『世界四大宝石』って何?意外と知らない宝石の種類と意味を解説

2019.07.18

指輪などの装飾品によく利用される宝石は、様々な種類のものが存在します。価値の決め方や宝石それぞれの特徴を知ることで、宝石に対しより理解を深められるでしょう。宝石の種類や代表的な宝石について解説します。

宝石の基礎知識

主に装飾品として扱われる宝石とはどのようなものを指すのか、数はどのくらいあるのかを確認していきます。

宝石の数や価値を決めるポイント

宝石とは、人が宝石であると考えるものが宝石であり、厳密な定義は存在しません。一般的に宝石といわれるものの多くは鉱物で、鉱物としての宝石は以下の三つの条件を満たしたものを指すとされます。

外観の美しさ 宝石の美しさは自然に引き出されるものと人工的に加えられたものがあります。
希少性の高さ 絶対量の少なさは宝石の価値に最も大きな影響を与えます。
一定レベル以上の硬さ 鉱物の硬さを10段階で表す『モース硬度』が7以上なら宝石として評価されます。例えば、ダイヤモンドは10、ガラスは5です。

世界中に存在する鉱物は4000~5000種類といわれ、その中で一般的に宝石の要件を備えている鉱物は約30種類とされています。

また、鉱物以外に、真珠や珊瑚など生き物から作られる宝石も存在します。

宝石の種類について

宝石の主な種類を解説します。

鉱物

多くの宝石は鉱物由来であり、硬度の度合いから以下のように分類されます。

貴石 十分な硬度を持つ宝石です。モース硬度10のダイヤモンド、9のサファイアとルビー、8前後のトパーズ・エメラルド・ガーネットなどが挙げられます。
半貴石 貴石に比べ硬度が劣る宝石です。モース硬度7前後のアメジスト・水晶・ヒスイ・オパールなどが挙げられます。

真珠

真珠は、真珠貝という生き物から作られる宝石で、パールとも呼ばれます。ツヤのある球体と白く美しい輝きから、『月の雫』『魚の涙』などの異名で古来より親しまれてきた、日本を代表する宝石です。

真珠には天然真珠と養殖真珠があり、現在市場に出回っている真珠のほとんどは養殖真珠です。養殖真珠には、主に日本で生産されるアコヤの他、シロチョウ・クロチョウ・タヒチ・淡水などの種類があります。

珊瑚

珊瑚には、宝飾品として使われる『宝石珊瑚』と、海中の珊瑚礁を形成する『造礁珊瑚』の2種類があります。宝石珊瑚は真珠と並び海から採れる宝石として、昔から人気があります。

造礁珊瑚が浅く暖かい海岸で太陽の光を浴びながら育つのに対し、宝石珊瑚は太陽の光が届かない深海で育つ珊瑚です。宝石珊瑚は人の歯と同程度の硬さで、磨くと美しいツヤを放ちます。

真珠や珊瑚のような生き物から取れる宝石は『有機質宝石』と呼ばれます。鉱物でできた『無機質宝石』と比べ、一般的に硬度が低いため傷つきやすく、酸やアルカリに弱いのが特徴です。

宝石のカットの種類

宝石には、より美しく見せるために、カットと呼ばれる加工が施されます。様々なカットの種類がある中で、代表的な二つのカットについて解説します。

ファセットカット

ファセットカットとは、いくつもの小さい面が幾何学的に組み合わさったカッティング技法です。宝石の透明度を最大限に活かすことが可能な技法で、透明度と光の屈折度が高い宝石に用いられます。

ファセットカットは、ブリリアントカットとステップカットに大別されます。宝石の輝きを最大限に引き出せるブリリアントカットは、主にダイヤモンドの加工で採用される技法です。

ステップカットは、宝石の外周を正方形または長方形に型取り、外周に沿って切子面を並行に研磨する技法です。輝きよりも透明度を重視し、主にエメラルドの加工で用いられます。

カボションカット

カボションカットとは、宝石を半球形にカットし磨き上げる技法です。石そのものの光沢を活かした表面のツヤや色の美しさ、石の量感を強調できます。ヒスイ・オパール・ターコイズなど、光沢効果が出やすい宝石によく用いられる技法です。

表面の傷が目立ちにくい技法であるため、砂塵により傷が付きやすいモース硬度7以下の宝石に多く施されます。ファセットカットではエッジが磨耗しやすい宝石も、カボションカットを施される場合があります。

半分のみドーム型で底面が平らなシングルカボションカットや、底面も膨らませた形のダブルカボションカットなど、様々な種類がある技法です。

四大宝石とそれぞれの意味

ダイヤモンド・サファイア・ルビー・エメラルドは、希少性や価値の高さから『世界四大宝石』といわれます。それぞれについて理解を深めましょう。

ダイヤモンド

『宝石の王様』と呼ばれるダイヤモンドは『金剛石』という和名を持ち、地球上に存在する天然物質の中で最も硬い物質です。宝石としての重要な条件を示すモース硬度が、10段階で最高かつ唯一の『10』を示します。

ダイヤモンドの輝きが美しい要因として、屈折率の高さが挙げられます。ダイヤモンドの屈折率は天然宝石の中で最も高く、光の分散度とのバランスが良いため、上品な輝きが広い範囲に放たれるのです。

ダイヤモンドは無色であるほど価値が上がりますが、ピンクやブルーのものは希少価値が高く、色だけで評価されます。例えば、ピンクダイヤモンドはオーストラリアでごくわずかに産出されるもののみで、色が濃いほど価値が上がります。

サファイア

ルビーと同じ『コランダム』という鉱物から成り、赤以外の色になったコランダムは全て『サファイア』です。和名で『蒼玉』と呼ばれ、青色が一般的ですが、無色・緑色・ピンク色など様々な色のサファイアも存在します。

基本的に色が薄いものや濃すぎるものは価値が低く、加熱処理を施されたものが多く市場に出回っている宝石です。未処理でも美しい天然のサファイアは、宝石用のサファイア全体の1%ほどしかないといわれ、価格が約10倍に上がります。

モース硬度はルビーと同じ9で、ダイヤモンドの次に硬い宝石です。光を当てた際に反射する光が星の形に見える『スターサファイア』は希少価値が高く、珍重されます。

ルビー

サファイアと同じ『コランダム』という鉱物の中で、赤色のものが『ルビー』です。和名で『紅玉』と呼ばれ、コランダムにクロムという物質が含まれることで赤色を呈します。

ルビーは赤みが強いほど宝石としての価値が高いとされ、ビルマ(現ミャンマー)産の濃赤色ルビーである『ピジョン・ブラッド』は、希少価値が高い最高級のルビーとして知られています。

また、ルビーは歴史上初めて人工作成に成功した宝石です。しかし、天然ルビーの貴重さが広く知られたことと、良質な加熱ルビーが入手できるようになったことにより、現在では合成ルビーが市場に出回ることはほとんどありません。

エメラルド

エメラルドは、『ベリル』という鉱物の一種で、緑色が特徴的な宝石です。ベリルには緑色以外にも様々な色が存在し、青いものは『アクアマリン』、ピンクのものは『モーガナイト』として知られています。

ほどんどのベリルは地表付近で作られるのに対し、緑色のベリルは地中深くで強い圧力を受けて作られるため、生成過程で傷が付いたりひび割れを起こしたりしやすくなります。そのため、エメラルドは希少価値が高く、特に大きく綺麗なエメラルドはより貴重なものとして扱われます。

その他の主な宝石と意味

四大宝石以外に広く知られている主な宝石について解説します。

アメジスト

『紫水晶』の和名でも知られるアメジストは、透き通った紫色が美しい宝石です。パワーストーンとしても人気があります。

アメジストは石英が紫色になったものです。一様で深くムラのない紫色であるほど、アメジストとして良質だとされます。アメジストの紫色は太陽光による退色性を持つため、長時間日光にさらされると変色する可能性があります。

主要原産地はブラジルとウルグアイです。日本でも、『加賀紫』と呼ばれる価値の高いアメジストが、石川県加賀地方からごくわずかに産出されます。

水晶

水晶は『クォーツ』『クリスタル』とも呼ばれ、石英が六角柱の形に結晶したものです。一般的な無色透明の水晶以外に、不純物が混じり色の付いた水晶もあります。

水晶は、古くから世界中で親しまれてきた歴史を持ち、装飾品や通貨としてだけでなく、祈祷や儀式など神聖な場所でも用いられていました。現在最も一般的な時計であるクォーツ時計でも、電圧により規則的に振動する水晶の性質が利用されています。

水晶は世界中で産出され、パワーストーンとしても広く知られている宝石です。水晶の色変種の中では、紫色のアメジストや黄色のシトリンが有名です。

ヒスイ

ヒスイは深緑色の半透明な宝石です。中国や中南米では古くから高い人気を誇り、ダイヤモンドや金以上に価値の高いものとして扱われていました。

ヒスイは、組成の違いから硬玉と軟玉に分けられ、硬玉は『ジェダイト』、軟玉は『ネフライト』と呼ばれます。ジェダイトは『本ヒスイ』ともいわれ、一般的にはネフライトよりも価値が高い宝石として扱われます。

日本では勾玉に利用され、遺跡からも多く発掘されている宝石です。糸魚川や旭川など、国内にもヒスイの原石が採れる産地がありますが、日本産のヒスイは加工に適さない品質のものが多いため、宝石として市場に出回ることはほとんどありません。

オパール

オパールは『蛋白石』という和名を持ち、世界の需要の70%以上を日本が占めていた時代もあったほど、真珠と共に日本で特に好まれる宝石です。

見る角度や光の入り方により異なる独特の光彩が特徴的で、この現象を『遊色効果』といいます。遊色効果を持つオパールは『プレシャスオパール』と呼ばれ、一般的にはプレシャスオパールが宝石として市場に出回っています。

オパールはいくつかのカラーバリエーションがあり、一般的に有名な白色をはじめ、ピンク色・黄色・青色・黒色など種類が豊富です。また、天然と人工の2種類が存在し、天然のオパールは人工のものに比べ高価になります。

種類や意味を知るとより理解が深まる

宝石には様々な種類が存在し、それぞれの価値を決定付ける意味や特徴があります。見た目の美しさ以外にも、希少性や硬度の強さにより、宝石としての価値が高まる側面を持ちます。

宝石の種類やそれぞれの意味を知ることで理解が深まり、宝石を選ぶ機会がある場合などの参考になるでしょう。

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