天気が良いと、「自転車で出かけたい」という人も多くなってきます。また、健康のためや、通勤手段として自転車に乗りたい人もいるでしょう。「自転車に乗りたいけれど、ママチャリはちょっと…」という人におすすめな自転車がクロスバイクです。
スポーツバイクの1つ、クロスバイクとは?
『クロスバイク』は、適度な前傾姿勢を取りながら乗るスポーツ自転車の一種です。見た目はシティサイクルに近く、ロードバイクよりも安定性があるため、スポーツバイク初心者でも乗りやすいことが特徴です。
価格は5万円前後からあり、ロードバイクやマウンテンバイクほど高額ではありません。特徴を細かく見ていきましょう。
安定性が高く、多目的に使える自転車
クロスバイクは、ハンドル幅が広めに取られているため、高速域でも安定した走行ができるのが特徴です。
ロードバイクよりもタイヤが太いため、クッション性が良く、乗り心地も快適です。また、パンクしにくいため、舗装してある道路だけでなく、草や小石が多い川沿いの土手など、1台でさまざまな路面を走ることができます。
つまり、クロスバイクは、街乗りからサイクリング、荷物を載せてのロングツーリングなど、幅広い楽しみ方が可能です。
更に、他のスポーツバイクと比べて価格が手頃なため、通勤・通学から、体力づくりのトレーニングなど、さまざまな用途で乗り始める人が多く、気軽に始められるスポーツ自転車として、とても人気があります。
ロードバイクとはどう違う?
クロスバイクがロードバイクと違うところは、3つあります。
1つ目は『スピード』です。ロードバイクは、舗装されている道路を走る自転車の中では最も速いスピードで走ることができます。
そのため、タイヤもクロスバイクに比べると細めになっています。その特徴ゆえに安定性は低く、舗装されていない道路を走るのには向いていません。
舗装されていない道路や、段差がある場所を走る可能性がある場合は、クロスバイクが向いています。
2つ目は『軽さ』です。ロードバイクは、アルミ・カーボン・スチールといった軽量な素材から作られており、軽いものでは6〜10kgの重量しかありません。これは、シティサイクルの半分以下の軽さです。
クロスバイクにも、カーボンなどの軽い素材で作られたものが増えてきましたが、ロードバイクよりもタイヤが太いため、多少重くなります。
3つ目は『価格』です。ロードバイクは、安いものでも10万円前後しますが、クロスバイクは5万円前後から購入可能です。スポーツ自転車を初心者でも比較的手が出しやすい価格帯というのも、クロスバイクの魅力です。
クロスバイクの3つの優れた特徴
スポーツ自転車を始める人に、クロスバイクがおすすめな理由は3つあります。『シティサイクルと似た操作性の高いハンドル』『道路状況に応じて変えられるギア段数の多さ』『走行性と快適性を両立したタイヤ』です。具体的に見ていきましょう。
操作性の高いバンドルを使用
クロスバイクのハンドルは、シティサイクルと同じ、一直線のストレートタイプのハンドルです。シティサイクルに比べてハンドルの幅が少し広く、細かなハンドル操作ができます。
乗り慣れたシティサイクルと同じハンドルなので、スポーツ自転車が初めての人でも安心して、人通りや車の多い市街地で乗ることができます。
ギアの変速段数の多さ
クロスバイクは、ギア変速段数が多いことも特徴です。前3段・後7段のモデルから、前1段・後8段のものまでさまざまな種類があります。変則段数が多いほど価格は高額になりますが、道路の状況に合わせて快適に走ることができます。
例えば、大きな力が必要になる漕ぎ出しや、登り坂に差し掛かった時には、軽めのギアでペダルを回しやすくし、スピードが出てきたら重いギアに変えることで、少ない力で走ることができ、体力の消耗を防ぎます。
程よい太さのタイヤで走行性と快適性を両立
クロスバイクのタイヤ幅は3cm前後あります。シティサイクルと同じ程度の幅で、ロードバイクとマウンテンバイクの中間にあたります。
これにより、ロードバイクほどのスピードは出ませんが、マウンテンバイクよりは速く走ることができます。
また、あまりにもデコボコした道を走ることや、大きな段差を乗り越えるのには向きませんが、舗装していない道路でもある程度安定した乗り心地を体感できるでしょう。
タイヤを交換することで、ロードバイクのようにスピード効率を重視したり、マウンテンバイクのように安定性を高めたりというカスタマイズも可能なので、好みに応じて楽しむことができます。
クロスバイクの選び方ポイント
クロスバイクの特徴や良さがわかったところで、自分に合ったクロスバイクを選んでみましょう。
自分に合ったクロスバイクを見つけるポイントは、『用途に合った機能』『体に合ったサイズ』『価格』の3つの視点が必要です。
用途で選ぶ
『クロスバイク』は、舗装されている道路を中心に、街中の段差があるところや、川の土手など草や小石がある道の走行、10km以下の通勤用といった使い方が向いている自転車です。
舗装されている道路をスピード感を持って走りたい場合や、レースに出たい場合には、『ロードバイク』が向いていますし、山道のように大きめの石がある道や、デコボコした道を走る場合は、『マウンテンバイク』が向いています。
自分に合ったサイズを選ぶ
クロスバイクに限らず、安全に自転車に乗るには、体に合った大きさの自転車を選ぶことが大切です。
具体的には、ペダルの軸の部分からサドルの根元までの『シートチューブの長さ』と、ハンドルからサドルの根元までの『トップチューブの長さ』を、それぞれ身長に合わせたサイズを選ぶようにしましょう。
体の大きさに合ったバイクを選ぶことで、バイク本来の性能が発揮できるだけでなく、肩や膝、腰などの関節への負担を軽減し、安全に気持ち良く乗ることができます。
初めてクロスバイクに乗る場合は、わからないことが多いものです。実際のクロスバイクを見ながら、お店の人に体にあったクロスバイクを勧めてもらうのも良いでしょう。
予算で決める
初心者向けのクロスバイクは、5~10万円のものが多いです。安価なシティサイクルと比べると高いと思う人もいるかもしれませんが、シティサイクルと比べるとかなり軽く、強度も高いので、コストパフォーマンスに優れています。
一方で、シティサイクルには標準装備のスタンドや泥除け・カゴですが、クロスバイクの場合はカスタマイズになります。買い物や通勤などで荷物が多くなる人は、つけておいたほうが便利でしょう。
より軽く、より振動吸収性に優れたクロスバイクになると、10万円以上します。カーボンなどの軽い素材が使われており、タイヤが細くなるので、ロードバイクに近いスピード感を求めたい人におすすめです。
クロスバイクの人気5ブランド
人気のクロスバイクブランドといえば、『ジャイアント』『トレック』『ビアンキ』『ルイガノ』『ブリジストン』です。
それぞれのブランドごとに、コスパの良さや技術力の高さ・おしゃれ感・安全性などの特徴があります。お気に入りのメーカーを見つけてみてください。
ジャイアント
ジャイアントは世界最大手の自転車メーカーで、同じような価格帯の自転車で比べた場合、品質の高さとコストパフォーマンスの良さが自慢のメーカーです。
女性向けに『Liv』というブランドが加わったことで、ユーザーのニーズに合わせた幅広い選択ができるようになりました。
トレック
1976年にアメリカで誕生したトレックは、『OCLVカーボン』というトレック独自のカーボンを採用しているため、他のメーカーに比べて価格はやや高めになっています。
ツール・ド・フランスを7連覇したランス選手にバイクを提供していた実績もあり、実績も技術も一流の総合自転車メーカーと言えます。ロゴの存在感が強く、男性的なイメージのデザインが特徴です。
ビアンキ
ビアンキは、世界最古の自転車ブランドで、イタリアの空をイメージしたグリーンが印象的です。
おしゃれなデザインの自転車が多く、さまざまなプロに自転車を提供してきた実績がある一方で、最近では初心者向けの自転車にも力を入れています。豊富なラインナップも特徴の1つです。
ルイガノ
ルイガノは、1984年のロス・オリンピックで自転車のカナダ代表になった、ルイ・ガノーが創始者の自転車メーカーです。
ルイ・ガノーは大学の芸術学部でアートの歴史と技術を学び、アーティストとしての一面も持ち合わせています。そのため、ルイガノの自転車はとてもカラフルでスタイリッシュです。
ブリヂストン
ブリジストンは、クロスバイクの他にも、電動自転車やシティサイクルなど、さまざまな自転車を出している日本のメーカーです。日本人の体形に合った自転車が揃っているので、好みの1台が探しやすいでしょう。
ブリジストンのクロスバイクは、価格が5万円台のものが中心です。車種は少ないものの、他のメーカーと比べると値ごろ感があるかもしれません。
初心者におすすめクロスバイク4選
クロスバイクのメーカーもたくさんあり、車種もさまざまです。初めてクロスバイクに乗る人は逆に迷ってしまうかもしれません。初心者でも抵抗なく乗れる、オススメの自転車を4車種ご紹介します。
ブリヂストン オルディナ F5B
ブリヂストン オルディナ F5Bは、通勤向けに気軽に使えるクロスバイクです。
自転車のメンテナンスの中で、もっとも頻繁に行うことになるのが『タイヤの空気入れ』ですが、ブリヂストン オルディナ F5Bは、シティサイクルと同じ空気入れを使うことができます。
そのほか、サドルの盗難防止にボルト式のシートクランプや、素早く鍵がかけられるよう、サークル鍵が採用されています。
- 商品名:ブリヂストン オルディナ F5B
- 価格:57,800円(税抜)
- ブリジストン:商品ページ
ジャイアント ESCAPE RX3
ジャイアント ESCAPE RX3は、6〜7万円のクロスバイクの中では、特に優れたスペックを持つクロスバイクです。軽量アルミフレームとカーボン素材でできているため、車体の重量も軽く、3段階の前ギア・9段階の後ろギアがついています。
せっかく購入するなら、高スペックの1台をと考えている人におすすめです。
- 商品名:ジャイアント ESCAPE RX3
- 価格:65,000円(税抜)
- ジャイアント:商品ページ
ルイガノ シャッセ
カラフルなカラーが目を引くルイガノ シャッセは、女性向きのおしゃれなクロスバイクです。
カラーバリエーションが豊富で、発色の良い美しいカラーが揃います。32cのタイヤが街中の路面段差も吸収するため、ノンストレスで走れます。370mmのサイズもあり、小柄な女性でもクロスバイクを存分に楽しめるでしょう。
- 商品名:ルイガノ シャッセ
- 価格:52,000円(税抜)
- ルイガノ:商品ページ
トレック FX3
トレック FX3は、ロードバイク並みのスピード感があり、アルミフレームとカーボンフォークにより、あらゆる路面を快適に走ることができます。
また、27段変速のドライブトレインは、どんな坂道も登ることができるので、通勤からトレーニングまで、幅広い用途で乗れるクロスバイクです。
- 商品名:トレック FX3
- 価格:72,000円(税抜)
- トレック:商品ページ
クロスバイクにカゴを付けるとより快適に
シティサイクルとは違い、クロスバイクにはカゴが付いていません。
そのため、荷物はリュックサックで背負う人が多いですが、仕事で背負えないバッグを持つことがあったり、買い物で荷物が増えたりすると、カゴがないことで不便に感じることもあるでしょう。
クロスバイク用のカゴで、価格も2000円前後のスタイリッシュなカゴを3つご紹介します。
OGK技研 ATB・クロスバイク用バスケット
OGK技研 ATB・クロスバイク用バスケットは、シルバーと黒の2色が展開されています。カゴの上部にはライトを取り付けるバーも付いているので、暗くなってからの帰宅も安心です。
容量は、大きなカバンもスッキリ入る13Lで、耐荷重量は3kgあります。
- 商品名:OGK技研 ATB・クロスバイク用バスケット
- 価格:2,984円(税込)
- Amazon:商品ページ
PALMY ATBワイヤーバスケット
PALMY ATBワイヤーバスケットは、クロスバイクの見た目を損なわないコンパクトタイプが特徴のカゴです。カゴは取り付けたいけれど、見た目のおしゃれ感を損ないたくない人におすすめです。
- 商品名:PALMY ATBワイヤーバスケット
- 価格:1,118円(税込)
- Amazon:商品ページ
マイパラス ATBバスケット
マイパラスATBバスケットは、大きさを感じさせないサイズ感ですが、耐荷重量は3kgあります。下底300×180mm、高さ110~160mmと、カバンを安心して置ける大きさです。
- 商品名:マイパラスATBバスケット
- 価格:2,200円(税込)
- Amazon:商品ページ
人気のクロスバイクを中古で購入
クロスバイクはロードバイクよりも手頃とは言え、シティサイクルに比べれば性能も価格も高めです。お気に入りの1台をできるだけ安く手に入れたい時は、中古のクロスバイクを購入するも手段の1つです。
また、中古市場でクロスバイクを探していると、すでに生産終了になって新品では買えないモデルを見つけられる場合もあります。
ただ、中古のクロスバイクを購入する際には、メリットもある一方で、デメリットもあります。失敗しない買い物をするためにも、中古のクロスバイク購入にあたってのメリットとデメリットを押さえておきましょう。
低価格で手に入れられるメリット
中古クロスバイクを購入する最大のメリットは、『価格の安さ』です。新品の3割から半額で購入できる場合があるので、新品だと予算オーバーでも、中古なら購入できるというケースもあるでしょう。
作りがしっかりしている自転車なら、消耗した部品の交換をし、整備をすれば、まだまだ乗れる自転車があります。
近くに中古自転車の専門店があれば、実物を見たり、お店の人に相談したりしながら買うことができるので、クロスバイクの知識がない人でも安心して購入できるでしょう。
近くにお店がない場合でも、通販やオークションを利用する方法があります。通販やオークションの場合、こちらで送料を負担しなければならない場合が多いので、送料の金額は確認しましょう。
デメリットも必ず確認して
中古のクロスロードバイクを購入する場合、気をつけたいデメリットは3つあります。
1つは、部品が劣化していたり、部品の交換時期が新品より早かったりして、『新品に比べてメンテナンスの経費がかかる』ということです。部品が劣化したまま乗るのは危険なので、乗る前の点検は必ず行いましょう。
2つ目は、『防犯登録の変更が必要』ということです。自転車の持ち主を表す防犯登録は、変更しないと盗難自転車と疑われてしまうことがあります。前の持ち主の防犯登録が抹消されているかを事前に確認しましょう。
3つ目は、『クロスバイクの大きさが自分の体と合わない場合がある』ことです。フレームの長さは、メーカーや年式によって違います。
通販やオークションで実物を見ずに買った自転車が、届いて見たら思っていた大きさと違ったということがあるかもしれません。
クロスバイクでより快適な自転車ライフを
スポーツバイクの最初の1台として、クロスバイクはおすすめです。クロスバイクにもさまざまな種類があるので、各メーカーの特徴や、どんな時に、どんな場所で乗るのかを考えながら、お気に入りの1台を見つけてください。
自分の体や用途に合わせた1台で楽しい自転車ライフを送りましょう。