夏休みは親子で『陶芸体験』を楽しもう。各地おすすめスポット6選

2019.07.19

土と手で作品を作り上げる『陶芸』の魅力に触れてみましょう。日本の伝統工芸でもある陶芸には、全国各地に有名な窯があり、陶芸体験ができる教室も多数開講されています。自分にしか出せない『味』のある陶磁器を作ってみてはいかがでしょうか。

陶芸の基礎情報を知る

陶芸体験をするに当たって、まずは陶芸の基礎知識と魅力について見てみましょう。

趣味にも仕事にもなる陶芸とは

『陶芸』とは、土や石の粉をこねて器や人形などを成形し、高温で焼成してガラス質となった『陶磁器』を作る技術を指します。

世界各地で行われてきた、およそ3万年にも及ぶ陶芸の歴史の中で、それぞれの土地の土を使い、さまざまな技術が生み出されてきました。

そして現代においてなお、食器などの日用品に限らず、タイルや洗面器など、生活に密着した『陶器』や『磁器』が作られ、大企業が工場生産することもあれば、個人で製作を行う陶芸家も数多く存在します。

また優れた陶磁器は芸術作品としての価値も高く、『土もの』と呼ばれる陶器と『石もの』と呼ばれる磁器との光沢感や質感の違いを生かした、展示・鑑賞を目的とする一点物の作品も製作されているのです。

創造する楽しさが魅力

個人で陶芸を行うとき、面白いのは「一つとして同じ作品が存在しない」ということです。

陶芸に用いられる土は『胎土(たいど)』と呼ばれ、これは産地によって成分が異なり、仮に同じ産地の胎土を同じように混ぜ同じように成形しても、微妙に不均質な形状に仕上がります。

また、窯で1000度にも達する高温で焼成する過程で、不均質な品物に不均一な熱が伝わり、熱で跳ねた藁や灰が表面に付着し、陶芸家が意図しない変化が起こることもあるのです。

土という不均質な素材と、予測困難な製作工程に向き合い、作り出された全ての作品に『味』と呼べる個性がある、一筋縄ではいかない創造の楽しみが陶芸の大きな魅力といえるでしょう。

陶芸体験の種類

陶芸体験には大きく分けて『絵付け』『電動ろくろ』『手びねり』の3種があります。これらは陶芸の基礎的な工程でもあるので、概要を理解しておきましょう。

簡単にできる絵付け

陶磁器を製作するには、まず水分を多く含んだ胎土を成形し、乾燥させた後に素焼き(釉薬を塗らず焼成すること)を行います。この段階で、水分を含ませても型崩れをしない『土器』になるのです。

陶芸体験の『絵付け』は、この土器の素地に呉須(ごす)や弁柄(べんがら)などの絵の具で彩色する工程で、教室が用意した土器に好みの色と筆を使って絵付けしていくことになります。

釉薬を塗ってから絵付けを行うことを上絵付け、釉薬を塗る前に絵付けを行うことを下絵付けといい、絵付けと釉掛け(くすりがけ)が終われば高温で本焼きをして陶芸作品が完成するのです。

絵付けは成形のように一歩間違えると作品を崩してしまう難しさがないため、お子さんでも手軽に行える陶芸体験といえるでしょう。

陶芸の醍醐味でもある電動ろくろ

陶芸をイメージするとき、回転する『ろくろ』の上の粘土にそっと指を添えていく、という場面が思い浮かぶ人も多いでしょう。

陶芸体験では、自動で回転する電動ろくろを使って胎土を成形する、という「陶芸らしい」工程も体験できます。

電動ろくろを使う場合、球体状の胎土の塊をろくろに置いて回転させ、器の内側に手を入れたり外側に手のひらを当てて、中心から見たどの断面図も均一であるような回転対称形に成形していくのです。

回転の中心を意識しなければ簡単に崩れてしまうため、根気と慣れが必要になるかもしれません。1日だけの体験より数日間かけた方が、手の感覚が馴染んできて思い通りの形に近付けることができるでしょう。

自由に成形ができる手びねり

ろくろでの成形は、お椀や湯呑みのような、角のない器を作ることに向いていますが、四角形の器や人形など、もっと自由な成形をするには『手びねり』が向いています。

手びねりは歴史的に最も古くから行われてきた手法で、最低限必要なものは粘土と手です。

胎土の塊を手指で伸ばしていく『玉作り』が基本ですが、背の高い器を作る際には、胎土を紐状に伸ばして積み重ねていく『紐作り』を行うこともあります。

手びねりでは、取手や蓋付きの器を作ることができるなど、自由度が高いため成形の楽しみを味わうにはおすすめです。

ただ、本焼き後には成形したときの品物より1・2割縮んでしまうので、少し大きめに作っておくことを意識しましょう。

陶芸体験の注意点

陶芸体験をする際には、陶芸という製作行為が粘土と水を扱うこと、高温の窯で焼成して始めて完成品となることを意識しておきましょう。

汚れてもいい服装で行く

陶芸では粘土や水を扱い、手で直接触れて成形していくので、思わぬところで粘土が服に付着することがあります。陶芸体験をする際は、汚れてもいい着替えを持参しておくのが良いでしょう。

絵付けのみの体験なら、水分を含んだ粘土で汚れることは避けられるかもしれません。ただ、ろくろを使った成形では回転運動に合わせて水が飛散しますので、汚れるのが前提と考えておきましょう。

完成品は後日受け取り

絵付けにしても成形にしても、最終的に本焼きを行う工程があります。陶芸体験で行った工程の後に、完成品に仕上げてもらえるまでに短くとも1カ月はかかると考えておきましょう。

絵付けをした作品はそこで持ち帰れるように見えるかもしれませんが、乾燥させるだけでは塗料が定着せず、水洗いをしただけで簡単に溶け出してしまいます。

特に食器の場合では焼成して耐水性や耐久性を高めておかなければ実用性を欠くため、作品を安心して使っていくためにも仕上げは重要です。

焼成後の微妙な色味の変化や、釉薬に入る微細な割れなど、本焼きしてみなければ完成形がわからない、というところも陶芸体験の楽しみの一つと考えておきましょう。

関東でおすすめの陶芸体験

実際に陶芸体験する際の、関東圏でのおすすめスポットを三つ紹介します。東京・神奈川・千葉にお住まいの人には特におすすめです。

東京 GINZA自遊工房

東京でおすすめの陶芸体験スポットは、銀座駅から徒歩2分という好立地にある『GINZA自遊工房』です。

『陶芸一日体験』プランでは、手回しできるろくろを使った手びねりの陶芸が楽しめます。2時間ほどを目安として、800gの粘土を使って一つの作品を作るのも良し、複数の小物を作るのも良しというプランです。

受講料は粘土代・焼成費込みで割増はなく、焼き上がりまでは90日、保管期間は6カ月となっています。

また、『陶芸絵付け体験』『電動ロクロ体験』というプランもあるので、併せて体験してみるのも良いでしょう。

さらに、月2回か4回通う『会員制教室』もあり、こちらは粘土の使用量が無制限なので、1回2時間という時間制限内ならいくらでも製作することができます。

  • 店舗名:GINZA自遊工房
  • 住所:東京都中央区銀座5-10-1プリンスビル3階
  • 電話番号:03-3572-1414
  • 営業時間:陶芸1日体験、レザークラフト1日体験、陶芸会員制コース、レザークラフト会員制コースはそれぞれ設定あり ※日曜日、祭日13:00〜17:00
  • 定休日:元旦
  • 公式HP

神奈川 たからの窯

神奈川県の陶芸体験おすすめスポットは、JR北鎌倉駅から徒歩10分のシェアアトリエ・ハウス『たからの庭』内の『たからの窯』です。

『手びねり体験』『電動ロクロ体験』の他に、たからの窯オリジナルの製法で作る『葉っぱの器づくり』というプランもあります。

他にも、蚊取り線香用の器作りなどの期間限定メニューや、たからの庭内のコラボレーション企画などもあり、何度訪れても新しい楽しみがあるでしょう。

陶芸の技術を学ぶだけでなく、陶芸作品を作るということの楽しみに、さまざまな角度から接してみてはいかがでしょうか。

  • 店舗名 : たからの窯
  • 住所 : 神奈川県鎌倉市山ノ内1418-ロ 【たからの庭内】
  • 電話番号 : 050-3748-8007
  • 営業時間 : 10:00〜16:00 葉っぱの器づくり、手びねり体験、電動ロクロ体験、その他特別メニューはそれぞれ時間設定あり
  • 定休日 : 不定休
  • 公式HP

千葉 千葉陶芸工房

JR千葉駅北口から徒歩8分の『千葉陶芸工房』は、教室とカフェが一体になったおしゃれな陶芸体験教室です。

『絵付け体験コース』の他に、手びねりと電動ろくろの『1日体験コース』と、絵付けを含めた『2日体験コース』というプランがあります。

1日体験コースの場合は講師が絵付けし、それぞれのコースで作品の受け渡しは2〜3カ月後となっているので、より自分の個性を出した作品を求めるなら2日体験コースを受講して仕上がりを待つのが良いでしょう。

  • 店舗名 : 千葉陶芸工房
  • 住所 : 千葉県千葉市中央区松波3-10-10 1階
  • 電話番号 : 043-301-4606
  • 営業時間 : 10:30〜20:30 陶芸体験(電動ロクロ・手びねり)、陶芸絵付け体験はそれぞれ時間設定あり
  • 定休日 : 年末年始
  • 公式HP

東海や関西の陶芸体験

大阪・京都・愛知の、それぞれに特色のある教室を紹介します。時間無制限・バリアフリー・焼物文化の街という、旅行がてら陶芸体験するのにもおすすめの3教室です。

大阪 工房いちえん

京阪牧野駅から徒歩10分の『工房いちえん』は、10:00〜16:00の開講時間内であれば、定額で時間無制限に陶芸体験ができます。

60〜120分という時間制限を設けたプランが多い中で、じっくり陶芸と作品に向き合いたい人に特におすすめの陶芸教室です。

『陶芸1日体験教室』プランでは、受講費用は1kgの粘土代と焼成費込みの定額で、手びねりや電動ろくろなど、好みの製作方法を自分で選んで指導してもらうことができます。

会員制の『陶芸教室』でも、入会金と定額の毎回受講料と材料費はかかるものの、電動ろくろだから料金割り増しということもなく、やはり時間制限もありません。

自分のペースで時間を気にせず製作に打ち込みたいなら、工房いちえんで受講するのをおすすめします。

  • 店舗名 : 工房いちえん
  • 住所 : 大阪府枚方市宇山町16-14
  • 電話番号 : 072-856-3504
  • 営業時間 : 10:00〜16:00
  • 定休日 : 日曜日、月曜日
  • 公式HP

京都 豊仙窯

『豊仙窯』は、京都を代表する焼物である清水焼(きよみずやき)の窯元が運営する陶芸教室です。

コースは『電動ろくろ体験コース』と『手ひねり体験コース』の2種類で、どちらも60分間、京焼の雰囲気を高める作務衣の貸し出しサービスもあります。

全館バリアフリーで、館内の見通しも良く、誰でも気軽に立ち寄れるモダンで清潔感のあるスペースです。和菓子とお茶のサービスもあり、おもてなしの精神に溢れているところも魅力のひとつといえるでしょう。

  • 店舗名 : 豊仙窯
  • 住所 : 京都府京都市東山区大黒町通七条上る塗師屋町579-1
  • 電話番号 : 075-531-8362
  • 営業時間 : 9:00〜21:00 電動ろくろ体験コース、手ひねり体験コースはそれぞれ時間設定あり
  • 定休日 : 毎月第3日曜日
  • 公式HP

愛知 義翠窯 陶芸道場

『義翠窯 陶芸道場』は、日本六古窯に数えられる常滑焼(とこなめやき)の製法を受け継ぐ伝統工芸士が運営する陶芸教室です。

『電動ろくろ』『手びねり』の他に、板状に伸ばした胎土(タタラ)を繋ぎ合わせたり皿状に成形する『タタラ作り』のコースもあります。常滑焼特有の、赤みがかった『朱泥粘土』を使うことができるのもポイントでしょう。

義翠窯は、名鉄常滑線の常滑駅を下車し、やきもの散歩道Aコースと呼ばれる、煙突や窯元など焼物に関する景観が楽しめる道の中にあります。

実際に手を動かして製作するだけではなく、焼物にまつわるさまざまな文化に触れてみてはいかがでしょうか。

  • 店舗名 : 義翠窯 陶芸道場
  • 住所 : 愛知県常滑市栄町4-39
  • 電話番号 : 0569-34-2736
  • 営業時間 : 8:00〜17:00
  • 定休日 : 無休
  • 公式HP

陶芸体験で自分だけの器を作ってみよう

陶芸は日本の伝統工芸の一つで、伊万里焼や備前焼など有名な産地が多数あり、国宝になる陶磁器もあれば人間国宝になる陶芸家もいます。

良質な陶磁器を作ろうとすると長い修行が必要になりますが、日本の文化を再発見するという意味でも、陶芸に触れ、自分だけが出せる『味』に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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