大人が知っておきたい建築用語。日常で役立つ基本用語を紹介

2019.07.18

建築用語は、建築業界に関わらない人にとっては難しいものも少なくありません。しかし、ある程度の建築用語を覚えていると、マイホーム建築や賃貸物件を借りるときなどに活用できます。そこで、覚えておいて損はない建築用語にまつわる情報を紹介します。

マイホーム建設に使える建築用語とは

マイホームを建てたい、と考えていろいろな情報を調べていると、専門的な建築用語が頻出してよく分からない、という経験をしたことはないでしょうか。マイホームを建てるときには、ある程度の建築用語とその意味を知っているだけでも理想の家づくりに役立ちます。

工法次第で家の形が決まる

家を建てるための工法には、いくつかの種類があります。それぞれの工法によりメリットやデメリット、コストのほか、家の形も変わってきます。主な工法として、以下の5種類があります。

  • 木造軸組工法:『在来工法』と呼ばれることもある、日本の伝統的な工法。土台に載せた基礎に木材で作った柱や梁で骨組みを作る方法で、比較的デザインや間取りの自由度が高く、増改築もしやすい工法である
  • 2×4(ツーバイフォー)工法:断面サイズが2×4の角材を使用することから名付けられた2×4工法は、北米から輸入された、天井や床、壁で建物を支える工法である。耐震性や耐火性に優れている
  • 鉄骨造:柱や梁にボルトで固定した鉄骨を用いる工法。鉄骨の種類により軽量鉄骨造、重量鉄骨造に分けることができる。木造よりも柱の数を少なくできるので、大きな空間を作りやすいメリットがある
  • RC造:鉄筋を組み立てた型枠にコンクリートを流し、壁や柱を作る工法で、『鉄筋コンクリート造』とも言う。耐久性や耐火性、強度の高い家を作れるメリットがある
  • プレハブ工法:プレハブ工法では、工場で作った壁や柱、梁などの部材を現場で組み立てる工法である。工場で作られた部材を使用するので品質管理しやすく、工期を短く済ませやすい

立地によって家の形は異なる

家を建てるには、土地が必要です。その土地の場所によっては、理想の家を建てられないこともあります。そこで知っておきたいのが、『建ぺい率』と『容積率』です。

建ぺい率とは、敷地面積に対して建物を建てられる建築面積の割合です。例として、100平方メートルの土地で建ぺい率が50%とされていた場合、建てられる家の建築面積は50平方メートルまでとなります。

容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積のことです。延べ床面積とは、全ての階の床面積の合計で、玄関やベランダなどは含まれません。

例えば、敷地面積100平方メートルの土地で容積率が100%だった場合は、全ての階の床面積の合計が100平方メートルまでの建物を建てられます。

建ぺい率と容積率は、土地が所在する地域の都市計画で定められており、数値を超える建物は建てられません。つまり、いくら自分が所有する土地であっても、そこに建てられる家の形や大きさは完全に自由ではないのです。

知っておきたい図面の建築用語

マイホームを建てるときに必ず見る機会があるのが、住宅設計図面ではないでしょうか。何も知識がない素人には、なかなか普段目にすることがない記号や表記が多く、読み解くのが難しいものです。

そこで、家づくりのときに知っておきたい図面の見方のポイントを紹介します。

基本設計図と実施設計図の違い

家を建てるときに使用する設計図は、『基本設計図』と『実施設計図』の2種類があります。

基本設計図とは、家を建築するときに最初に作成される、基本となる設計図です。建築主の要望などに沿って、施工会社やデザイン会社などが作成するもので、間取りを示した平面図、4方向から建物を見た図である立面図などが含まれます。

基本設計図を元に、建築主と設計者が打ち合わせをして修正や調整などを行い、施工できる図面にしたものが、『実施設計図』となります。

また、平面図と同様の図面として『間取り図』があり、どちらも同じ意味で使われることがありますが、この2種類も実は違う図面です。どこにどの部屋があるのかを示す間取り図は手書きで書かれることあるのに対し、平面図は間取り図を元にCADを用いて正確な縮尺で書かれたという違いがあります。

平面図で使用される主な記号と表記

平面図を見ていると、何となく意味が分かる記号や表記がある一方で、何かよく分からない表記・記号も少なくありません。

特に多く使われる窓の記号では、一般的な引き違い窓では中央の長方形の中に引違いを表す2本の線が描かれています。中央部分が仕切られておらず外側に一点鎖線が引かれたものは『シャッター』、2枚重ねになっているものは開閉できない『FIX窓』など、線の変化で窓の形状を表します。

扉でも記号が多用されることがあり、開く様子が一つのみは片開き戸、二つあるなら両開き戸と理解できます。その他にも、引き違い戸の場合は引違い窓と同様の2本の線、アコーディオンカーテンなら波線が描かれています。

平面図では、窓や扉部分に記号だけではなく、数字などの表記があります。これは使用する窓や扉の名称に加え、数字は取り付ける窓や扉のサイズ、括弧書きの数値は取り付け位置を表します。

部屋の略語も知ろう

図面には、各部屋の名称が略語で記載されています。一般的な『LDK』がリビング・ダイニング・キッチンを表すことは多くの人が知っていますが、その他にも以下のような略語が登場することがあります。

  • MBR:『メインベッドルーム』という意味で、主寝室や最も広い寝室を指す
  • BR:『ベッドルーム』のことで、寝室や子ども部屋に使う
  • UB:『ユニットバス』の略で、組み立て式の浴室を意味する
  • SIC:玄関の収納スペース『シューズインクローゼット』のこと

聞いたら驚く?建築用語

建築用語の中には、普通に使用するときと異なる意味を持つ単語がいくつかあります。意味を知らずに聞くと驚いてしまうような意外な単語もあるので、覚えておくと役に立つかもしれません。

いじめるとは

あまり良い意味を持たない『いじめる』という単語ですが、建築用語では2種類の部材が干渉して収まらない場合に、片方の部材を縮めたり欠き取ったりして『いじめる』ことによって収めることを指す言葉です。

部材だけではなく、間取りでも隣接する一方の面積を拡げた場合、もう一方を『いじめた』と表現することがあります。

ヌスミとは

『ヌスミ』も、一般的にはあまり良い意味ではない言葉です。しかし建築用語としてのヌスミとは、後から何かを嵌めるときに備えてコンクリート面などをあらかじめ欠き取って置くという意味です。

ヌスミはサッシや窓枠を付けたり、仕上げをしたりするのに必要なスペースを作るためにある、大事な工程の一つです。

NETとGROSSとは

家の見積もりを取ったときなどに、『NET』や『GROSS』という単語が登場し、『NET金額』と表記されていることもあります。

NET金額とは、施工会社などにより多少意味が異なりますが、値引きなどを除いた最終的な価格、手数料などが加わっていない工事原価、または割引可能な最低価格の意味となります。

そして、GROSSはNET金額に対する言葉で、値引き前の価格または手数料・マージン込みの価格という違いがあります。

建築用語が由来の意外な言葉

日常生活でも耳にすることが多い言葉やことわざには、実は建築用語が語源になっているものもあります。

日常で使用する言葉

日常生活でも使うことがある言葉の中で建築用語が由来になっている言葉の例として、『大黒柱』や『束の間』、『叩き上げ』などがあります。

実際の大黒柱は、家の中央にある太い柱です。住宅を支えていることが転じて、一家を支える人物を表現した言葉です。束の間はわずか、ほんの少しという意味で使用されることが多い言葉ですが、『束』とは指4本分ほどの幅の短い柱のことです。柱の短さを時間の短さに例えて表されるようになった言葉です。

苦労をして一人前になった人のことを表現する『叩き上げ』は、土間を作るときの作業が由来となっています。土間は、3種類の土を混ぜて叩き固める『三和土(たたき)』を使用していましたが、いい加減な叩き方では良い土間ができないと言われていました。

この様子が転じ、『叩き上げ』は下積みで苦労して一人前になった人を指す言葉となりました。

ことわざ

ことわざにも、建築にかかわる表現が使われているものがあります。

例として『子はかすがい』ということわざがあります。子どもの存在が夫婦の縁を保ってくれるという意味ですが、『かすがい』とは『鎹』と書き、材木同士をつなぎ止めるための金物のことです。鎹が二つの材木をつなぐ様子を夫婦にたとえたのが、このことわざです。

もう一つ、『糠に釘』も手応えがない、効き目がないという意味を持つことわざですが、これは、柔らかい糠に釘を打ったときの何も手応えがない様子を、人の様子に当てはめて使われる表現です。

建築用語を調べるのにおすすめの本

最後に、建築用語をより知っておく参考になる、おすすめの書籍を3冊紹介します。

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日常で役立つ建築用語の基本を押さえよう

マイホームを建てるときはもちろん、賃貸住宅の間取りをチェックするときなども、建築用語や記号、表記を覚えていると便利です。今回紹介した情報を頭に入れておけば、マイホーム建築にも役立つでしょう。

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