作曲家でした。

バッハは2度ヘンデルに面会を求めましたが、すれ違いや何らかの事情があり、同じ時代に活躍しながらも生涯会うことができなかったと言われています。

「音楽の母」と表現するのは日本だけ

日本では、バッハを「音楽の父」と表現するのに対し、ヘンデルを「音楽の母」と表現することが多いですが、実は欧米にはこのような表現を用いられることはなく、バッハと同じ時代に同等の活躍をした存在として位置づけるために独自で考えらた呼称だと言われています。

ヘンデルの代表作

バッハと並びバロック音楽時代の大作曲家ヘンデル。ヘンデルが生涯を通じて書き発表した膨大な作品群の中から代表作をご紹介します。

ハープシコード組曲 第5番 ホ長調 HWV 430

4楽章から成る第5番。第1楽章「前奏曲」第2楽章「アルマンド」第3楽章「クーラント」第4楽章「エアと変奏」-通称「調子の良い鍛冶屋」

調子の良い鍛冶屋

終曲の「エアと変奏」に付けられた通称。日本では「調子の良い鍛冶屋」という タイトルで親しまれていますが、訳の解釈が「お調子者の鍛冶屋」と誤解されないように「愉快な鍛冶屋」というタイトルも使われています。愉快にハンマーを叩く音が鍛冶屋の音として響くようなところから付いた楽しい作品です。

水上の音楽 ヘ長調 HWV 348

イギリス王国ジョージ一世がロンドンのテムズ河で舟遊びをしたときに野外演奏されたものです。大勢のオーケストラは1艇の手漕ぎのボートの上で夜通し演奏したという前代未聞のコンサートだったといわれています。

オラトリオ「メサイア」HWV 56

メシア(救世主)の英語読みに由来しています。イエス・キリストの生涯を題材として書かれた作品で、独唱、重唱、合唱で構成されています。バッハの「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」と並ぶ宗教的な作品です。

第44曲 合唱 ハレルヤ・コーラス

メサイアの中で最もよく知られている作品です。作曲者がヘンデルだと知らなくても曲はご存知の方も多いと思います。

第2部の終曲「ハレルヤ」が演奏されたときに国王ジョージ2世が感動のあまり立ち上がって拍手したので、観客は総立ちになり拍手を送りました。今日のスタンディング・オベーションの起こりといわれています。

歌劇「セルセ」HWV 40

ヘンデルが最初に書いたオペラでコミカルな内容を持った作品です。ペルシャの若き王セルセは、プラタナスの樹の陰でよく休んでいました。プラタナスの木陰への愛を歌うアリアが広く親しまれています。

オンブラ・マイ・フ(樹木の陰で)ヘ長調

第1幕の中の有名なアリアです。プラタナスの木陰で、ペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)によって歌われます。「ラルゴ」ともいわれ、ゆったりとしたテンポで抒情的に歌われるのが印象的です。声楽の学習者がイタリア歌曲を学ぶときの題材としても有名。

こんな木蔭は 今まで決してなかった 緑の木陰 親しく、そして愛らしい、よりやさしい木蔭は

ヘンデルを題材とする作品

ここからはバロック音楽を楽しめる映画をご紹介します。

映画「ヘンデルの生涯」1985年

晩年のヘンデルが少年時代からの過去を回想します。リューベックの作曲家ブクステーフーデを訪ねたり、ローマでスカルラッティとチェンバロ対決したり、水上の音楽を演奏した日の宴やメサイヤなど、ヘンデル音楽を楽しめます。

映画「カストラート」1994年

カステラートとは少年の声を声変わりしないように去勢した男性歌手。実在したバロック時代のカストラート歌手ファリネッリの生涯を描いた映画です。1730年代のヘンデルと貴族オペラの対立を背景としています。

カストラート字幕版はこちら

華やかな活躍をしたヘンデル

ヘンデルの作品番号はHWVで、バーゼルトがまとめたヘンデルの作品番号です。全部で612まであるといわれています。オペラ・オラトリオ、鍵盤楽器曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽、歌曲など多くのジャンルにおいて実にたくさんの作品を残しました。大衆のニーズに応えて華やかな活躍をした音楽家です。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME